天狗湯 天狗湯 世田谷1-16-20

場所柄か若者が目立つ。僕は利用者の平均年齢を上回っているようだ。若輩者が長髪をかき上げて髭を剃っている。濡らしてオールバックにすれば邪魔にならないのにと、鏡越しに彼を憂いた。カランの並びが壁際の他に2列あり、後ろが近い。

今日は天草の湯で、紫色だった。浴槽は2つ、「ぬるめ」と書かれた広いそれと、「あつめ」と書かれた底が深いそれに仕切られている。入ってみるとさほど温度差はなく、むしろぬるめとあつめは逆ではないかと感じる。実際はあつめの「ぬるめ」湯にはジェットとバイブラ、堪能したくてもあつめだけにそうもできない。ぬるめの「あつめ」湯で半身浴する。シャワーが四隅にあり、そこで火照った体に水を浴びせた。睾丸袋がこれ以上は無理というほどに縮む。植物の開花模様などを何十倍ものスピードで早回す映像のごとく、一気に縮む。

服を着て、いつものようにコーヒー牛乳で一服する。置かれてあるスポーツ新聞は、中日の調子が悪すぎるので読む気がしない。マッサージチェアは1回20円である。どれくらいの時間を揉んでくれるのかは分からなかったが、小銭を切らせていなければやりたいところだった。