半世紀ぶりの夏の甲子園連覇が北海道勢とは。東北勢はじくじたる思いかもしれないが、近年は北の高校も強くなってきている。戦力差が縮まる。予想
を外して悔いなし、しかし先に挙げた3校のうち2校が2回戦で敗退と立つ瀬がない。
2年前の常総学院と同じく、京都外大西の三原監督は大会決勝を終えて勇退だったが、常総の木内監督同様に試合後のコメントで疑問が湧く。年をとると発言内容が危なっかしい。駒大苫小牧は林や松橋など、昨夏の優勝メンバー6人が引っ張った。
準決勝で散った2校も印象が強かった。宇部商の4番エース好永は地方大会から一人で投げ抜き、その細い体のどこからエネルギーが生成されているのだろうと、中学まではキャッチボールの相手もままならなかったという過疎の町が生んだスターを讃えたい。大阪桐蔭には化け物が3人。辻内の奪三振率は脅威で、精神的な脆さが顔を出すこともあったが、噂に違わぬ剛速球を見せた。平田の1試合3ホーマーには度肝を抜かれ、彼の胸板の厚さが脳裏に焼きついた。ドラフト候補はこの二人だけにあらず、1年生の中田も順調に行けば2年後に上位で指名されるだろう。高校生と大学・社会人を分けた現行ドラフト制度なら、3人とも1位で指名されるのではないか。
長崎代表の清峰が旋風を巻き起こした。愛工大名電と済美に作戦勝ち、金星を2つあげた。主戦の古川は侍然とした、それでいてゲルマン系のソルジャーのような面持ちで黙々と投げる。彼と彼らに殊勲賞と敢闘賞。