もう何年も前になりますが、ちょうど山形、酒田へ出張していたときのことです。
酒田と云えば、本間様には及びもせぬが、せめてなりたやお奉行様とうたわれた位の日本一の豪農本間家の本拠地。
何と山形国体の酒田の会場は、この本間家が所有する会社の土地をご好意で県が借り上げて行われたものです。
ここで思いも寄らない驚くことが起こりました。この出張の最中にこの会社が倒産してしまったのです。新聞もテレビも、街の人達もてんやわんやの大騒ぎが始まりました。県はもっと大変だったのでしょうね。
どうなるのだろうと思いましたが、結果は何事も無く国体が執り行われました。物事、何とかはなるものだなと感じた一瞬です。
それから、ず~っと経って数年前、ツア-で東北方面を旅したとき、ツアーコンダクターさんがおっとりした年配の方で、何となくちょこちょこ会話をしていたのですが、本間さんと云う方だったので、ふと、先の話をしたら、何んと何んと、その方がそのときの当主、社長さんの実のご子息様とのこと。
会社を定年になった後、旅行が好きなので資格を取ってパートでやってるのだと、のどかにおっしゃってました。あの本間様の跡継ぎ様に、ツアコンさんとしてお目に掛るなんて。びっくりと共に楽しい不思議な思い出となりました。この世で出会った方の中で、最もおっとりした方では無いかと深く想い出に残ることになりました。
本間家、見学出来るようになってます。
写真は本間家旧本邸のホームページから。