大人のためのフラメンコ・サプリ　　por FLAMENCOLABO

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15Dec
- 「フラメンコ・ウォーカー」未掲載の公演レポート：「¡VIVA!」
  コロナの影響により、掲載を中断していた「フラメンコ・ウォーカー」。ヘレスのフェスティバルが終わった翌日に、この記事を投稿する予定でした。ほぼ書き終え、さて挿入する写真をダウンロードしよう！としたら…あれ？ネットが繋がらない！なんと、借りていたアパートのWiFiにトラブル。時を同じくして、スペインがイタリアとの直行便を感染予防のために止めるというニュース。これは、日本への帰国便にも影響が出ると思い、急遽帰国便の手配。翌日にはアパートを引き払ってマドリードに行き、翌々日の日本行きのフライトに乗るという急展開。おかげさまで、無事帰国し、混乱に巻き込まれることもありませんでしたが、その後の世界情勢は皆様もご存知の通り。予想もしなかった状況に対し、各界での動きも止まったり、新たな道を模索したりする最中。渡航などできる状況でもないのに、スペインやフラメンコに誘うレポートを続ける時ではないと判断し、記事の掲載は中断いたしました。ただ、書いていた原稿は、アーティストの功績を残すものでもあるので、お蔵入りさせるのは残念。そこで、フラメンコ・ウォーカーのスピンアウトとしてこちらに残しておきます。日付的には、今年2020年のヘレスのフェスィバルは閉幕しましたが、この期間中の公演やアーティストを引き続き紹介していきます。スペインのフラメンコの今を垣間見ていただければ幸いです。（注：2020年3月9日現在のものです。）今年のフェスティバルでは、ビジャマルタ劇場の公演はどれも粒ぞろい。アーティストの個性もよく表れていてバラエティに富んでいました。最近ではLGBTという言葉が知られるようになり、今までタブー視や偏見だけで封じられてきたことが、公に語られるようになりました。性的指向が一般通念と違ったり、身体の性と心の性が一致しないことは、その人の持って生まれた本来の性質で、”個性”のようなもの。２０１８年には、性同一性障害は「精神障害」から除外されました。　自分の性と反対の服装を着るクロスドレッサーや精神疾患として扱われてきたトランスヴェスタイトは、同性愛者だと思われがちですが、そうとは限りません。しかし、かつてスペインでは、トランスヴェスティズム（スペイン語では、トラヴェスティズモ（Travestismo））も含め、同性愛者と見なされる人は、社会的な危険行為を禁じる法律（La ley sobre peligrosidad y rehabilitación social）に触れるとして、投獄されていたという歴史があります。1970年フランコ政権時代に定められたこの法律が完全に廃止されたのは、なんと1996年！遠い昔の話ではないのです。同性愛婚がいち早く認められたスペインですが、意外な歴史がありました。バイラオール、マヌエル・リニャンの公演「¡VIVA!」は、このトラヴェスティズモを扱った作品です。子供の頃、母親のスカートを履いて、髪飾りをつけ、お化粧して踊っていたけど、それは部屋の中でしかできないことでした。「男として生まれたので、外では男の格好をし、踊る時も男の服装で踊ってきた」というマヌエル・リニャン。ベレン・マジャとの共演で、裾の長いバタ・デ・コラのスカートを履いて踊ったこともありましたが、メイクはしておらず、上半身は男性の風貌のままでした。「トラヴェスティズモという言葉自体がネガティブに捉えられ、受け入れられないものだった。"女装"が世間に嫌がられずに受け入れられるには、コミカルで面白くしなければいけなかった。」とも。身体に与えられた"性"を着て生きている男性にとっては、自分のアイデンティティが満たされる服装をすることが、本当の自分の姿だと感じられる瞬間。しかし、それは隠れて部屋の中でしかできなかったこと。この作品では、その部屋の扉を勇気を出して開けたのです。タイトルの「ビバ！」は、ありのままの自分をさらけ出すことへのエールかもしれません。幕が上がると、そこには赤いドレス姿の人物が後ろ向きに立っています。髪もきれいにまとめ花飾りをつけ、目撃情報としてなら"女性"と証言するところでしょう。その人物は、お化粧をしたマヌエル・リニャン。サエタ（聖週間に歌われる神に捧げる歌）に続いて、隠れていた部屋の扉を開けて出てきたとばかりに、活き活きとブレリアを踊ります。ドレスを着ているからといって、踊りがいつもと違うわけではありません。スピード感あるマヌエルらしい踊り。別にズボンだろうがスカートだろうが、中身は変わらないのなら、自分がより自分らしくいられるスタイルを選べばいいのか、と冒頭から思わされました。さて、続いて今回のメンバーがずらりと登場。美しいドレス姿のバイラオール／バイラリン達。地元ヘレスの長身のミゲル・アンヘル・エレディア、もう一人の長身でさらにスマートなウゴ・ロペス、メンバーの中で一番がっしり体型のジョナタン・ミロ、スペイン国立バレエ団所属のビクトル・マルティンとダニエル・ラモス。