久しぶりの映画を堪能する。といっても劇場観賞は腰が怖いのでビデオで。復帰祝いで名作が見たいと思い、ノーベル文学賞受賞作家ギュンター・グラス原作、カンヌ・アカデミー受賞作の「ブリキの太鼓」を選ぶ。
第一次大戦前から第二次大戦までの時代を、常に3歳児の視点で描いた変態スペクタクル。生まれたときから達観した少年オスカルが、ドイツに翻弄された激動のポーランドを生き抜いている。物語は全てオスカルのナレーションが入り、母の出生から始まる。性的欲求が渦巻く大人の世界に嫌気がさし、オスカルは3歳の時に自らの意思で成長を止める。それから彼は奇声でガラスを割れる特異な才能を身につけるようになった。政治や体制、大人に対する批判から殻に閉じこもるというのは非常によく分かる。共感したつもりだ。同時に、そこそこ大人になった今、このオスカルに見る子どもに脅威を感じたり嫉妬を覚えたりもする。ゆらゆら帝国の「俺は今3歳なんだけど2歳のときにはもう分かってたね」という詞が常に浮かんでいた。
グロテスクな映像描写が賛否両論のようだが、これは目を背けるべきではない事柄ではないだろう。その変態性こそがマジョリティと思う今日この頃。
第一次大戦前から第二次大戦までの時代を、常に3歳児の視点で描いた変態スペクタクル。生まれたときから達観した少年オスカルが、ドイツに翻弄された激動のポーランドを生き抜いている。物語は全てオスカルのナレーションが入り、母の出生から始まる。性的欲求が渦巻く大人の世界に嫌気がさし、オスカルは3歳の時に自らの意思で成長を止める。それから彼は奇声でガラスを割れる特異な才能を身につけるようになった。政治や体制、大人に対する批判から殻に閉じこもるというのは非常によく分かる。共感したつもりだ。同時に、そこそこ大人になった今、このオスカルに見る子どもに脅威を感じたり嫉妬を覚えたりもする。ゆらゆら帝国の「俺は今3歳なんだけど2歳のときにはもう分かってたね」という詞が常に浮かんでいた。
グロテスクな映像描写が賛否両論のようだが、これは目を背けるべきではない事柄ではないだろう。その変態性こそがマジョリティと思う今日この頃。