私はむじなを入れて作ったのがむじな汁、たぬきのがたぬき汁と思っていましたところ、もうだいぶ前になりますが、たぬき汁と云うのは臭くて食べられないので、むじなを使うのだ、つまりむじな汁のことをたぬき汁と云うのだと、実しやかに言う人がいました。その人もそう信じて言ったのでしょうけれど、私もそうなのかとすっかり信じてしまっていました。
ところが先日ブログにむじなを書くとき調べて見ましたところ、むじなとたぬきの関係は大変ややこしく、まさにややこしやややこしやでありました。
つまり、たぬきと穴熊がいて、さらにむじなが加わるのですが、元々日本ではたぬきをむじなと云う土地も有り、たぬきを穴熊と混同している所も有り、さらにたぬきも穴熊もむじなと云っていたりされたようです。
と云うことはつまり、たぬき汁もむじな汁も同じものと云うことになります。
なお、たぬきと云う動物と、そのそっくりさんの穴熊と云う動物が有り、これらは似ていますが、近縁と云う程近いものではなく、今では動物学上はっきり分けられているとのこと。
それで、むじなと云う名称の動物は今は動物学上では、居ないと云うことになります。
でも、同じ穴のむじなと云うことわざまで有る位、むじなは有名な動物で、しかも麒麟や龍などのような架空の動物では無く、実在する動物なわけで、いかんともややこしい話ではあります。
有名なむじなと云う作品を残されたラフカディオハーン先生も、こんなこと、ご存知無かったかも。
上、たぬき。下、穴熊。(写真は、“private zoo garden”から。)
どちらもむじなとも呼ばれていたのに、むじなは今では学名には無く、宙に浮いてしまったような可哀相な動物に思えません?