新寿湯 新寿湯 代田5-11-7

行楽シーズンどこ吹く風、今日も銭湯は空いている。そんな銭湯を好いている。廃業に追い込まれないために繁盛してほしい反面、いつも大きい浴槽を満喫したい気持ちもある。

訪れた銭湯の中で最も規模が小さいだろうか。浴槽は薬湯ラベンダーの紫色が映えるジェット風呂一つだけ。広い浴場も魅力があるが、こじんまりとしたそれもまた一向。今回も髭剃りを持参する。家で剃るよりも切れ味が鋭いと感じるのは確実に気のせいではある。

番頭はうたた寝をしていた。コーヒー牛乳代の小銭をそっと置いて、スポーツ新聞、タバコに火をつける。テレビはゴールデンウィークのラッシュの模様を伝えている。女湯から「まあ、見てこの人ごみ。そんな大変な思いをして馬鹿みたいね」と聞こえてきた。彼女は毎年同じことを言っているのだろう。

今日は汗ばむ陽気で、Tシャツが背中、肩、脇とリュックサック状に濡れている。そろそろ着替え持参で巡るとするか。