こんにちは、MP935Tです
本日はゲームミュージック
2022年10/15(土) 錦糸町 rebirth
ゲーム音楽制作などで多くの実績をもつSoundLab MI社主催によるゲーム音楽だけで構成されたライブが開催されました。
 
実は昨年にライブを予定していたにも関わらずコロナ禍によりライブ配信に留まってしまい、ファンの首が長くなりすぎた今年9月に再開催の報を受けた次第です。
 
会場参加者限定で配布された缶バッチの記念品
チョロQ ゲームのアイドル、せいそうしゃと1枚
 
今回のセットリストは事前に全てオープンと予習オタクには嬉しい手法
 
当方のお目当てであるチョロQシリーズからは主催の本山 明燮(Gt)さんと外部契約アーティストでもあり、Lu7でもお馴染みの梅垣ルナ(Key)さんがゲーム会社 タムソフト(なんと今年30周年)に在籍時にその音楽を手がけた
 
チョロQ2(1997)
チョロQ3(1998)
 
というチョロQゲームシリーズにおいて、とりわけ高い人気を誇る2タイトル推定計60曲以上から3曲が厳選。
 
また、後者Q3には今回MCとして登壇された同社の石村睦さんも携わっており、サウンドチームの3/4人(中野さんも含めると5人である)が揃った場となりました。
 
1stセットでチョロQシリーズと同じタムソフト発のゲームシリーズ「闘神伝」シリーズを演奏し終わった興奮冷めやらぬ休憩中のステージ
 
会場に入ることができたのは40名の予約限定制
10月3日には完売が発表され、ツイキャスでのオンライン配信も用意されました。
 
今回のライブはチョロQの他にもタムソフト発の闘神伝シリーズ、knight & Babyの楽曲、閃乱カグラシリーズ(マーベラスエンターテイメント)も演奏され、各ゲームファンには待ち望んだ最高の瞬間となりました
 
 
帰宅してからチョロQと並べて撮った1枚
 
このライブの醍醐味はなんといっても生音である点に尽きます。画面を介してゲーム機から鳴るサウンドは良くも悪くも約30年前の技術。それが生演奏で作曲者の手で鳴り響くというのは元々彼らの頭の中にあった音が最も近しい形で蘇ることに等しいと私は考えています。
 
また、かつてと比べてゲーム業界を取り巻く環境も変わっており、例えばチョロQの場合
 
販売元のチョロQの商標は旧タカラ(現タカラトミー)
ゲーム開発元はタムソフト
ゲーム楽曲作者はそこに務めていた個人
 
と複雑な権利関係があることは素人の私でも想像つきます、演奏の許可が得られただけでも凄い機会であり、聞く側としても各所に感謝すべきと思いました。ありがとうタカラトミー(普段貶しすぎ)
 
今回出来ても次も許可が得られるとは保証されません
これは本山さんもMC中に複数回「なかなか生では聞けない」といった趣旨のことを話されてました。
 
以下もう少し書き留めたいのですが、長文になりそうなので、最後に個人的記録として書きます。。。。(笑)
 
全然関係ないですが。。。
当日の朝に何となくチョロQ2をやりこんでスーパーグランプリで久しぶりに優勝しました笑
ボディはマツダ RX-7 FC3S 後期型です
 
この日は秋葉原にも立ち寄りました
おもしろい?収穫があったのでこちらはまた後日!
ではでは~
 
 
 
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以下個人の記録用感想長文コーナー
 
Set List
 
1st Set
001 オープンングアクト(チョロQ2 メインテーマ) *演奏は無し
002 夏の山 (チョロQ2)
003 7/8 (チョロQ3, 夏は夜)
004 リプレイ (チョロQ2)
005 ナル・アモウのテーマ (闘神伝3)
006 ナギサ&ヴァーミリオンのテーマ (闘神伝3)
007 闘神伝昴のテーマ (闘神伝昴)
008 フライングベイビーのテーマ (Knight&Baby)
 
2nd Set
009 黒影様に捧ぐ(雪泉のテーマ, 閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明)
010 狂乱の魂 (日影のテーマ, 閃乱カグラ -少女達の真影-)
011 メタルメドレー (激情荒れ狂う~滅する世界へ~覚醒の行く末, 閃乱カグラシリーズ)
012 忍部屋メドレー (いつも笑顔で~くらすめいと, 閃乱カグラシリーズ)
013 少女達の軌跡 ヒーリングRemix (閃乱カグラシリーズ)
014 道本に誓う (雅緋のテーマ, 閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明-)
 
Encore
015 激・熱・舞 (大道寺テーマ, 閃乱カグラ -少女達の真影-)
 
チョロQの楽曲は既に擦り切れるほど聞いているが、今回はそもそも「ライブアレンジ」があると事前に情報公開がありました。
と、いいつつも夏は夜(7/8)は昨年の配信テイクと基本構成は同じでした。
 
