ラインケアを扱ったブログ3本目になります。

今回は心理カウンセリングの素養を使った対話法が多く出てきます。

メンタルを守る「ラインケア」ーサイン
   
メンタルを守る「ラインケア」ー聴き方・話しかた
  

 

■対人関係改善に用いる3つの技法 

 

職場のメンバーの心を配慮した対話を心がけることは、 

職場のメンタルヘルスを守るために必須のことです。

 

では、心に配慮するとは具体的にどういうことなのでしょうか。
そのための一つのキーワードが「カウンセリングマインド」です。
 

その基本は
「信頼関係をつくる」
「共感的理解を示す」
「受容する」


つまり、指示したり強制したりするのではなく、相手を認め、一緒に考えるということです。

カウンセリングやコーチングには、共感の示し方や座り方、聞き方などに細かなテクニックがあります。

 

 

プロカウンセラーが対人関係改善に用いる3つの技法を確認してみましょう。

 

1 共感

 

共感とは相手の立場に立って気持ちを聴くということです。

部下:「課長、僕にはこの職場が合わないです。給料も安く、仕事もきついんです。 苦しいんです」。

ダメな事例

課長:「そんなことはない。給与は組合の調査でも世間相場を上回っているのだ。 

わがままいうな。まだ一人前に仕事もできないくせに」。

良い事例

課長:「そうか、君は職場をそんなふうにみているだね」。
    (その部下 の考え方、感情を聴いていきます)


2 受容で聴く
 

受容とは批判的、審判的態度にならずに、まず、あるがままに受け止めるということで す。 

そうしないと本当のことを話すという大事な意味が続かないからです。

部下:「課長、遅刻してしまいすみません。実は、早めに家を出たのですが、 

途中に犬がいて、すこし遠回りの道を通ってきたものですから……」

ダメな事例
課長:「いい加減にしろ。先日は朝の電話で親戚の法事だといって休んだ。今日は犬か。 

いい加減、嘘をつくのはやめろ。正直に言え。」


良い事例
課長:「そうか、犬がいたのか。それで遅れたのか」
     (刑事のような態度をとらずそのまま受け入れる)


3 自己一致で聴く

自己一致とは、誠実に聴くということです。 

相手を騙したり操作するためではなく、本 音で聴くということです。

話を聴きたくない部下や、裏表のある部下もいるでしよう。
本音では「こんな人の言うことは聴くのも嫌だ」という気持ちが あります。
そういう本音の気持ちも大事にしながら聴くのです。

部下:「課長は僕のこと嫌いなんじやないですか。わがままだから、 

いつも 迷惑をかけているから。どうなんですか」。


ダメな事例
課長:「そんなことないよ。君のこと好きだよ」(本当は嫌い)


良い事例
課長:「僕は君が遅刻してきたり、無断で会社を休むことはルール違反 だから、 

不愉快に思ってます。しかし、だからといつて嫌ってはいません。 大事な職場の仲間と思つています」
(率直な正直な気持ちにそう)

 


重要なのは、「カウンセリング.マインド」という言葉のとおり、 

相手に関心を持つ「心」です。
相手への関心がないままにスキルやテクニックだけ真似しても、かえって逆効果になります。

 

もし、部下がウソをついているのが確実だとしたら、 

なぜそんな「ウソをつかなければいけない気持ち」になったのか感じてみましょう。

そして、リーダーが自分自身に対して問いかけをすることです。

 「この部下のことを知ろうと思っているのか」。
 「単なる表向きだけのポーズではないか」。
 「部下の力を信じているのか。その力を引き出したいと思っているか」。

職場のリーダーが、こうした自問をし続けるがカウンセリングマインドにつながります。 

「違う」と思ったら、そう思えるよう努力しなくてはなりません。

ところで、カウンセリング.マィンドを持つことは、 

部下だけでなくリーダー自身にとつてもプラス の効果があります。 


部下の話をきちんと傾聴できているリーダーは、そうでないリーダーよりも、 

精神健康度、職場適応度、職務満足度ともに良好なスコアを獲得していました。

命令したり、語りかけるよろ、聴くことが、リーダー自身のメンタルへルスには、よい効果をもたらすようです。

逆にいうと、パワハラをしている上司は、部下だけでなく本人にとってもマィナスだといえるます。


■「聴く力」チエックリスト

「聴く力」を確認しましょう。低いままで聴いてもその効果は半減しています。

これをよく認識し、訊くさいの「ベからず」を意識しながら、まずは「傾聴」の意義と効果について理解しましょう。

 

 

 

 

ない

時々

ある

いつも

ある

1.

