1泊2日の旅行に出かけた。貸切露天風呂、部屋食、手頃な値段と場所を考慮して伊豆は伊東の旅館へ。道中で規模の大きい廃墟を発見してしまった。僕はテンションが上がったが、彼女はどうにも冷ややかだった。次の機会に訪れるとしよう。
海に面したこの旅館は貸切露天風呂が幾つもあり、まず最上階のそれに入った。全裸で仁王立ち、景色を眺めつつ見下ろすと、海岸を歩く中年カップルがいた。女性のほうの様子がおかしい。表情までは確認できないが、どうもチラチラと見られているような気がした。試しに手を振ってみる。向こうも手を振った。丸見えのようだ。
風呂上りに町を散策し、東海館で伊東の歴史を学ぶ。老舗の旅館だった東海館は経営不振で廃館になり、市に譲渡されて観光施設になった。なかなか趣深い。
宿に戻って夕食をとる。その量が半端ない。食べ過ぎてしばらくは動きたくなかったが、旅館の風呂を制覇しようと、膨れた腹を突き出して館内を歩いた。しかし2度も浸かれば充分満たされ、だるくなって断念した。