そして、ひときわ可憐で女子顔負けに美しく変身していたのは、マヌエル・ベタンソス。この７人が必ずしもトラスヴェスティだからというわけではなく、マヌエル・リニャンが、このtransformacion ＝変化・転換を共有できると感じて選んだ７人です。ちなみに、日本のLGBTサイトの情報によると、トラスヴェスティズモは、「性的指向（例：同性愛者）、性自認（例：トランスジェンダー）とは関係がありません。つまり、同性愛者でも、異性愛者でも、トランスジェンダーでも、シスジェンダーでも関係なく、トランスヴェスタイトである場合があるということです。」とあります。そしてこれは舞台作品。”女装”は、マヌエル・リニャンの目指す作品づくりに必要な表現です。必要性があって、男性が女性の格好をして舞台に立つという意味では、歌舞伎と一緒とも言えるでしょう。カディスのカルナバルのようなタンギージョ、アンダルシア民謡の"エル・ビト"、エル・リブレハーノの"リブレ・コモ・エル・アイレ（Libre como el aire）"と賑やかに、時にかしましく歌ったり踊ったりで、会場を湧かせます。とにかく、全員が楽しそう。舞台上では、長椅子を次々と移動させて、その上を歩いて一段高いステージ代わりにするのですが、ここは男性の身体が活かされ、軽々持ち上げていました。座っていると、ドレスを着ていてもガバッと膝を割ってる人もいるし、コミカルな動きや、大きな身振りも演技というより自然。まるでミュージカルのようなノリでの"カンシオン・デル・マリキータ（Canción del Mariquita）"は、同性愛者であった詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカの詩からの抜粋。マリキータとは、俗に言うオカマのことですが、この詩の作られた当時は、ホモセクシュアルは軽蔑され、男性が女性の格好をしたり、女性的なしぐさをすることはもっと蔑まれていたそうです。そんな時代に作られたこの詩。夜のパーティーに出かけるために女性のように装う男性のことを周りは笑ったり騒ぎ立てたりするけど、そんなこと気にせずに夜会を楽しむマリキータを歌っています。仕草が一番、男らしいジョナタン・ミロの”ソレア”の後は、アナ雪カラーのドレスのウゴ・ロペスが主役の場面。どうやら恋人と揉めている役どころらしいです。縁起が悪いとか不吉を予感させると言われる曲"ペテネーラ"で、踊りながら何やらショックな知らせを受けては、気を失って後ろに倒れそうになるのを、周りがしっかりとキャッチ。長椅子に寝転んだままのサパテアードの場面では、女性にはできない大胆さ。ペドロ・アルモドバルの映画に出てきそうな強烈な女性キャラに仕上がっていました。その様子はこちらの動画でチラッと見ることができます。「チキージャ！（おチビちゃん）」と呼ばれながら踊るのは、マヌエル・ベタンソ。エプロンをつけて、おキャンなトリアナ娘らしく"タンゴ・デ・トリアナ"を踊りました。それにしてもお化粧も衣装も似合いすぎて、女性以上に綺麗と言っても過言ではないかも。現地の男性が「あんな女がいたら惚れちゃうな」と言っていたくらいです。次に、スペイン国立舞踊団の二人、ビクトル・マルティンとダニエル・ラモス。マドリードの名門舞踊学校マリエンマ出身です。何やら二人の間で小競り合いが始まりますが、バリバリのクラシコ・エスパニョールの舞踊手同士、ど突き合い方もアクロバティックで大笑い。ファンダンゴの曲で踊りながらの対決では、古典舞踊ならでは跳躍や回転技で大いに楽しませてくれました。ミゲル・エレディアは、地元へレス出身らしく"ブレリア"を同じくヘレスのカンタオール、ダビ・カルピオの歌で。カンタオール（歌手）とドレスのバイラオーラ（女性ダンサー）が二人で舞台に立つシーンはこれまで何度も見てきましたが、これだけ大きなバイラオーラ（実際にはバイラオール（男性ダンサー）ですが）は見たことはありません（笑）。カンタオールが小さく見えて、まるでおとぎ話の絵本のようでした。この作品の”首謀者”、マヌエル・リニャンのソロは、"タラント"。炭鉱労働の苦しさやその家族の不安を歌った重めの曲です。重荷を背負う、日の当たらない暗い場所 -曲の持つニュアンスとトラヴェスティズムを部屋の中だけに封印していた重苦しさに共通点があるのかもしれません。ファルダ（スカート）の扱いが入るものの、踊り自体はやはりいつもと変わらず、ドレスを着ているからといって、女っぽく踊りを変えたりはしていません。後半の”タンゴ”が終わると、舞台上後方で衣装替え。ロルカの詩をエンリケ・モレンテが歌ったアルバム「ロルカ」収録の曲が歌われました。ロルカもエンリケも、マヌエル・リニャンと同じグラナダ出身です。そういう共通点も何か意味があるのかもしれないな、と思っていると、バタ・デ・コラ（裾の長いドレス）に着替え、マントン（大きい舞踊用の布）を持って、明るい曲"アレグリアス"へ。マヌエルが口笛を吹くと、バックに他のメンバーもずらりと登場。全員お揃いの白地に黒の水玉の衣装。７人が踊る姿は、女性に比べて体格が大きい分、壮観！ビジャマルタ劇場の舞台が狭く見えるほどです。男性７人の女装での作品。男性の服装で踊っている時よりも、魅力的だったり、表情がより豊かだったり。