月の湯 月の湯 池尻2-18-32

のれんを潜ると騒ぎ声が聞こえる。団体客は子供と中年男性4人。小学生になったかならないかぐらいの女の子が彼らのアイドル化している。「体洗ったよ」と言うと皆揃って「はーい」と答えていた。最年長っぽい60過ぎの男がとりわけ声が通る。しかしろれつが回っていないわけでもないのに、何を言っているか分からない。独特のしゃべり方をしている。「昼夜昼夜(ひるよる)」か「日により日により(ひにより)」か定かでないが、この言い回しがお気に入りのようで、とにかく話の節々で発せられていた。リズムが良い。

湯は薬湯にジェット、寝風呂、うたせ湯とバリエーションが豊富である。銭湯でうたせ湯は珍しく、ぜひ打たれたかったが、叩いても捻っても出てこない。残念ながら故障中だった。ジェットはハイパワーをうたっており、その名の通り凄まじい。手すりに捕まっていないと弾き出される。立ったまま正面を向くと股間部に直撃してうずくまった。寝風呂にもジェットが備え付けられている。こちらも勢いが良く、肩、腰、膝の裏、足の裏を攻められる。

脱衣所の天井が浴室と同じ高さで実質以上に広く感じる。縁側には池と松の木があった。全裸でそれらを眺めながら一服したい気分だったが、虫がそれを阻む。先にあがっていた団体客がビールで宴会を開いていた。4人のうち2人の前歯が欠けているのは仕事柄だろうか。女の子はたくさんの人に構ってもらえて大はしゃぎ。揃って上機嫌。