久しぶりに漫画を買った。安達哲の「バカ姉弟」。全編カラーで各900円と少し高い。この人はエロ漫画ばかり描いていると思っていたら、こんなものまで作れてしまうのか。両親と離れて巣鴨に住む推定3歳の姉弟が、下町の人々に愛されながら暮らす日々を切り取る。詩的で幅が広いコメディーだ。台詞から効果音まで書かれている日本語が練りこまれている。似た作り方で西原理恵子の「ぼくんち」も好きだった。阪本順治が監督して映画化されたが、それはひどかった。西原もギャンブルや放浪記が専門だとばかり思っていたが、絵本のような漫画も描けるのかと感嘆した記憶がある。漫画家は懐が深い。

安達 哲
バカ姉弟 (1)