コンビニやスーパーのレジを打つ女の子が、お釣りを渡すときに努めてこちらの手を触れないようにしている。まるで腫れ物を扱うかのように。小銭をつまみ、実に器用な指使いで触らない。それが当たり前なのだなと感じていた今日この頃、近所の100円ショップでその出来事は起きた。大量に買い物をしてお釣りをもらおうと手を出したとき、そこの女の子はお金が落ちないように僕の手を軽く握ってから釣銭をそっと手のひらに置いた。妙に嬉しい。店を出てからニヤける。何故にこれほどにも喜びを感じたのだろう。思えばここ最近、女性と触れていなかった。まるで童貞中学生のようなこの感覚。それに気づいた28歳になりたての僕はしばし自己嫌悪に陥る。成長の跡が見られない。