水木しげる、荒俣宏、宮部みゆき、京極夏彦というプロデュースチームの下、妖怪映画に「帝都物語」加藤保憲まで登場して百鬼夜行エンターテインメントができあがった。
魔人・加藤保憲が蘇えった。妖怪ながら加藤の手下となったアギは、仲間だった妖怪を次々に捕獲する。その妖怪と、人間に捨てられて怨念をため込む廃棄物とを“ヨモツモノ”によって合わせ、機怪を生成する。彼らは人間界を壊滅させようとしていた。その頃、両親が離婚して母親の実家である田舎町に連れて来られたタダシは、そこで行われる祭りで世界の平和をもたらすといわれる麒麟送子に選ばれた。妖怪のまとめ役・猩猩とその仲間・川姫と川太郎は、聖剣を手にできる麒麟送子と共に加藤を倒そうと策する。
日本古来の妖怪が勢揃い。加えて環境問題をとり込んで、老いも若きも焦点に入れる。産業廃棄物が悪になると勧善懲悪は成立せず、さらには打破する道もなく、正義はどこにあるのか。疑問を投げかけられた。
アギを演じた栗山千明は全身白ずくめで、妖艶な目つきと肢体が淫らだった。川姫を演じた高橋真唯も、滑った二の腕と太ももがなまめかしい。この辺りも子供には本能的な訴え、大人には直接的な刺激と双方への狙いがあったと勘ぐる。
三池崇史の作品はこれで2作目だと思うが、その量産型によりどこかで何かの拍子に見ているような気もする。あの手この手で飽きさせず、規定概念も関係ない。