福留が決勝打、ウッズの決定打、奈良原だって中日を優勝させるために来た。これまで優勝の喜びを誰かと分かつことなどほとんどなく、多くのドラブロガーが顔を知らずともそばにいるような、僕にとって思いの深いペナント制覇となる。落合監督が顔をくしゃくしゃにしている。落合監督がいなければこんな強いチームはできなかった。監督が前面に出てはいけない、選手に力によるものだと、落合監督は常々口にしているがしかし史上最高の指揮官であることは間違いない。12回の攻防で開けたばかりタバコが半分近く減った。煙やら何やらで視界がおぼろげである。

流れというものがあり、アナウンサーも解説者も記者も評論家も、非科学的なそれをのべつ幕なし口にする。選手や球場に詰め掛けたファンの、個々にしたら小さな気持ちの揺れが山となり、それは形成されるのだろうか。たしかに野球には流れが存在する。バントを4度も失敗して中日は普段の野球ができず、それでも最終回にビッグイニングを作ったのは、切々たる皆の意気があったからだと断定しよう。まだ終わっていない。どうしてもこのチームで日本一を達成したい。