夜、何もしない予定が電話で呼び出されて駅前にてコーヒーをおごられた。先日のクラブイベントのオーガナイザーが近所に住んでいて、以前から「お茶をしよう」と誘われていたのだった。特に何か話があったわけではない。

三十路を越えてなお僕はおごるよりもおごられる回数のほうが多い。彼は僕より一つ年下だが、年齢に関係なくおごられている。自分に対する甘さがなせる業か、それに対してちゅうちょや罪悪感はなく、この楽なポジションにいつまでいられるのか、しかしそろそろ気風の良いところを見せなければいけないと感じることもある。