邦題:サスペリア

69点。
 
雨に始まり雨に終わる、小洒落たイタリアンなオカルトゴシックホラー。或いは
"魔女っこスージー。"
日本でのキャッチコピーは 「決して一人で観ないで下さい。」 …いや、この趣味に誰が付き合ってくれるって言うん。
原色をふんだんに使ったアーティスティックな画面構成に加え、音響立体移動装置を使用したプログレバンド、ゴブリンが奏でる音楽と合わせたそれは、最早芸術の域。
最初の犠牲者パットに耐えられたら後は、ダニエルのハンドパペットで一人芝居や、ゆるゆる蝙蝠、作り物の動く死体程度なので、全く怖くはありません。
 
 
以下、ネタバレ。って言うか、考察?
 
 
日本人ってイタリア好きですよね。古くはハイエナジー、イタロビート。
プラダ、ブルガリ、グッチ。ピザにパスタ、カース・マルツゥとかね。
 
キリスト教圏の悪魔、日本の鬼のようにヨーロッパでは恐れられている魔女。
ここ日本では、擬人化して語尾に「〜デビ」と言わせたり、虎縞のビキニを着させて「〜だっちゃ」とか言わせたり。あ、それは宇宙人か。そんな感じで怖いイメージが湧かないかもしれません。
ですが、言葉としてはそれぞれ「悪魔憑き」とか、ぎっくり腰の事を「魔女の一撃」と言うくらい怖い存在としているものです。え?日本?
「鬼嫁」ですよ。言わさんといて。
 
この映画は伏線で度々使われる寄り等のカメラワークに意味が全く無い(時がある)と言われており、考察を難解にしています。単純にイタリアンアートを見せたかったのか、将又、感覚的な伏線として挿し込んだのか、劇中で語る事もありません。
 
 
□さて、本当に確実に意味が無いシーンはあるかしら。
間違い探しをやってみよう。いくつあるのかも解らないし、答え合わせも残念ながら出来ませんけどね。
 
 
①3:28、雷光の一瞬、タクシーの運転手の後頭部に幽霊の顔。
 
 
お解りいただけただろうか。監督自身の顔だと思われます。悪ふざけで確定。
 
 
②12:01、ドアの向こうを見ていないのになぜ殺人と解る?
 
 
ちなみにこの時はまだ、パット死んでません。
 
 
③13:57、友人?先輩?なぜ、巻き込まれたのかは一旦置いといて。寄りのシーンで息して無いし、見た感じも即死です。
 
 
なのに、次のシーンでは普通に息をしています。静止画では伝わりませんけど。
 
 
④33:29、「病人なのにワイン飲むの?」って言うサラ。
 
 
いや、目の前で煙草を吸ってるあんたが言うんかい!
 
 
⑤47:22、時計が明らかに9時半を刺していませんが、次のシーンではちゃんと9時半過ぎになっています。その時のサラのセリフ
 
 
「あなた天才よ 大発見だわ 気づかなかった」これ観客に向けて言ってるでしょ。
 
 
⑥55:28、大変だ!さっき通った盲目のお人が倒れているぞ!
 
 
二人で駆けつけるものの、一人は速度を緩めず華麗にスルー。
 
 
⑦57:45、リアルあぶない水着。
 
 
実のとこ、監督が助平なだけかもしれない。
 
 
ドア前瞬間移動とかスージー水止めてとかバーの見世物とかあったんですけど、弱いので書きませんでした。
 
極めつけは最後のシーン。笑うスージーを様々な人が考察していますが、私は間違い探しの⑧だと思っております。
 
キャラの性格、カメラワーク、極端とも言える赤や青や緑の照明の位置、音楽ですらホラーとしては少しズレてる。
大きなズレと小さなズレを散りばめて、世界観を怪しくする事により不思議な魅力を醸し出す、そんな映画です。
 
シーツめくらんのかい!
鍵抑えんのかい!
 
関西人でもないのにツッコミが止まらず、とっても疲れました。
 
 

スージー!青いアイリスを回すのよ!

 
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