 

目や表情を見ながら話を聴いてい る

 

1

2

3

2

話がまどろっこしいと、つい結論 を早くと急かしてしまう

3

2

1

3.

話を聴く時はしっかりとうなずいて いる

1

2

3

4.

話を聴きながら、途中から遮り自 分の意見を話す

3

2

1

5.

話を聴きながら、都合の悪い話に なると話題を変えることがある

3

2

1

6.

話を理解できないときは、話し手 が何を話そうとしているのか、説 明を求める

1

2

3

7.

話を聴いたら、内容を要約しフィ -ドバックする

1

2

3

8.

話を時々聴かないで理解したふり をすることがある

3

2

1

9.

部下の言葉ではなく「心』を聴く よラにしている

1

2

3

10.

話の途中で「忙しいのであとで」と言ってしまうことがある

3

2

1

 

 

10~13点  一  問題です。改善に努力しましょう
14 ~17点  一  大いに改善の余地ありです
18 ~ 21点  一  もう少し努力してください
22 ~ 27点  一よく睫いていますが、なお努力を
28~30点  一  良好です。継続してください

 

 

 

■言ってはいけない「べからず集」

 

 

●プライバシーについて

 

以下のようなことは聴かないようにしましょう。
いずれも、職場とは閲係のないプライバシーです。
もちろん、本人が進んで話すのを聴くのは問題ありません。


•「お父さん、何やっている人?」

•「お母さんは?」

•「兄弟は?」

•「恋人いるの?」

•「誰と住んでいるの?」

 

ただ、私生活の悩みがメンタル不調を呼んでいる場合があります。

その場合、本人から積極的に話してもらえるようやんわり聴いてみます。

 

「睡眠不足の場合、共通する悩みとして介護や子育てで睡眠時間が減つて 

辛いということがよくありました。いかがでしようか?」

「何か仕事以外で楽しむ余暇を持っていますか?」

なお、プライべートについて訊く際、「ダイバーシティ」を常に意識することも必要です。
かつての日本企業は均質な価値観でした。
上司は部下の結婚の世話をするのが当たり前で、家族のこともよく知つていました。
しかしいまは、さまざまな考え方や価値観の人々で構成されていることを意識してください。  

 

●「こんな言葉」が部下の心を傷つける


以下のような言葉はなるべく使わないようにしましよう。

批判する
「なんで約束を守らない」

.比較する
「皆、頑張っているのだから、君も頑張ろう」

 

急がせる、威張る
「早く結論を言え」と結論を急がせる。

脅迫する
「こんな勤務では、昇格もしないぞ」

決めつける
「うつ病 だから、医者にかかりなさい」

飲みに誘う
「飲めばスッキリする」


無視する
見ないふりをするなど。

自慢する:
「自分の若い時は気力で乗り越えたよ」など。

 

●とってはいけない態度

 

「なんでも打ち明けて」と言われても、部下はあなたの態度をよく見ています。

以下のような態度の時は、心の悩みを聴いてもらえないと思い、
相談しようという気持ちをためらってしまいます。
「あほうとり」上司といいます。

 

あくびをする:
あなたの話はくだらないといメッセージになります。

ほおづえをつく:
 ロダンの「考える人」のようにほおづえをついては、
部下に「他のこ とを考えていて、話を聴いてくれていないのでは」
と思わせてしまいます。


腕を組む:
対決姿勢に映ります。「どうだ、お前の言うことは聴かないぞ」 

というボデ ィランゲージになつて伝わります。


時計を見る:
チラチラ腕時計を見られると、次の予定があるのだなと思わせ、 

気遣いのため途中で話を中断してしまいます。


リズムを刻む:
貧乏ゆすり、あいづちが単調、指でテーブルをたたくなどの行為です。
これもィラィラ感が伝わり、コミュニケーションの妨害になります。

 

 

聴いても話したくないということがあれば
「もし〇〇が問題なら、この人に話をして」
というように専門家の述絡先を紹介します


■部下の裁量レベル
 

「カラセックのモデル」では、人は裁量権を与えられると生産性が上がるとされてます。

それは、その裁量権のレベルが適切であればです。

 

