みうらじゅんの原作に田口トモロヲが初メガホンをとり、銀杏BOYZの峯田和伸が銀幕デビューにして主演、頭脳警察のPANTAや元筋肉少女帯の大槻ケンヂも顔を出すという、多種多彩な顔ぶれである。三茶のツタヤいまだ準新作2本目は、ブロンソンズあるいは宮藤官九郎の夢物語。
中島、ジョニー、トシ、豆蔵のロックバンドSPEED WAYは1980年代のアマチュアバンドブームに乗っかってメジャーデビューした。1stシングルがヒットしたものの、その後は低迷する。売れる音楽とやりたい音楽の相違が作詞作曲担当の中島を苦しめた。思い悩む彼の前に現れたのはボブ・ディランに似た男。その姿が見えるのは中島だけだった。ディラン風の男の前で、自分たちのやっている音楽が恥と感じる。
理想論だけでは食えない。どこかで打算や妥協が必要で、中島の苦悶が描かれる。そんな中島の彼女は達観しており、彼の精神を支える。「僕」という彼の葛藤のナレーションと、「君」と指す彼女の哲学じみたセリフが、ストレートだった。「僕は普通という中産階級のコンプレックス、不幸なことに不幸がない」「君は君にふさわしいことをすればいい」と、少し前なら礼賛されそうな言葉が並んだ。
中島、ジョニー、トシ、豆蔵のロックバンドSPEED WAYは1980年代のアマチュアバンドブームに乗っかってメジャーデビューした。1stシングルがヒットしたものの、その後は低迷する。売れる音楽とやりたい音楽の相違が作詞作曲担当の中島を苦しめた。思い悩む彼の前に現れたのはボブ・ディランに似た男。その姿が見えるのは中島だけだった。ディラン風の男の前で、自分たちのやっている音楽が恥と感じる。
理想論だけでは食えない。どこかで打算や妥協が必要で、中島の苦悶が描かれる。そんな中島の彼女は達観しており、彼の精神を支える。「僕」という彼の葛藤のナレーションと、「君」と指す彼女の哲学じみたセリフが、ストレートだった。「僕は普通という中産階級のコンプレックス、不幸なことに不幸がない」「君は君にふさわしいことをすればいい」と、少し前なら礼賛されそうな言葉が並んだ。