谷という字が嫌い。上手に書けない。どう頑張ってもアンバランスな谷になる。僕の記す谷は総じて垂れ目で口を常に開いて低脳丸出しのそれ。まず1画目の2画目の点が一定しない。妙に背が低い。それを修正しようとすると鼻の下が異様に長くなって締まりがない。大きい口は鼻で呼吸ができないかのごとく、やる気がうかがえない。住所に谷が入るようになってから機会が増えたにもかかわらず上達とは無縁である。どうすれば達筆になれるのだろう。模倣して書いても依然だめで、げんなりした顔の谷を見る度に自分もげんなりする。