それぞれのアーティストに、より親近感を持ました。衣装が変わったからと言って、踊りや印象が変わることもありませんでした。個人的には、ネガティブな感情は全く湧きませんでした。LGBTに対する考え方には個人差があるので、見た目だけで否定的な人もいるでしょうが、それも承知の上での挑戦でしょう。作品の最後、ミロンガのメロディーの中、舞台上で一人ずつがドレスを脱いでいきます。「愛してほしい」という歌詞が聴こえる中、お化粧も落とし素顔になっていく７人。舞台から一人、また一人と消えていくと、バックに、７着の美しいドレスが吊るされて現れます。この場面、生で全編見終わったからこそ込み上げる感動があり、字面にすることはできません。身体の性別に縛られ、ありのままの自分を人前で隠さなければならない不自由さは、持って生まれた性別に何の疑問や違和感もなく生きている人間にはわからないことです。しかし、女性だから、日本人だから、または、社会的地位などによって、差別や偏見を受けた経験があれば、受け入れてもらえた時の嬉しさ、差別からの解放を求める気持ちを共有することはできます。客席から、赤いガウンを羽織った７人が舞台に戻ってきた時には、なんとも言えない爽やかさな感動がありました。演者たちの「やったぞ！」感と客席の「よくやった！」感が一体となったような盛り上がりを感じました。いろんな意味で、見どころ満載だった作品でしたので、今回はこれ一本にて。少しでも共有できるよう、フェスティバルの映像以外のものも、下記に引っ張ってきましたので、併せてお楽しみください。写真：JAVIER FERGO/ FESTIVAL DE JEREZ.
26Mar
- 久しぶりのバイレ・サプリ：タブラオ「ガルロチ」で、パウラ・コミトレを観るの巻。
  超久しぶりにこちらへの投稿です。新型肺炎ウイルスのニュースが続く今日この頃。爆発感染前にスペインを脱出したものの、スペイン関連の記事を書く手が止まってます。エンタメ界も軒並み公演中止が続き、スペインもマドリードのタブラオは、３月１２日を最後にほとんどが営業を取りやめました。そして、今や緊急事態宣言でみんな自宅待機してるとのこと。そんな状況なのに、スペインのアーティスト達から、日本はどう？大丈夫？というメッセージもいただいてます。日本のタブラオ、新宿伊勢丹会館６階の「ガルロチ」も一度営業を自粛しておられましたが、感染対策をしながら営業を再開されています。今回のグループには、数年前から注目していたバイラオーラ、パウラ・コミトレの名前があったので、どうなるかな？と気になってました。ヘレスでの好演もあったし、彼女の踊りを一人でも多くの日本の方に観てもらいたいなと思っていました。それなのに、このコロナショック！　本来は３月２日からの公演だったようですが、日本への出発が延期になり、１２日からと。パウラの出演は２８日までだったので、たった２週間ちょっととは、もったいない！しかし、そのあとに来る予定のバイラオーラがコロナの影響で来られなくなってしまいました。その影響で、パウラの滞在は延長されて４月１６日までとなったので、まだまだチャンスはあります！ガルロチさんのプログラムやポスターの写真だと実際より大人っぽい（という表現にしておこう）印象を受けますが、実際はこんな感じ。お姫様的にカワイイですでも、踊りだすと顔つきが変わるんですよね。それも曲種によって。ただしそれは、自然に出てくるもの。以前どこかで、フラメンコ教室で先生が踊る時の顔の作り方を教えている場面を見てしまって愕然としたことがありますが…フラメンコは上っ面で踊るもんじゃありませんよね。パウラ・コミトレは、セビージャ生まれのバイラオーラ。2015年、サラ・バラスなども来日したフラメンコフェスティバルで、アンダルシア舞踊団のメンバーとして来日した時は、まだ２０歳でした。舞台が終わって一緒に出かけたのですが、小柄でキュートで、とても難関のオーディションを勝ち抜いて舞踊団員になったとは思えないほど、ほんわかしたかわいい女の子でした。それからというもの、その可愛さが気になって、アンダルシア舞踊団を観に行くと、男子群舞ではアルベルト・セジェスを、女子群舞ではパウラを舞台上で追っていました。当時監督だったラファエラ・カラスコが退任した時のメンバー交代で、パウラは退団。その後は、アンダルシア舞踊団のソリストだったダビ・コリアのカンパニーのメンバーとして、翌年のヘレス・フェスティバルに出演。その翌年には、ラファエラ・カラスコのカンパニーのメンバーとしても舞台に立ちました。超実力派の二人の影響をがっつり受けて、パウラのバイレも一段と逞しくなりました。その間、セビージャの老舗タブラオ「ロス・ガジョズ」をはじめ、各所で踊っていたことも、さらにキャリアアップに繋がり、今年のヘレスのフェスティバルでは、初のソロ作品を公演。その作品が、まさに本日（2020/03/25）、今年の有望若手アーティスト賞の受賞したと発表されました。おめでとう！！さて、話を日本のタブラオに戻しましょう。４月１６日までの「ガルロチ」出演のグループリーダーは、今やベテランのフアン・オガジャ。来日回数も多いので、フラメンコやってる人は「観たことある〜」なアーティストかもしれません。