アマチュア無線で音声を使った交信をする場合、特にHF(短波帯)では送信音声の音質を調整して相手に聞き易い音質にすると良い場合があります。
例えば、
パイルアップ時の応答率が上げるには、中高音域を持ち上げて少し甲高い音質にしたり、
ラグチュー時には低音を持ち上げると、聞き心地よい交信が出来たりします。
最近のHF帯の無線機はDSP方式の物がほとんどなので、パラメトリック・マイク・イコライザーなる物が内蔵されています。
上級の機種やオプションの「外部マネージメントユニット」を付加する事によってグラフィカルにイコライザーの周波数特性カーブが表示できる機種もあります。
残念ながら私の所持している無線機は、YAESU の FT-2000D という中級機種なので、グラフィカルには表示出来ません。 頭の中でイコライジングカーブを想像しながら調整する事になります。
FT-2000シリーズではマイクイコライザーは、低域・中域・高域の3種類があり、それぞれ「中心周波数」「マイクゲイン」「Q(先鋭度)設定」が設定出来ます。 この設定は、「イコライザーON」時と「スピーチブロセッサーON」時の2シーンについて別々の設定が出来ます。
マイクイコライザーの周波数特性を設定する場合は、「MENU」ボタンを押して設定モードにして、この様な表示の状態で、設定します。 「イコライザー3」の「レベル」を「5」に設定した状態の表示です。
非常に判りにくいし、設定も面倒です。
無線機をパソコンで制御する様にした場合は、この様にマイク・イコライザーの周波数特性カーブが表示され、非常に判りやすくなります。 また、1つの画面上で全てのパラメータが変更できるので簡単に設定ができます。 赤色のカーブが低域、青色のカーブが中域、緑色のカーブが高域で、各カーブを総合したカーブが黒色で表示されています。 設定したカーブは、ファイルとしてパソコン内に保存できるので、いくつでも保存と呼び出しが出来ます。
パソコンを利用した無線機のリモートコントロールソフトは色々ありますが、上記の表示は、YAESUのフリーソフト「PCC for FT-2000」での表示です。 プルダウンメニュー「Prmtrc」から更に「Prmtrc」を選択すると、この様な画面が表示され、設定や保存や呼び出しができる様になります。
「まえふり」 が長くなりましたが、今回紹介させてもらう物は、アナログ式のマイクイコライザーです。
これは、ファインオーディオさんが以前からネット販売されているアマチュア無線専用のマイク・イコライザーです。 ファインオーディオさんの公式ホームページは、 http://fine-audio.jp/
です。
購入時は、ダイナミックマイク付き、コンデンサーマイク付き、ヘッドセット付き、本体のみ、と色々な方法での注文が可能となっています。
入力は、「MIC IN」 と 「AUX IN」 の2入力があり、それぞれ入力ゲインのボリュームがあります。
同時に2つの入力が可能ですから、ミニミキサーですね。
2つの入力の両方ともイコライザーが掛かります。
イコラザーは、70Hz・140Hz・280Hz・1300Hz・2600Hz の5つの周波数について±12dBの範囲でゲイン調整が可能です。
このイコライザーで調整して、気に入った設定状態で、5つのイコライザーの内、大きく調整したイコライザーのほうから3つの周波数を選んで、前記の無線機の「パラメトリック・マイク・イコライザー」に設定すると、気に入った設定が容易になるかも知れません。
<注意> 上の写真では上部中央のマイクコネクタに、私が別途アンテナ用のキャップを付けています。
私は、「FAM-13」の本体のみを注文しましたが、アドニスのマイク切換器等を使用していますので、後部と上部のマイクコネクタ共に接続仕様は「アドニス」で注文しました。 また、あとから上部のコネクター部にマイクロフォンを取り付ける事を想定していましたので、安定性がある「ウエイト付き」で注文しました。(特殊な注文のしかたです。)
SONYのヘッドセットを接続して運用する事をメインに想定して注文しましたが、色々なアレンジで楽しんでいます。
ヘッドセットは、SONYの DR-350USB を採用しました。パソコンのUSBポートに接続して使用するタイプの物ですが、USBインターフェイス部分を取り外して使用しています。USB仕様でない物も販売されています。 ファインオーディオさんのアドバイスでは、「安価なヘッドセットの中には、コード部分のシールドが不十分で、無線の電波が回り込んでトラブルになる場合もある」との事でしたので、実績のあるSONY製の物を採用しました。
このヘッドセットは、メカニカル的な物ですが、外部ノイズをキャンセルする機能も持っており、私としては満足しています。
少し不満といいますか、注意しないといけない部分は、コードがもう少し長いと良いけどと思うところと、送信時にモニター音量を上げ過ぎるとハウリング気味になるところですが、マイクロフォン本体がヘッドフォン内にあるので仕方ないかな!?というところです。 市販の「ステレオフォン延長コード」を購入する事や、モニター音量を上げ過ぎない事で解決できます。
