昨日、駅に向かう道で80歳前後とお見受けする女性に道を聞かれました。
お話を伺うと、目的地までいくために、いつも電車に乗るけれども、今日はバスに乗ってみたところ、運転手さんにここで降りるように言われて、道がわからなくなっている。と、このようなことでした。
「すぐそちらが駅ですので、電車に乗れは10分で着くのではないかしら?私も駅まで行くところので、駅までご一緒に参りましょうか?」
と、申し上げると、その女性は
「私は歩いて行きます!歩けばすぐなんです!歩くのには慣れているから大丈夫なんです!行ったことあるし、いつも行っているんです!こっちに行くんですよね!?」
と、指差された道は全く逆の方向でした。
目的地は電車に乗り3つも先の駅ですし、歩いたら1時間半以上かかるはずです。
頑なに駅までいらっしゃらない風ですし、どうも様子が落ち着かない感じです。
何か訳がおありになるのでしょうと思いました。
この方に今、私のお時間を使うと、この後の新規EC事業プロジェクト立ち上げのためのミーティングで、社長をお待たせすることになります。でも、その社長なら事情を話せば許していただけることも 知っていました。
瞬時に色々考え、その年配の女性にもう一度、色々な質問をゆっくりしながらお話しを再度伺うと、どうも手に持っていた5000円札が風で飛んで行ってしまい、お困りのようでした。
ここからは私の推測ですが、目的地まで行くのに、バスの運転手さんはここで降りて電車に乗ってくださいと仰ったのだと思います。けれども、持っていらした5000円札が飛んでいってしまって、お金がなくて電車に乗れないから、歩いて目的地にいかなくては!!…ということだったのではないかしらと思います。
「失礼かもしれませんけれど…一枚で申し訳ないのですが、これで目的地まで行かれてください。少なくて申し訳ありませんけれど、これで帰りも電車で帰れると思うので…少しで申し訳ありませんけれど、よろしければどうぞお使いください。そして私と駅までご一緒しましょう。」と千円札をお渡ししたところ
「いいんですか?ありがとうございます。」と仰ってくださいました。
券売機前で、その方がずっと握りしめていらした小銭の額を知る事になるのですが、彼女の手持ち金の額は、目的地までのきっぷ代より10円足りない額でした。
(本当は駅に一度いらして、持っていらした小銭では足りなくて、歩いて行こうと思われていらしたのかもしれないわ)と思いながら、その方の切符を買うお手伝いをして、共に改札を入りました。
その方がお化粧室に寄られると仰って、深々と頭を下げられたので、私は駅のホームに向かったところ、絶妙なタイミングで電車が来て乗ることができました。
その後も、絶妙なタイミングが続き、いつもと違うルートで目的地に向かい、たまたま駆け上がった階段は、待ち合わせ場所すぐ前の入口でした。
10歩ほど歩いた所に社長がいらして、
それほどお待たせすることもなくお会いすることができてほっとしました。
私が電車の中で「こんな事があったので少し遅れるかもしれません。」と、社長に理由を添えて連絡を入れておいたのですが、「朝から天使のお仕事お疲れ様です。」と社長はご返信下さっていました。
私の毎日はとても不思議なことが沢山あって、このような事がとても多いのですが、その事さえご存知で、また、そのような私だからこそ、新規EC事業にお声がけしてくださったのだと、思っていただけることに感謝する機会をも与えていただいたような朝の出来事でした。