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想像上のLand's berry

言葉はデコヒーレンス(記事は公開後の一日程度 逐次改訂しますm(__)m)

『爆弾』

監督:永井聡

感想
 まったく何の予備知識もなく見に行った作品。原作も演者も何も知らず、ただ監督の永井聡さんが『恋は雨上がりのように』で「割と爽快感のある映像を作っていたな」って印象と、『爆弾』ってタイトルからなんとなくサスペンスなんだろうなと思って見に行った作品。

 序盤はスピード感があって、ぐいぐいと引き込まれる。人物同士の丁々発止のやりとり。戯画的なキャラクター造形も、作中で(別の登場人物によって)適度にツッコミが入るから、わりと気持ちよく見られる。

 この辺は良いと思ったのだけれど…

 物語の風呂敷が広がっていくにつれて、登場人物たちの演技に熱が入ってくるのにつれて、逆にこっちの心が冷めてくるのを感じる。

 この手の作品にありがちなように、やっぱり問題なのは動機の問題。話が広がっていくにつれて、提示された動機とのズレが酷くなってくる。「そうはならんやろ」っていう。これだったらむしろ、はなから動機とかなくして、頭の◯しい人が理解できないことをやっているとかしてくれた方が納得感があったかもね。

 そうして、命が記号のように扱われるようになって、僕は「この映画はもういいや」って感じになった。頭の中でこねくり回してやっているだけ。演技でなんとかそれらしく見せている(演技自体は見どころだとは思う)けれど、なんか、本当のものはここにはないなって。

 鏡像のように対面する人物。境界のこちら側と向こう側の差、あるいは差のなさ、カポーティの『冷血』(とそれを題材にした映画『カポーティ』)に感じたような背筋が薄ら寒くなるような感覚はここにはない。なんか「上っ面を滑っているなあ」って感覚で見終わった。

 EDもなんか滑ってた。宮本さんには悪いけれど。

 面白い映画ではあったけれど、もう一度は別にいいかな。

☆☆☆☆(4.0)


令和最大の衝撃解禁! 映画『爆弾』予告 2025年10月31日(金)公開