「フロー」が起こるのは、自分のスキルとチャレンジのバランスが絶妙にあった時に発揮されるといいます。

ですので、その裁量を部下に与えるにあたって、十分に話しあい、 

本人が最もチャレンジしたくなるレベルまで引き上げ、当然、無理そうなレベルは与えないようにします。

部下に決めさせるのが良いです。

 

でないと「裁量の幅が大きくなると不安が大きくなり、生産性が低下する」 

ということになりかねません。

 

そして任せた仕事の成果が達成できなかったら、それはなぜなのかを確認します。
その 仕事が、その部下に興味がないことだつたのか。
しかし、興味がないからといっても、それをやってもらわなくてはいけない時もあります。 

逆に、やりたいといっても任せ られない時や、興味はあつても本人には負荷が大きすぎる場合もあります。 

これらの 点について、しつかり話を聴いていくことです。

 

 

ポイントは、仕事の負荷については「環境」
裁量 については「やり方」で聴きます。

仕事の負荷

 

良い事例:「要請された仕事量は期日までに達成できますか?」

ダメな事例:「要請された仕事量は必ず達成してね」


裁量について

良い事例:「仕事は自分の裁量でコントロールできる部分が多いですか?」

ダメな事例:「言われたとおりやってね」

 

 

■認知療法的なアドバィス
 

部下に「周いとうまく話せない」という悩みがあったとします。

その場合
「みんなストレスが溜まっている。じっくりと愚痴を聞けるタイプこそモテるよ。
自分のことばかりぺらぺらしやべるようなやつは、逆に嫌われてしまう。
しやべり上手より、聴き上手のほうが圧倒的に好かれるよ。皆、自分の話を聴いて欲しいんだ。
聴くことは得意そうだから、いまのままでいいのでは」
などというようなアドバィスを、悩みを聴いた後で悩むことに意味がないことを納得させます。

「プレゼンであがってしまう」という悩みがあったとします。

その場合
「プレゼンであがってしまうは、そんなにまずいことなのか」
「君は人が発表であがってしまうのをみて、いつまでも覚えているかな。
すぐすれば忘れてしまうよね。あまり上手に発表する友達に親近感をみんなが感じると思うかな。
あがってしまう人のほうが親近感が湧かないか。」
などと、話を聞きながら、悩むことに意味がないことを納得させます。



■勇気づけの声かけ

「アドラー心理学」では、すべての不適切な行動の原因は、勇気や自尊感情を失っているからと考えています。

そして、普段から信頼関係をつくることが基本になります。日頃からマネジメントをして、 

よく部下を見ているからこそ「貢献、協調、努力」ができるのです。 


自分自身をしっかりコントロールできる上司が、部下を職場で能力が発揮できるように、勇気づけることができます。 

 

勇気づけられると、人は自尊感情が増加し、精神健康に良い影響を与えます。 


これに対して励ますことは、一見、部下にプラスのエネルギーを与えているようですが、 

上司であるあなた自身は棚に上げて、部下のみを特定の方向に動かそうとすることです。他人事になってしまいます。 


励ますことは簡単ですが、勇気づけることはリーダー自身が範を示さないとできません。

期待されるとプレッシャーになりますが、勇気づけられると、 

チャレンジしてみようかというモチべーションを増加させることになります。

勇気づけるということは「部下の心を操作すること」ではありません。
自分自身にたくさんの勇気づけをした上司が、部下に自分自身を勇気づけるようになる影響を与えることができるのです。 

 

具体的には、上司部下の関係を「支配による関係」ではなく「信頼と勇気づけによる関 係」にすることです。 


こうすることにより、存在を認め「部下の自尊感情欲求」を満たす ことになり、 

部下の活力、熱意、集中力を向上させることにつながります。 

 

自尊感情欲求が満たされないと、ストレス耐性が減少して、メンタル不全への引き金に なります。
これが、勇気づけの声かけによるメンタルヘルスが必要な理由です。

 

ここまで読んでこられて、人間を動かすには、いかに心を大切にすることが大事か、
そして、これからの職場リーダーには、心理カウンセラーの素養も必要であると納得されたのではないでしょうか?

 

 

参考
「メンタルタフネス経営」
「メンタルヘルスマネジメント入門」
「IT技術者が病まない会社を作る」
「メンタルヘルス実践ガイド」


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