朝刊を取りに寝ぼけ眼と寝癖でエレベータに乗り、ドアが開いて降りようとすると1階ではなかった。ディーバ が乗り込んできた。屈託のない笑顔と歯切れの良い挨拶は相変わらずだが、どうも雰囲気が違う。大人になったのだ。顔を合わせたのは久方ぶりといっても数ヶ月程度で、その間に何か、ひと夏を越えて階段を上ったのかも知らん。顕著なのは髪。カラーリングやパーマネントはしていないにもかかわらず、色気を帯びている。少女の面影を多分に残しているところがまたそそる。そそる? 干支が1周以上も離れた女子にそそるなど。