私が見に行った日は、「ソレア・ポル・ブレリア」と「ソレア」という数あるフラメンコの曲の中でも超王道な曲種を、“これぞ男のフラメンコ”な正統派の踊りで見せてくれました。静と動、ガツンと男らしい動きから、ちょっとおどけた抜け感もあり、ストレートにフラメンコの魅力を伝えてくれてます。特にいいなと思ったのは、どちらの曲にもあった、長めのフアンのサパテアード（靴音）だけの場面（私は個人的にサパテードのアカペラと呼んでいますが）。靴音と体の動きだけでドラマチックな音楽が見えてきます。さてさて、楽しみにしていたパウラのバイレはと云うと…まずは「タラント」という重めの曲。155センチあるかないかの小柄な身体なのに、踊り出すとしっかり空気を揺さぶりますね。彼女の踊りの見所の一つは、見事なブエルタ＝回転。それも、ブエルタ・ケブラーダという身体を傾けた状態から回るブエルタが非常に美しい！スピード感、安定感も抜群。それを連続技で結構入れているんです。一曲目のタラントの最後では、なんと11回連続！それを後で言ったら「え？私、11回も回ってた？数えてたの？（笑）自分では意識してないのよ。その日の調子次第ね。」と。サパテアードも、細かいところまで打ち込んであって、さりげなく難技をこなしちゃってました。　２部の「カーニャ（曲種名）」は、マントンとバタ・デ・コラ（裾が長いドレス）で。機敏なマントンの動きの後には、絵画のようにクラシカルで美しいポーズの決めがあったり、重いはずのバタの尻尾の部分を足に乗せたままオルゴール人形のように片足で回転する場面があったりと、見どころ満載の一曲。さらには、ヘレスの公演でも見た、バタの尻尾を投げては回転して受け止めるの繰り返しの”技”も入りました。これは、アンダルシア舞踊団時代の監督だったラファエラ・カラスコ直伝。終演後に、自分の踊りに影響を与えてくれたアーティストを尋ねると、やはりこのラファエラ・カラスコの名前がまず登場。ダビ・コリアやアナ・モラーレス、そして、タブラオ「ロス・ガジョス」に出演中に縁ができ、今回のソロ作品の演出もしてくれたメルセデス・デ・コルドバの名前も挙がりました。4人とも、現代フラメンコ界で注目されている素晴らしい先輩アーティスト達！キャリアを積み上げていく中で、素敵な出会いがあったんですね。そして、それを栄養にして花開いていくパウラ・コミトレ。　　　　　　　　　　　　今、彼女のバイレを見ることができるなんて、ヘレスでパウラの公演を観た各国の人達が羨ましがること、間違いなしでしょう！今回はウォーカーの記事ではないので、思い切りパウラちゃん推しで書いちゃいましたが、個人的にとても期待しています。フラメンコ、観てみたいなと思ってる人に自信を持ってオススメできるアーティストなので、こんなご時世ですが、お出かけになれればこの機会に是非、観ていただきたいです。美しいものを観ることで、心のサプリになりますように！　お店の情報はこちら。　　　　　　　　　　　　おまけですが、ショーの前には、３月１３日から公開されている映画「IMPULSO-衝動」のトレーラーが流れてます。こちらの字幕の最終監修とプログラムのコメント、コラムをさせていただいてます。ガルロチさん店頭にもパンフレットがありますので、是非、ご覧ください。文章：坂倉まきこ（MAKIKO SAKAKURA）
06Jul
- 日本で観ても楽しかった！タブラオ「ガルロチ」にて、エル・フンコグループ公演鑑賞。
  「まるでスペインにいるみたい！」そんな気持ちにさせてくれるフラメンコが、今月は新宿伊勢丹会館にあるタブラオ「ガルロチ」に来ています。“ほぼ”しょっちゅうスペインに滞在してフラメンコを取材しているので、日本でわざわざ観なくても…という気持ちになることは正直あります。しかし、それでも観たいアーティストはいます。「観れる時に観たい。」「観れるものなら観ておきたい。」いいなー！と思ったアーティストに対しては、一度観たからもういいや！っていう気持ちにはなりません。例えば、大好物は何度でもリピートできるものならしますよね？それと同じ感覚でしょうか。それに何より、フラメンコはナマモノ。そして、がっちり決められた振りを再現していくものではなくて、その時の感情やコンディション、そして経験の蓄積が反映されるもの。同じ踊りを同じ人が踊っても、毎回新鮮と思えるのがプロの踊りです。現在、タブラオ「ガルロチ」で踊っているエル・フンコもその一人。彼の踊りは20年近く前から観てますし、つい今年の春のスペイン滞在中には、劇場で2回、そしてタブラオでも1回と計3回観て来ました。エル・フンコは、来日回数は多く、最初はクリスティーナ・オヨス舞踊団のメンバーとして。その後は、日本のバイラオーラによる公演のゲストとして引っ張りだこ。　その際に一度、アテンドもさせていただきました。石井智子さんの公演に出演することが多く、その度毎に観せていただいていますし、スペインでもフンコの出演する公演は色々と観ているので、日本で観た回数と合わせると、結構な回数で観て来ました。それでも、今年７月に来日と知って、「わー！日本でも絶対観たい！」と思いました。というのは、日本で観たことがあると言っても、エル・フンコだけの舞台というのは初めてだから、というのもあります。