※現在YouTubeで公開されているダイジェスト版はサビ終わり~2周目サビが丸々カットされ、ギターSoloに繋がる編集が入っており、本山さん曰くこの動画で最も注目されているらしい(YouTubeの投稿者側のみの機能)

 

昨年の1月にコロナ禍を考慮して配信のみに変更された時のダイジェスト版
 

7/8においてゲーム中楽曲との相違点として気づきやすいのは、梅垣さんがAメロ(テーマ)を弾く1週目だけはシンセブラスのバッキングがカットされている。のちのギターが同じ旋律をなぞるところでは弾いているので単純に手数的な問題だと思われる。

 
1曲目の夏の山はイントロにゲームのレーススタート時のシグナルSEが追加され、プレイヤーにとっては嬉しい展開となっていた。それに続いてハーフテンポでスタートした点とアウトロにギターSoloを挟むというアレンジだった
この楽曲について本山さんも「やりたかった」と述懐しており、キレッキレのサウンドにそれが表れていた。
 
そして、この日のMVP楽曲といっても過言ではなかったのは、チョロQコーナーの最後を飾ったQ2より「リプレイ」
レースゲームにおいてリプレイで自分の走りを客観視し、次に活かすというのはごく当たり前になりつつあるが、実はQ1にはない機能だった。
 
実は、この楽曲がセットリストに載った時、少々不安があった。
というのもベースラインとギターカッティングのみで構成される超シンプル曲だったからであり、「ライブアレンジ」と公表されていながらもソロ回し程度と予想していた。
 
しかし、実際はギターカッティングのみのイントロ(この日本山さんは2本のギターを用意し、Q2リプレイ時は持ち替えていた)から始まり、生音だからこそできるドッシリしたスラップベースにバトンタッチ。
このスラップベースが2小節単位の終わり3-4拍目で「わかりやすいフレーズ」を差し込んでくれることで、なんとな~~く曲の周回や展開に気づきやすくなる
 
その後にようやくドラムと加わり、コレもうとっくに原曲の尺位は過ぎたのでは??という感覚に陥っていく(笑)
さらに1周くらいところでいつ入るのか気になってた梅垣さんのSolo
 
この後ドラムレスや本山さんによるメンバー紹介や各プレイヤーのSoloがゴリゴリのゴリに繰り広げられ、タムソフト社訓「やり過ぎくらいがちょうどいい」を体現していたことは言うまでもない。
取り分け後半の8~2バース単位で本山さんと梅垣さんがSoloを回すのは大いに盛り上がった
 
各ソロや展開の間にブリッジ要素のキメフレーズも入り、上手くオリジナルを逸脱したアレンジであった
「まだ3曲目なのにこんなにブチ上がって、この後の闘神伝パートはどうするのんだろう」と笑いすらこみ上げてきてしまった私だったが、最後の最後にチョロQゲームのレース後にはおなじみの「カウント」(本山さんの言葉拝借)が入り、これまでの全ての熱気を持っていってしまったのであった(笑)
 
梅垣さんは言葉が本山さんより少なかったが、プレイに対する姿勢はアツかった。
その上、後半の闘神伝パートにおいて「Q2リプレイがやれてよかったと演奏中に感じた」(要約)と述べており、聞き手と作り手では楽曲に対する思いれもある種ギャップが異なることを改めて実感した。
加えて、Q3に参加している石村睦さんも交えたMCが後半展開されていく全体を通した中で感じたことの1つとして、ゲームプレイヤーは過去の楽曲はいつまでも楽しく、思い出深く、音楽性を持ったゲームコンテンツとしての意識が強い一方で、本山さん達は入り口が「仕事」という形での音楽とゲームである点を忘れてはならないという点から生じるギャップではないかと思った。
(ここではこれ以上深く掘り下げない)
 
最後に
チョロQ以外の楽曲にはあまり思い入れになかったが、残りのセットリストも素晴らしいものばかりであった。
特筆すべきはアンコールの「大道寺のテーマ」には面白い逸話ある点ではないかと感じている。
これは本山さんと梅垣さんがタムソフトに入社した1996年、既に闘神伝2が完成しており、その先輩社員が手掛けたある楽曲に使われているフレーズを後年本山さんがこの「大道寺のテーマ」に僅かに忍ばせたという話である。
 
これはネットで極々少数に認知されたー と本山さんは語っていたが、その先輩社員は恐らくチョロQ1/ver.1.02にて田辺文雄さんと楽曲を手掛けた「中野恭宏」だと思われる。(本山さんは中野さんとしか言ってない)
 
確かに、尊敬するプレイヤーや有名楽曲のフレーズを意図的に反映することはしばしばあるが、それが同じ会社内でありながら、しかも15年も後発の全く異なるゲームタイトルという事実を踏まえた時、ゲームミュージックは他にはない魅力がまだまだあるなとライブの帰路で気づかされたことに感謝の念を抱いた。
(ここまで読んだ人はすごい)