敬虔なカトリックの主人公は日曜日のミサで若いブロンドの女性と目が合った。教会を出てからもバイクに乗った彼女を車で追う。後日、彼は旧友のヴィダルと偶然の再会を果たした。パスカルから宗教や哲学まで議論し、彼の友人のモードの家に誘われる。
タイトルの通り、映画はモード家の一夜でほとんどを占めた。半分は割いただろうか。男女3人の会話はウィットに富んだユーモアが満載である。そのシーンで全員がフレームに入ることは稀で、長いカットの中で全く映らない人物はその声と、写っている人の目の動き、レスポンスで想像させた。
翌日、教会での女性を町で見かけ、声をかけた。名をフランソワーズという彼女と親しくなり、ここでも対話によりエスプリを見せる。愛人がいた夫と離婚したばかりのモードと彼女に思いを寄せるヴィダルと、フランソワーズが窮地の仲だということが発覚し、主人公の男がついた嘘もまた粋。
偶然の再会は僕自身も果たす。1年ぶりの友人に会った。正確には友人の友人で、二人で会ったことはなく、こういったシチュエーションでエスプリの効いた会話ができることがこれからの課題である。