ゲストではなく、自分が看板。その形態でやるセビージャのタブラオで観るといつも楽しいし、期待を裏切られることはないので、観れる時に観たい！ということで行ってまいりました。今回は子供達の夏休みと重なったということで、家族での来日。共演者のスサーナ・カサスは奥様。そして、カンテにはマティアス・ロペスとミゲル・ロセンド。ギターはラモン・アマドール。家族と、そしていつもの仲間と一緒に、来慣れた日本で１ヶ月腰を据えての公演ということで、とても落ち着いた様子。スペインにいる時と変わらないノリのエル・フンコと開演前にしばし歓談。日本のタブラオへのレギュラー出演は今回が初めて。「このタブラオで踊ることができて嬉しいよ！」前から来たいとは思っていたけど、前身のタブラオでは、出演期間が６ヶ月という縛りがあったので、本場スペインでの仕事や家庭の事情で引き受けることができなかったけど、今回は１ヶ月、しかも、子供達と一緒に来ることができたので、ようやく日本でのタブラオ出演が実現したようです。スペインのタブラオとの違いを尋ねると、「スペインではマイクを使わないけど、ここでは使うのでモニターからギターや歌、自分の靴音がよく聞こえることかな」と。そして、もう一つ！これは切実な問題です。エル・フンコはフラメンコの踊り手の中では非常に長身。割と小柄な男性の多いアンダルシアにあっては珍しいのです。それゆえに、芸名のフンコもまっすぐ背の高い草の名前から来ているほど。おそらく、前身の「エル・フラメンコ」時代からしても、エル・フンコがレギュラー出演ダンサーの中では最長身ではないでしょうか。ということは…そう、彼にとって、このタブラオは天井が低いのです。だから、手を上に伸ばすという動きができないのだそうです！決めのポーズには制限が出てしまいますが、逆に低天井バージョンが観られるということで、日本のタブラオならではのお楽しみと考えましょう。ショーの方でのサプラズなお楽しみは、エル・フンコらしい「フィン・デ・フィエスタ」（＝ショーの最後に全員が出て来て、賑やかに締めくくる場面）。エル・フンコが自慢の喉でコミカルに歌いながら、客席のお客さんも参加できる歌を用意して来ていました。スペイン語が分からなくても「あー、こう言ったらいいんだな！」と分かった時は結構楽しいと思います。エル・フンコ、そしてスサーナ・カサスのバイレ（踊り）は、フラメンコ独特の品とワイルドさがしっかり入っている１００％純フラメンコ。踊る曲は、一部ではアレグリアスとソレアという、フラメンコの曲種の中で「明」と「暗」をなす代表的な曲で構成。２部は３パターンあり、日によって変わるので、一部とは違う曲での二人の表現や歌、ギターが楽しめます。「お客さんが５人だろうが何十人だろうか、常にその時に出せる最高の力で踊るよ！」と、爽やかに語るフンコは、長身だけでなく２枚目！そのルックスとは裏腹に、明るい港町のカディス出身のユーモア溢れるアンダルシアのおっちゃんっ気もしっかりあるのも、魅力となっています。スサーナもとても美しくて、ビジュアル的にもその美男美女姿は、かなり嬉しいおまけでした。初めてフラメンコを観る人にも、是非ともおすすめしたいショーです。この仕事が終わり、スペインに戻ったら、またすぐに公演に飛び回るとのこと。同郷カディスのアーティスト４人での作品「Qué pasaría si pasara」が大好評で、それの続演の予定も目白押しのようです。（この作品は本当に面白かったです。私の記事、「フラメンコ・ウォーカー」でも紹介しています。）エル・フンコのグループの公演は、８月４日（土）まで。お店は18時から開店で食事は始められますが、ショーは19時20分から始まります。詳細はお店のホームページをご覧ください。
24Oct
- 本番間近！クラシコ・エスパニョールも楽しめる公演「レリカリオ」続報。
  v\:* {behavior:url(#default#VML);}o\:* {behavior:url(#default#VML);}w\:* {behavior:url(#default#VML);}.shape {behavior:url(#default#VML);} Normal 0 false 10 pt 0 2 false false false EN-US JA X-NONE $([\{£¥‘“〈《「『【〔＄（［｛｢￡￥ !%),.:;?]}¢°’”‰′″℃、。々〉》」』】〕゛゜ゝゞ・ヽヾ！％），．：；？］｝｡｣､･ﾞﾟ￠ /* Style Definitions */table.MsoNormalTable {mso-style-name:標準の表; mso-tstyle-rowband-size:0; mso-tstyle-colband-size:0; mso-style-noshow:yes; mso-style-priority:99; mso-style-parent:""; mso-padding-alt:0mm 5.4pt 0mm 5.4pt; mso-para-margin:0mm; mso-para-margin-bottom:.0001pt; mso-pagination:widow-orphan; font-size:10.0pt; font-family:Century;}”クラシコ・エスパニョール”って、ちゃんと観たことがありますか？