
スピーチ時間が2分程度と言われましたので、Tくんの良いところなら1時間ほどノンストップで話せる自信があるのですが、手短におこないたいと思います。ちなみに悪いところでしたら2時間ほどいけますが、それも割愛させていただきます。
Tくんと僕、それにあそこのテーブルにいる皆は、今も集まっては温泉などに一緒に行く間柄で、彼はこのグループのリーダーとして、親しみをこめて「あんちゃん」と呼ばれています。そのリーダーシップたるや、例えばどこかへ遊びに行く際「集合時間は何時だから送れずに来いよ」と彼は皆を仕切るわけですが、いざその待ち合わせ場所に行くとTくんだけが来ていないということがしばしばありました。器の大きさをこういうところで垣間見ました。
さて、僕はTくんとKさんの出会いの場に立ち会うことができたので、その時のことを話したいと思います。10年近く前の話になります。Tくんと僕は、とある飲み会に誘われまして、その日は朝からウキウキ浮き足立っておりました。いざその席で僕らは隣に座っていてKさんは離れた席にいました。はじめは大人しくしていた彼ですが、おもむろに席を立ち上がると一直線にKさんのところへ行き、何やら話しかけていました。その時の会話は存じ上げませんが、口説く彼の後姿を見ながら「僕らのリーダーは何て頼もしいのだ」と感動しました。
何度か二人で会ってから、TくんはKさんの当時勤めていた幼稚園が傾斜の激しい丘の上のほうにあることを知り、そこまで自転車で行ったそうです。「途中でチャリンコが壊れたから放り捨てて会いに行ったぜ」と後に誇らしげに語ってくれました。その情熱、猪突猛進ぶりにKさんはほだされたのではないかと、僕は踏んでいます。
それから長い間Tくんの情熱は冷めることなく、愛を育み、新たな門出を迎えたことをたいへん嬉しく思います。お二人の末永い幸せを祈りながら、お祝いの挨拶とかえさせていただきます。 」