昨年の今頃か、僕の知らないところでもっと前からか、2006年のドラフトは堂上直倫さえ獲得できれば満点だといわれていた。父・照は元中日の投手で現在は若竜を束ねる寮長、兄・剛裕は現役の中日内野手、何としてでも囲い込んでほしかった。しかしそうもいかず彼は球団はいとわないという結論を出した。これは褒められるべき姿勢だと分かっていても不安になる。家族に囲まれ、ポジションも兄と被り、もしかすると中日には来たくないのだろうかと。
阪神と巨人が割って入り三つ巴の抽選となることは事前に分かっていた。クジ運の悪い中日のことだ、また外すだろうと、前向きになどなれない。1位指名では立浪以来、2位以降でも鶴田までさかのぼらなければならない。毎年楽しみにしていたドラフトの日が怖かった。
それがこの快挙。聞けば直倫は中日の獲得が決まって満面の笑顔だったという。全てが杞憂だった。唯一悔やまれるのは録画を忘れたこと。