知らないほうが幸せってことあるよね?
未だにふとした時に思い出すことがある。
中学校1年生の時の帰り道の会話。
忘れもしない、12歳の4月20日
4時間目が理科の授業でした。
顕微鏡を使っていて、
カバーガラスとプレパラートを各班で持っていって
観察するって言う授業だった。
つまり、プレパラート上の点ほどの生物を
顕微鏡で拡大してみるというもの。
各班に分かれて、観察を始めた。
私は5班だった。
観察し終わってプレパラート(5㎝くらいの薄いガラス)を
机に置いた。
あ・・・!!!
不注意で洋服にひっかかって
床に落として割ってしまった。
その現場は誰も見ていなかった(と思った)
値段は多分50円もしないだろう・・・。
今なら「すいません、落としちゃいました」とか
普通に言えるけど。
その当時の私は大変な引っ込み思案で。
しかも他人の評価ばかり気になってしまって。
これでバレたら理科の成績下がるのかなとか思っていた。
最低。
落とした瞬間頭が真っ白。
顔は真っ青。
そのあと、班の中の男子が気づいて
先生が割れたことを知って
「誰が割ったんだ?」と犯人追求。
うあぁ。
どうしようどうしよう。
言わないと・・・。
怒ってるよ・・・。怖いよ。
余計言い出せないよ・・・。
1分くらい経ったところで。
冷や汗が出てきて、顔がピリピリしてきた。
誰も見ていないとはいえ、
明らかに一番近い距離にいる私。
誰が見たって1番に疑われる位置。
つーか犯人はお察しの通り私なんだけど。
どうしよう、怒られたくないけど、言わなきゃ・・・。
とは思うものの口が動かない。
そんな馬鹿げた葛藤を繰り返していると・・・
隣の4班の当時私を好きと噂の男の子が
すっと手を上げて前に出た。
かと思ったら
「俺が割りました」って言った。
え・・・。
なんで・・・。
位置的にちょっとムリがあるし。
でも先生は納得してその場は収まった。
すごいかっこよかった。
嬉しかった。
小学校の頃から
なんとなく両想いだってのはお互いわかってた。
噂とかでも聞いたし。
でも付き合ったりはしなかった。
ただ、暗黙の了解ってだけ。
寡黙な私は
お礼も言えなかった。
ほんと、なにやってんのー
その1週間後。
理科の時間。
まだ罪悪感にさいなまれている私を、
さらに落ち込ませる出来事が。
隣の家に住んでた子といつも一緒に帰っていた私。
幼馴染で気づけば一緒に遊んでいた間柄。
あまり性格はあわないんだけど・・・
方向はどうしても一緒だし
これが当たり前なのに
その子といつものように帰っていると
こんなことを言い出だした。
「今日さー○○ちゃん(クラスの男子)が♯(私)のこと言ってたよ」
「え、何て?」
「教えなーい」
「なんで?」
いや、気になる
「知らないほうがいいよ」
「どうして?」
「傷つくから」
心が沈んでいく感じがした。
悪口・・・かな。
聞きたくない気もするけど
言いかけられると続きが気になる。
「教えてよ!」
「やだ。」
「一言?どのくらい言ったの?」
どんどん墓穴を掘っていることに気づかない私。
「んーっと・・・3秒くらい」
そこからずっと3秒の悪口って何だろう?
って考え込んでしまった。
先週の理科の実験のことかもしれない。
見られてたんだ・・・。
それで悪く言われたんだ。
犯人は私。
なのに、私は人に罪を着せてしまった。
しかも前に出て行ってくれた彼を
ちょっと「かっこいい」とか想ってた。
お礼の一つも言っていない。
最低な私。
これは何か言われても仕方ない。
と、勝手に解釈してしまいました。
まだ12歳ですもん。
少しの悪口にでも慣れていない私は・・・
ほんとにいけないことをしたんだと痛感してました。
あの時に。。。
ちゃんとほんとのことが言えてたなら・・・
お礼が言えてたなら。
後の祭りで取り返しがつかない。
あまりに気になって仕方ないので
後日また聞いた。
(今になると何故聞いた?って感じだけど)
「いつ教えてくれる?」
「じゃあ、中学卒業したら」
それから3年が経って卒業したけど
結局、聞けなかった。
ほんとに知らないほうが良かったのかどうかさえ
今となってはもう確かめようが無い。
きっとその子は約束を忘れちゃってるだろうし。
言いかけて辞めるのなら・・・
最初から言わなければいいのに。
傷つく言葉だとしても
知りたかったな。
そしたらすっきりしたのに。
知らないほうが幸せだった。
彼にお礼はいつか絶対に言おうと思ってたのに、
成人式も行ってないから
一生ずっと言えないんだろうな。
いつか言いたいな。
でもアドも知らないから。
それに今更言っても「何が?」って感じだろうしね。
こういう悪意に満ちたのもあれば
相手のことを考えて知らせないっていうことも
あるよね。
よくあるのは、
病院の検査結果でガンだって発覚して
本人に告げる時。
一概に良いとか悪いとか決められない。