日本語にすると”スペイン古典舞踊”とでも言いましょうか。スペインのクラシックバレエです。普通のクラシックバレエと何が違うのかというと…いろいろありますが、いちばんの違いは身体の使い方、つまり基本のポジションが違います。（写真は、サラ・カレーロ）バレエには基本のポジションとして、”何番のポーズ”ってありますが、例えば、同じ１番でも身体の傾け方、首の向き、腰の置き方が違うんです。そして、まっすぐなお人形さん的なポーズではなく、身体のラインを美しく見せる魅力的なポーズがベースとなっています。もし、あなたが本物のクラシコ・エスパニョール（以下、クラシコ）を知らなければ、音楽や衣装がクラシコで、これがクラシコですと紹介された踊りを見たら「ああ、これがクラシコか」とインプットされてしまう...これはフラメンコでも同様。フラメンコ音楽でフラメンコ衣装を着て、それ”らしく”踊れば、初めて見る人は「フラメンコを見た」と思ってしまいがち。日本舞踊だって、外国で和服を着て和の音楽で踊れば、日舞として認識されてしまうのと一緒です。正しい基本が身につくには、良いお手本と鍛錬の時間が必要。しかし、クラシコ・エスパニョールを日本で習おうとしても、はなかなか機会がないですよね。11月18日（土）１６時から、赤坂の草月ホールで上演されるフラメンコ公演「Relicario(レリカリオ）」では、なんと冒頭、クラシコ・エスパニョールを演目に入れました。踊るのは、日本人バイラオーラ３名。「えー、日本人かー。」と思うなかれ。なかなか学べない日本に居ながら、クラシコをちゃーんとスペイン人から学んだ数少ない人達でキャスティングしてあるのです。私はこの公演のコーディネーターとして、関わらせてもらっています。この公演「レリカリオ」は、バイラオーラ、青木愛子さんのスペイン舞踊歴３０周年記念公演。そう、「スペイン舞踊」なのです。青木さんはフラメンコだけなく、１０代から小松原舞踊団で来日するスペイン人アーティストからスペイン舞踊、フラメンコを学び、やがて、NHKの番組では、西田ひかるさんを相手に「お手本」役。独立後は生徒さん育てに奔走していましたが、それではもったいない！彼女が身につけてきた実力を活かして、日本の皆さんにストレートにスペイン舞踊、つまりクラシコとフラメンコ、を知っていただきたい！と思い、今回の公演には見えないところにかなりの投資をしております。クラシコ・エスパニョールの振り付けは、本場スペイン、それも、今まさに活躍中のアーティストにオリジナルの振り付けをしていただきました。しかも、2人！！一人目は、元スペイン国立バレエ団のプリンシパルまで務めた、サラ・カレーロ。こちらに過去記事あります。スペインに数多くある舞踊学校に通う生徒の憧れの的のスペイン国立バレエ団に入団後、トップダンサーとなり、主要レパートリーの主役を務める立場にありながら、惜しげも無くその地位を捨てて、自分の創作のために退団した、なんとも大胆なアーティスト。もちろん、それだけの実力と才能があるということ。そのサラを、今回の公演の振り付けのためだけに契約して、日本に来てもらって、青木さん、そして、青木さんと同じく元小松原舞踊団の田尻希絵さん、そして、クラシックバレエの心得もあるヴォダルツ・クララさんという厳選メンバーを特訓してもらいました。クラシコの醍醐味の一つ、カスタネットもバッチリの３人を彩るお衣装は、ソニアジョーンズさんのお誂え！こちらもどうぞ！曲選びでは「現代の音楽であっても、クラシコ・エスパニョールは生きる！」ということで、フラメンコ・ギタリスト、ラファエル・リケーニの曲から二曲選びました。クラシコ・エスパニョール独特の動きが、曲の中で見事に生きた振り付けを残してくれました。来年のヘレスのフラメンコ・フェスティバルでは、新作「Petisa Loca」の公演も控えています。サラはクラシコのバイラリーナでありながら、フラメンコもバレエ臭くならずに踊れる天才。それゆえに表現の幅の広いダンサーなのです。もう一人は、ミゲル・アンヘル・エスピーノ。こちらにキャリアの一部がありますが、同じくスペイン国立バレエ団出身で、アントニオ・ルイス、ルイシージョ、ホセ・グラネロ、ホセ・アントニオら、この道を知る人なら眩いほどのアーティストの元で若き日を過ごしました。やがて、自分でもカンパニーを起こし、振り付けから舞台づくりまで手がけているだけに「この人の振り付けなら間違いない！」と、青木さんは閃いたようです。しかも、前回、そして今回と共演するバイラオール、アンヘル・ムニョスの義理の兄。早速、ミゲル・アンヘルとも契約し、振り付けをお願いしました。超クラシックから現代音楽まで候補曲はありましたが、今回選んだのは、スペインの巨匠、ペドロ・アルモドバル監督の映画「Hable con Ella (Talk to her)」のメインテーマ。http://www.kinenote.com/main/public/cinema/detail.aspx?cinema_id=33185この曲を使って、アンヘル・ムニョスとのペアダンスを振り付けてもらいました。