アドニスのスタンドマイク AM-508 を使用するスタイルの接続方法です。
ダイナミックマイクロフォンを使用するスタイルの接続方法です。
このマイクロフォンは、音楽シーン(コンサートや歌番組のボーカル用)や公共ホール等では定番中の定番、SHURE の SM-58です。
同様のグレードのマイクで新しい機種では、SHURE の BETA58A(ボーカル用超単一指向性)や BETA57A(楽器用超単一指向性(あえてボーカルで使用する場合もある))の選択肢もあります。
これ以降の記事は私が独断で行っている事なので、参考にされる場合は自己責任でお願いします。
イコライザー上部の8ピンコネクター部にマイクホルダーを接続する方法で、手持ちの材料を探して見ると、ホイップアンテナのローディングコイル部分がありました。
このアンテナはバイクに搭載して使用していましたが、エレメント部分が振動で外れて無くなりました。
今回、違う目的で日の目を見ることになりました。
このアンテナのローディングコイル上部は通常の物より少し大型なのでネジ部分にM8のダイスでネジを切る事が出来ました。 通常のアンテナの場合はこれよりも小さいのでM8のネジは切れません。
上側に写っている丸い物は、SHURE SM58 を買った時に販売店が付属してくれた「3/8-5/8インチ変換ネジ」です。 こちらもM8のタップで内側にネジを切り直します。
「ローディングコイル部」も「変換ネジ」もタップ切り加工する場合は、加工不要の部分に傷が付かないようにマスキングテープ等で十分に養生してから加工します。
「3/8-5/8インチ変換ネジ」 にM8のタップで穴加工したところ。
ローディングコイルの底部分には、中心電極部分が出ていますので、ペンチ等で折ります。
外部のスカート部分も不要(ねじ込むとイコライザー本体に接触する)なので、短く削り取りました。
この加工時も、加工が不要な部分はマスキングテープ等で養生してから加工します。
それぞれの加工が終了したら、「ローディングコイル」へ「3/8-5/8インチ変換ネジ」を取付て、マイクホルダーを取付ます。
マイクからイコライザーに接続する為のコードを製作して、セットします。
こんな感じでオペレーションします。
左側は、SM-58に付属のマイクホルダ(A25D)です。
このマイクホルダーでも特に問題ないと思います。
右側は、今回採用した別売のアイソレーションマウントA55Mです。
ただの自己満足かもしれません hi
手持ちのスタンドマイクを並べてみました。
左側は、バーテックスタンダード(YAESU)のMD-200A8Xです。
中央は、今回製作したマイクスタンドを使用した、FMA-13マイクイコライザーです。
右側は、ADDNIS のAM-508です。
さらに、応用としてフレキシブルマイクを取り付けてみました。
大昔に使用していたサンバイザー取付タイプの「Microphone & Speaker」 MS-5 (ADDNIS)のコンデンサーマイク部分を分解して、8ピンコネクターに取り付けてみました。
コンデンサーマイクなので電源とマイク信号を分離する必要があるので、8ピンコネクターのシェル内にカップリングコンデンサーと抵抗を接続する必要があります。
このマイクイコライザーFAM-13は購入時は中央下側の 「LOCK」 スイッチのランプは点灯しませんが、スイッチ自体は照光式のスイッチなので内部のソケットに小型のLEDをセットすると送信時にスイッチ内のLEDが光る様にできます。
LEDと直列に420オーム程度の抵抗を接続して、8Vの回路に接続しますが、抵抗を取り付ける部分は、マイクイコライザー本体の裏ブタのネジを外して、スイッチ裏側のLED用端子に半田付けします。
「LEDと直列抵抗」のプラス側は、内部回路の+8Vに接続します。
「LEDと直列抵抗」のマイナス側は、このスイッチの接点回路の「アースにつながっていない側」に接続します。
LEDの取付は、スイッチの表側の四角い透明と乳白色のカバーを外すと、内部にLED用の丸いソケットがあります。自動車用等のLEDではなく、電子部品として販売されている3φ~5φ(5φの場合はツバ無し)のリード付きLED素子を使用します。 調べれば、この照光スイッチ専用のLEDも入手できると思います。
市販部品のLEDを使用する場合、LEDの形状は丸形で上部が平たい物が良いと思います。5φ程度で弾丸形の物は長過ぎるとスイッチを押した時にスイッチカバーと干渉するかも知れませんので注意が必要です。 LEDはリード線を適当な長さにカットして、極性を間違えない様に挿入します。
上記のLED回路を接続した場合、電源電圧8VではLEDには15mA程度の電流が流れます。
マイクイコライザーFAM-13の定格では、電源電圧8V時、本体の消費電流は約7.5mAとなっていますので、送信時LEDが点灯状態では23mA程度の電流が流れます。
電源を無線機のマイクコネクターから供給する仕様の場合、無線機側から供給される利用可能電流に注意が必要です。
以上、私のアレンジ等を紹介させてもらいました。