蝿が挟まり、へびが黒こげに
あまり類例を見ない経験ゆえ、思い出も沢山あります。
真空管式電子頭脳(コンピューター)を使って動き出した 1万頭の豚の各々の成長に合わせた世界初の全自動給餌でしたが、動かして見ると豚がなじまなくて困った他にも牧場ならではの思いもよらないことが次々発生、都度びっくりの連続でした。
まず“蝿”
何分にも色々な虫のいる野原に豚が沢山いるのですから、そこは虫の宝庫。
最新鋭の真空管コンピュータには、沢山使われていたロータリスイッチの接点に蝿が挟まって、コンピュータが一発でダウン、原始的ですが絶対安全なピンボード式に交換して一件落着。
次に“へび”
そしたら、今度は 早朝自動運転に入ると同時に制御盤が煙と共に ドカーン とおそろしく大きな音を出して、いきなりSTOP。
盤を開けたら大きなへびが、真っ黒くなってスイッチにからまって往生してました。へびも驚いたことでしょうけど、これにはこちらもびっくり往生。
放熱用のベント口から盤に入り込んで来ていたのです。冬眠には恰好な場所だったのでしょう。
へびには気の毒でしたが、今となっては面白い経験の数々でした。
でも、これらの経験が次に生かされないままになってしまったのは残念です。しかし、お話の種としては限りない程、思い出が沢山出来ました。
工事中の建物の写真右側部分に へびが入り込んだ制御盤が設置されました。
未だ鉄骨だけの建物の中に横たわっているタンクが、私が苦心(?)して設計した餌のミキサー、小さく見えますが、5トンも入ります。
背景 飼料ストレージタンクの上のバケットエレベータの上の安全旗の下に居るのが私です。地上ではそよ風でも、高い所は、かなりの風圧を受けます。