
上映時間111分がもっと長く感じる。しかし怠惰な生活観を写すにはそうなった然るべきなのだろう。ラスト近くで納得する。自主販売を試みて多額の借金を抱えるダメカップルが、男の故郷で返済に奔走する。ダメなりにダラダラと。腹立たしい反面、やたらと共感を覚えて苦笑を誘う。甲斐性なしの男・大輔となんだかんだで離れない彼女・久子は、僕の理想の女に近かった。設定では二人は7年間付き合っているということだった。愛よりも情での繋がりのようで、全くもってそれがあるべき男女の姿だ。片田舎に出戻り、恥ずかしい過去を蒸し返す。そこにコメディーを見出している。うなづける。皆、愛すべき人間なのだと。人生とは情けないものだと。