邦題:少林サッカー
73点。
「少林拳は最高〜♪」
監督がキャプテン翼にインスピレーションを得たものであり、サッカーとカンフーを組み合わせるアイデアは長年に渡って温めていた。とのこと。
イナズマイレブンと言うより、くにおくんの方が近いと思うがどうかな?
〜あらすじ〜
かつて人気サッカー選手だったが今は雑用係になっているファンは、少林拳を愛する青年シンと出会い、ブロック塀を蹴り崩す彼の脚力を見込んでサッカーを教え込む。シンは少林拳仲間を集めてチームを結成。一方、敵チームはハイテク・トレーニングと筋肉増強剤で試合に備えていた。
(※映画ドットコムより抜粋)
以下、ネタバレ。って言うか、感想。
□ 映画の王道展開とヒロインの役割。
当映画は、スポーツ映画としての王道的な展開を持ちながらも、ヒロインであるムイ(ヴィッキー・チャオ)の存在が物語に深みを与えています。彼女の心情の変化が、物語全体のテーマと密接に結びついていると言えます。
□ムイの物語の始まり。
ムイは内気で地味な万頭屋の女性です。顔全体にはニキビ跡が残り、長い前髪で隠しています。彼女は自己否定の感情に囚われていて、他者と関係を築くことが出来ないでいます。そんな彼女の人生が変わるきっかけとは、シン(チャウ・シンチー)との出会い。シンは彼女の内面の美しさに気づき、真摯な態度で接しますが、ムイはその言葉に戸惑いを感じ、自分の価値を素直に受け入れることができません。自己否定の感情が彼女を迷わせ続けるのです。万頭の代金を払え!
□化粧と変身。
シンの影響を受け、ムイは自分を変えるために行動を始めます。その象徴的なシーンが、ムイが化粧をして外見を整えようとする場面です。彼女は他人に受け入れられるために外見を変えようとしますが、それは内面的な葛藤を更に深める行為です。内面的な美しさを信じられない彼女は、その不安を隠そうとする。…それでは問題は解決しないのです。
□内面の力の発見と成長。
物語が進むにつれて、ムイは外見ではなく、内面の力で自己を表現する方法を見つけます。特に、サッカーの試合に参加することで、自分の力を証明し、自信を持つようになります。この試合は彼女が自己肯定感を得て、他人の評価に依存せずに行動する重要な瞬間を象徴しています。この過程を経て、ムイは自己の価値を再確認し、他人の評価に左右されない強さを身に付けていくのです。って言うか、ニキビ跡と髪が無くなってるしね。
□クライマックスと結末。
ムイの成長の頂点は、映画のクライマックスにおいて描かれます。彼女は外見の問題から解放され、自己の内面的な強さと価値を受け入れることが出来ました。この過程で、彼女は社会的なプレッシャーや自己否定から解放され、真の自己を発見し、自信を持つようになります。ムイの成長物語は映画全体のメッセージそのもの。外見ではなく内面的な強さが重要であること、そして、自己を受け入れることが他者との真の関係を築く鍵であることを、観客に強く訴えかけるのです。
〜総評〜
王道の展開を補完するムイの成長物語が、視聴者に感動と爽快感を感じさせる要素を担っています。秀逸なエンターテイメントだと思います。
ヴィッキー・チャオは元が良過ぎるけどね~。