鶴の湯 家Aから用事のあるBへ行き、その帰りにAB間にある銭湯Cに寄った。しかし今日は休業で、ACと正三角形を成す銭湯Dへ向かった。しかしここも休業、結局Bとは正反対に位置する銭湯Eまで足を伸ばした。もう汗が滝のよう。

鶴の湯 若林4-20-15

店の前に構える松の木が粋である。番頭がいない。料金は風呂上りに払うことにした。かなり古く、浴室・脱衣所に余分なものは一切ない。決して広くはないが天井が高く、見上げると赤い大きな丸が描かれていた。日の丸に見られている。シャンプー、石鹸、髭剃りに加えて、今回から歯ブラシも投入した。銭湯だと長い時間をかけて丁寧に磨ける。

浴槽が3つあり、目を引いたのは端にある白濁色の“エッキス”湯。天然鉱物のエッキス(おそらくエキス)が含まれている。垢がよく取れて、石鹸を使わなくてもいいらしい。効能が記載されたプレートに時代を感じる。そこだけ温度がぬるく、長いこと身を沈める。

風呂から出ると番頭が常連客と喋っている。400円を置くと僕にも話しかけてきた。いかにも下町然とした彼のトークは止まらない。相槌を打ちながら体を拭いて着替えを済まし、それでもまだ話題が尽きない。

のれんをくぐってから携帯がないことに気づく。Bに置き忘れたか、BE間のどこかで落としたか。