コンビニを出て自転車にまたがると、白人男性が横を颯爽と駆け抜けていった。上り坂、彼の後ろを走る。僕のスピードより劣る。車の往来を見て、追い抜こうと試みた。並んだところで向こうがスピードを上げる。負けず嫌いなようだ。
信号で追いついた。気が短い僕は赤信号でも車がなければ渡る。この辺りは起伏が激しい。坂道を一気に下り、大きな交差点を曲がってまた坂を上る。車道を挟んで逆の歩道を猛スピードで走る自転車が一台あった。奴だ。また抜かれた。こちらを意識しているくせに見向きもしない。僕も火がついた。
相手サイドの歩道へ渡り、徐々に距離を縮める。お互い車道に出て、車の脇をすり抜ける。信号と路駐で相手は立ち往生した。その隙に歩道へ移り、再度抜き返す。ここでスピードを緩めない。むしろギアを上げて離しにかかった。
そして家路へ続く細いわき道へ左折した。程よく疲れて余韻に浸る。僕はクールダウンの体勢に入った。その時、後方からシャカシャカとペダルをこぐ音が聞こえた。振り返ったその瞬間、あの野郎がほくそ笑みながら走り去っていった。背中がどんどん遠くなる。ゴールをはき違えた僕の完敗だ。野郎の背中が暗闇に消える前に、また左折するのを確認した。
信号で追いついた。気が短い僕は赤信号でも車がなければ渡る。この辺りは起伏が激しい。坂道を一気に下り、大きな交差点を曲がってまた坂を上る。車道を挟んで逆の歩道を猛スピードで走る自転車が一台あった。奴だ。また抜かれた。こちらを意識しているくせに見向きもしない。僕も火がついた。
相手サイドの歩道へ渡り、徐々に距離を縮める。お互い車道に出て、車の脇をすり抜ける。信号と路駐で相手は立ち往生した。その隙に歩道へ移り、再度抜き返す。ここでスピードを緩めない。むしろギアを上げて離しにかかった。
そして家路へ続く細いわき道へ左折した。程よく疲れて余韻に浸る。僕はクールダウンの体勢に入った。その時、後方からシャカシャカとペダルをこぐ音が聞こえた。振り返ったその瞬間、あの野郎がほくそ笑みながら走り去っていった。背中がどんどん遠くなる。ゴールをはき違えた僕の完敗だ。野郎の背中が暗闇に消える前に、また左折するのを確認した。