王監督の年になるのか、新庄の年になるのか、勝ったのは北海道だった。金村が欠けたプレーオフ、ダルビッシュや八木と比べると先発が見劣りする日本ハムは福岡に持ち込むとかなり不利だっただろう。森本が出塁してホームに還るという勝ちパターンそのままに決めた。相手にとって不足なし。鉄壁の外野陣、強固な中継ぎ陣は中日と瓜二つ。ただ新庄に変わる存在はうちにいない。新庄のユニフォームの袖が他より短いことは分かっていた。このプレーオフを見ていて、帽子のつばが長く作られているこを確認した。さらにスポーツ新聞で、パンツがフレアになっていることを知る。

ヒルマン監督は胴上げされたいがために7キロ絞ったという。優勝経験が豊富でもアメリカにその風潮はなかったそうで、しかし宙に舞う快感は今年もう味わうことはない。阪神と戦いたがっていた新庄のシナリオはラストも書き換えてやる。その胴上げ、田中幸雄も舞った。2000本安打を間近に控えながら干されつつある彼はこれが花道となるのだろうか。最初拒んだ彼の表情。どんなに明るいものにも必ず影がさす。むしろ陽が強いほど陰もくっきりとあるのだろう。