今年の3月、セビージャで連日リハーサルを重ねて完成。ビデオで見ただけでも、ゾクッとするような官能的な振り付け。曲のニュアンスを活かした、素晴らしい出来で、私も本番で観るのが楽しみです。そして、忘れてはならない投資は、スペインからの共演者。踊りのアンヘル・ムニョスの他に、カンテ（歌）にホセ・アンヘル・カルモナ、そしてギターにラファエル・モンティージャ“エル・チャパロ”。彼らはこの公演のために寄せ集めたわけではありません。それぞれが本場スペインで別々に活躍しながら、それと並行してパコ・ペーニャというギタリストが率いるカンパニーで長年共演し、気心の知れた仲間同士なのです。なので、息はバッチリ。招聘公演のリハーサルは時間的にとても限られています。なので、舞台公演における、踊りの間、歌のキー、ギターのファルセータをお互い知り合っているアーティストを一度に呼べることは、フラメンコ独特の阿吽の呼吸だけではない良いチームワークで、日本人側の実力をも引き出してくれると思います。ちなみに今回日本に来る前も、３人一緒にパコ・ペーニャの新作公演でヨーロッパ各地で２週間近く公演していたかと思うと、その次の週は３人別々の国で、それぞれの仕事。特に、カンテのホセ・アンヘルは、この１ヶ月はバイラオーラのロシオ・モリーナのツアーで、中国、ロシア、シンガポール、スペイン内の各地…と目まぐるしいほどの移動。しかもツアーが全く内容の違う三作品！そんな過密スケジュールの中、日本に来れるのは奇跡！そして、３人の友情があったからこそです。公演では、冒頭のクラシコ・エスパニョールに続いて、がっつりフラメンコも見せます。奇しくも先日、現在新宿のタブラオ「ガルロチ」に来日中のマリア・モレノにインタビューしていたら、彼女の口からこんな言葉を聞きました。「舞台装置とかの物にお金をかけるよりも、人に投資したい。経験豊かで、自分のことを分かってくれて、必ず良い作品に導いてくれる人の力を借りたいの。」と。誠実で真摯に、スペイン舞踊への敬意、そして関わった人たちへの感謝を込めた作品を目指してお手伝いをして来た「レリカリオ」。公演まであと１ヶ月を切りました！是非、多くの人に観ていただきたいです。とはいえ、会場は５００人ほどしかキャパがありません。しかも一回きりの公演。本当に贅沢な投資です。チケットはまだあります。会場は大きくないので、どこからでも良く見えると思いますので、駆け込みでもお問い合わせください。2017年11月18日(土)開場　15:30開演　16:00於：草月ホール (メトロ：青山一丁目／赤坂見附より徒歩）●チケット（全席指定）SS席：12,000円S席：10,000円A席：8,000円B席：7,000円お問い合わせは、03-3473-3435,azul@aikoaoki.comまでお願いいたします。
20Aug
- フラメンコ&クラシコ・エスパニョールが楽しめる公演「レリカリオ」優先予約のご案内
  私がコーディネーターとして関わらせいただいております公演の優先予約のご案内です。来たる11月18日（土）、日本人バイラオーラ、青木愛子さんがご自身の舞踊生活30周年記念公演「Relicario（レリカリオ）」に、スペインからバイレにアンヘル・ムニョス、カンテにホセ・アンヘル・カルモナ、ギターにエル・チャパロを招聘されます。今回のメンバーは、青木さんとアンヘルをメインに、少数精鋭。2人の他に、バイレには、プロとして活躍中の2名のみ（田尻希絵さん、ヴォダルツ・クララさん）が出演します。また、バイオリンで、三木重人さんが共演します。フラメンコだけでなく、日本では踊れる人の少ない本格的なスペイン舞踊もご覧いただくために、元スペイン国立バレエプリンシパルで現在はソロで活躍中のサラ・カレーロを昨年日本に呼び、振付をお願いしました。カスタネットを使った美しいバイレを二曲ご用意しました。さらに、スペイン舞踊の舞踊団を持ち、世界各地で公演中のミゲル・アンヘル・エスピーノ（アンヘルの義理の兄にもあたります）が、青木さんとアンヘルのペアの踊りを現代映画音楽に合わせて振り付けました。スペイン舞踊の美しさ、テイストを味わっていただける、良い機会だと思います。スペインで多くの公演を観ておりますので、本場のクオリティに近づけたい！ということでコーディネートに関わらせていただきました。もちろん全てが同じ条件でできるわけではありませんが、招聘するアーティストのクオリティーは保証いたします。そして、東京、セビージャで練習を重ねた日本人バイラオーラ陣も、見ごたえのあるバイレが踊れる実力を確認しております。正統的スペイン舞踊、フラメンコをストレートに味わっていただける公演となると思いますので、是非ご覧いただけたらと思います。８月中にSS席をFLAMENCOLABO宛にお申し込みいただきました方には、前方より１０列以内でお席をご用意させていただきます。先着順に前方より埋めていきますが、SS席はセンターブロックになりますので、どの席でもかなり観やすいです。公演、チケット情報は下記の通りです。