「高慢と偏見」の高所得者ダーシーは、誠実な人間だった。ヒット作の続編、監督はシャロン・マグワイアからビーバン・ドロキンに変わっていた。それでもオープニングの、ブリジットが実家に帰省してパーティーに参加し、そこで再開したダーシーのセーターがダサいところまでを被らせて、スケールアップしたブリジットの太り具合を際立たせた。レニー・ゼルウィガーはロバート・デ・ニーロ同様、早死にしそうだ。
前作でブリジットとダーシーの恋の顛末を描き、そこから膨らませることは難しかっただろう。腹を括っての二番煎じで潔い。二人の関係は長く続かず、ブリジットは前の恋人クリーヴァーと距離を縮める。紆余曲折を経て、ダーシーとクリーヴァーは再び格好悪いとっくみ合いを演じた。
ブリジットに妊娠疑惑が持ち上がった時、彼女は息子が生まれたら伝統のイートン校に入れようとするダーシーを「ファシズムの通う学校」と非難した。ダーシーは「革新的な学校でイエロー・サブマリンを歌うのか」とやり返した。風刺は健在で階級社会を垣間見る。
ブンレツさんセレクトの2本はイギリスコメディ、コリン・ファースとヒュー・グラント共演のものだった。ブリジットがマジックマッシュルームでハイになるシーンに挿入されたのはPrimal Screamの「Loaded」。それが含まれるアルバムでその2track後には「I'm Comin' Down」。それにサンプリングされたセリフは2日前に鑑賞したヴィム・ヴェンダースの監督作。