アイラ 友人とYo La Tengoのライブに行った。アイラとジョージアの夫婦に、巨漢ダンプの3ピースはビジュアル系と対極にある。決しておしゃれ風ではない着込んだTシャツにジーンズと飾らない。どんなにフィードバックをかましてもモッシュもダイブもない。

ボーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボード、パーカッションを3人でまかなうため、曲ごとにパートと立ち位置を変える。序盤「Little Eyes」「Let's Save Tony Orlando's House」で無性に幸せを感じた。「Nothing But You And Me」は疲れたからと演奏なし、真面目に振り付けダンスを踊るダンプがおかしい。中盤「Sugercube」「Blue Line Swinger」で夜明けに似たすがすがしさを得る。終盤「Dreaming」のジョージアの歌声は子守唄のようで心地よく、良い意味で眠くなる。

アンコールではアイラがオーディエンスにリクエストを聞いて、それをアクトするという臨機応変ぶり。ライブ終了後にはアイラとジョージアが会場出入り口付近でサインに応じていた。姿勢もが素晴らしい。愛に満ちている。

僕はロックから音楽に入った。ロックはアナーキズムやパンクスピリットで、迎合しないこと。自分より下の世代が奏でるロックミュージックを聞くことが、果たしてロックだろうか。そんな思いで新規開拓は皆無である。「所詮そのバンドなんてあのバンドのパクリではないか」。全くのオリジナリティなど形成できないのに、いちいち難癖をつけて僕は偏見のかたまりだ。今日はロックに還り、ロックに気づかされた。どうでもいいと。


5月26日
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