韓流その2で「ほえる犬は噛まない」。最近ビデオを借りるときは、勝手に関連付けした2本を借りている。ポン・ジュノ監督はこれが長編1作目とは思えない出来だった。ストーリーのテンポが小気味よく、ユーモアに溢れている。邦画と近い匂いがする。韓国映画を数えるほどしか見ていないので一概に言えないが、日本映画に影響を受けているのかもしれない。マンションの管理事務所に勤める女の子ヒョンナムが、そこのマンションで起こる犬の失踪事件を解明しようと奔走する。観賞前はそのヒョンナムが主人公と捉えていたが、犬の失踪に関わっているそのマンション在住の大学講師ユンジュが軸になって展開しているようにとれた。対人関係が不得手で大学教授になれず、家庭でも稼ぎの良い女房に頭が上がらない。フラストレーションがたまっていくユンジュのほうが比較すると掘り下げられている。ユンジュの奥さん、ヒョンナムの女友達、コリアン女性がハングルですごむと迫力があって怖い。

韓国には犬食の文化が実際にあるという話を聞いたことがある。映画とは逸れて、犬食に対して「かわいそう」とかそういった類いの感情は沸かないが、虐待だと騒ぐ動物愛護団体があるのには驚いた。菜食主義者以外はどんな肉を食べようと同じだろうに。