炊き出しがおこなわれている公園で路上ライブをやると、ジャンベ繋がりの友人から聞いてそれに参加。1度も音合わせをせず、ぶっつけ本番でやるのは不安だった。そして的中する。

厳しい状況下に置かれている人たちの野次は辛らつで、それでも良いパフォーマンスを見せられたなら前を向いて披露できたが、あまりに荒削りな演奏では顔を見られない。音源に合わせてダンサーが踊り、ジャンベやドゥンドゥンはその既成の曲にリズムをつける。しかしスピーカーからの音が小さすぎて聞き取れず、寄せ集めの我々は如何ともしがたいアンサンブルを見せることになった。もし次回、機会があればもっと良い音を出したい。

寒空の中、列をなす人々は僕にとってひとごとではなく、自分を重ね合わした。将来は、それは明るいといえない。最後に僕も炊き出しをごちそうになった。箸を持つ手に冷たい風が刺さる。暖かい飯はそれでも即効性があった。