大学生編 最終話

「新しい駿河」



キョウが亡くなった夜。



静岡の空は、
完全に割れていた。



巨大な黒い門。



その向こうに広がるのは、

* 江戸時代の駿河
* 地下静岡
* 未来都市



三つの世界。



それらが一つになろうとしていた。



病室。



キョウのベッドの前。



アカネは立ち上がる。



赤い瞳。



アカネ

「行こう」



アオイ

「うん」



イオリ

「師匠のためにも」



アキラは黙って歩き出す。



屋上。



巨大な黒い門の前。



そこには。



角川

が立っていた。



角川

「ようやくここまで来たか」



黒い石が輝く。



空全体が歪む。



角川

「駿河は再び生まれる」



角川

「時代も国も超えた理想国家として」



アカネ

「ふざけんな」



角川

「理解される必要はない」



その時。



黒い門の中心。



巨大な光が噴き出す。



そして。



イオリの身体が浮かぶ。



アオイ

「イオリ!」



金色の光。



瞳が変わる。



別人格。



門そのものと同化し始める。



アカネ

「イオリ!!」



反応がない。



角川

「鍵は目覚めた」



角川

「これで終わる」



その瞬間。



アキラが前へ出る。



全身の黒い紋様。



消去能力。



限界まで解放。



アオイ

「オヤジ!」



アキラ

「最後の仕事だ」



右手を掲げる。



空間が消える。



門の一部が消滅。



しかし。



アキラ自身も薄くなる。



アカネ

「やめろ!!」



アキラ

「うるせぇ」



それでも進む。



その時。



アカネの胸元で。



赤い石が光る。



アオイの青い石。



イオリの金の石。



三つが共鳴。



轟音。



世界が震える。



アカネは叫ぶ。



「帰ってこい!!」



アオイ

「イオリ!!」



沈黙。



そして。



光の中から。



小さな声。



イオリ

「……姉ちゃん」



アカネ

「!!」



イオリ

「ただいま」



金色の瞳が消える。



元のイオリへ戻る。



その瞬間。



黒い門が崩壊を始める。



角川

「馬鹿な……」



門が砕ける。



未来都市。



江戸の街。



地下静岡。



全てが光に包まれる。



角川は最後まで空を見上げる。



角川

「これが……
駿河の終わりか」



光。



そして静寂。



朝。



静岡。



青空。



いつもの街。



富士山。



風。



何事もなかったような日常。



数日後。



学園の裏庭。



小さな墓石。



キョウの墓。



アカネ。



アオイ。



イオリ。



アキラ。



四人が並ぶ。



墓前には、
キョウの授業ノート。



最後のページ。



そこには。



「生き残れ」



たった一言。



アカネ

「師匠らしいな」



アオイ

「うん」



イオリ

「絶対忘れない」



アキラ

「面倒な宿題残しやがって」



少しだけ笑う。



風が吹く。



桜の花びらが舞う。



そして。



アカネは空を見る。



「行こう」



アオイ

「うん」



イオリ

「次の未来へ」



四人は歩き出す。



キョウの教えを胸に。



新しい時代へ。



爆華娘

大学生編 完結



「生き残れ。」
― キョウ最後の授業より ―