2017年11月18日(土)開場　15:30開演　16:00於：草月ホール (メトロ：青山一丁目／赤坂見附より徒歩）●チケット（全席指定）SS席：12,000円S席：10,000円A席：8,000円B席：7,000円お申し込みは、お名前／チケットの発送先の住所／電話番号／希望枚数を明記の上、 infoflabo@gmail.com　までメールをお送りください。入金方法は銀行振込となります。振込先はご予約後に連絡いたします。なお、9月以降のチケットのお申し込み、お問い合わせは、azul@aikoaoki.comまでお願いいたします。東京圏外の方への耳より情報！ちょうどこの時期、公演レポを書かせていただいている、タブラオ「ガルロチ」さんにパストーラ・ガルバン、ホセ・ガルバンが来日しております。この公演「レリカリオ」は17時半には終演しておりますので、当日でも十分間に合いますし、また前日にタブラオ鑑賞を絡めて一回の上京で多くのスペイン人トップアーティストをご覧いただけます。尚、劇場公演、タブラオ共に、お席には限りがありますので、お早めにご予約ください。
08Jun
- 残念な映画試写会
  ありがたいことに映画公開前に試写会のご案内をいただいた。１つはアントニオ・ガデス舞踊団の舞台をパブリックビューイングのように映画化したもの二本、「カルメン」「血の婚礼、フラメンコ組曲」。こちらについては観させていただけたので、別途記事として取り上げます。もう１つはサラ・バラスの「パッション・フラメンカ」という映画。試写会は、映画館ではなく小さな試写室なので、どこも場所がややわかりにくいものです。アントニオ・ガデス舞踊団の方の試写会では、貼り紙だけでなく、配給会社の方自ら、建物の外に立って案内をされていました。サラ・バラスの方は、ハガキに書いてあったビル名が見当たらず、一度通り過ぎてしまい、会場に４分遅れで到着。地下に降りると、受付には４人くらい人がいました。「すみません、遅れて！」と走って行くと、受付にいた担当らしき女性が「もう始まったので、お入りいただけません。今日はお帰りください。」確かに遅れてついたのは悪かった！しかし、お知らせを受け取ったのが2日前。すでに入っていた予定を１時間繰り上げ、渋谷で階段を駆け上がり、ダッシュで着いただけにあまりに残念。「他の日はもう来れないので、今日しかないんですが、なんとか入れてもらえませんか？」と頼むも、「ドアを開けて光が入ることによって、私達の大切な映画に悪い印象を持たれると困りますから」ん？そもそも、画面はすでに明るいのだから、ドアを少し開けて入るくらいなら、真っ暗闇を突然ライトで照らすような光りではないはず。それに、ここは地下。入る手前の照明を落としてドアを開ければ、そんなに大げさなことには…。もちろん、遅れたのは申し訳ない。と思ってたところ、次の一言。「皆さん、お仕事で観に来られてますからね…」え？私も仕事で来てますけど？？きちんとした紺のビジネスジャケットとバッグ。遊びに来たお客風ではなかったのですが。このマスコミ試写会のご案内はBUNKAMURAさんから私宛に郵送でいただいたもの。書こうとしている記事の概要も伝えました。最初に「どこから来られたんですか？」(この尋ね方自体もいかがなものかと思いましたが)と訊かれたので、ちゃんと名乗り、仕事の説明もしました。私:「こうして話している時間ももったいないので、サッと中に入れませんか？」「いや、もう話が随分進んでしまいましたから、ダメです。もう映画としてお見せできるところが欠けてしまいましたから。」その時点でまだ始まって７分程度。そして、二度目の「皆さん仕事で来られてますから…」さすがに今度は声に出して言ってしまいました。「私も仕事で来てるんですが。」それでも、とにかく女性は絶対に通しません！の一点張り。上目遣いに睨んで首を振る始末。こういう対応って、今どきの社会では当たり前なんでしょうか？私は、公演やイベントなどでは、ご足労いただいた方にはなんとか少しでも観ていただきたいと、幕間や、他のお客様のお邪魔にならないような配慮で通してきました。ましてや5分以内の遅れなら、何かしらのタイミングで誰にでも起きること。結局、パンフレットやチラシすら渡してもらえず、これ以上ここで時間を使うのはさらにもったいないと思い、あきらめて書かないという選択をするしかありませんでした。落胆して帰る招待客に、何一つ言葉をかけることもない４人の配給会社の皆さん。４分遅れて来た招待客を追い返したことで、その女性は周りから「よくやったね。」と評価されるのでしょうか？受付は4人もいて1人も招待客に助け船を出さないのなら、それは会社の方針でしょう。あちらは試写会を提供し、こちらは無料でパブリシティを提供という協力関係あってのマスコミ試写会と思っていましたが、こんな上下関係があったとは。電車なら、たった4分でも遅く着いたらもう乗れないので仕方ないのですが、人の判断1つで何とかなること。機械ではない人間ならではの、なんらかの知恵と救済策はあったのでとは？思うと残念です。結果的に、映画のことは何も書けませんが、担当者の方曰く、ほんの少し光が入っただけで印象の悪くなるような映画で、最初の５分見逃したら、話についていけなくなるという情報だけは得られました。交通費と時間をかけての収穫としてはあまりにお粗末でした。
06Feb
- フラメンコ・ウォーカー、更新しました！
  今年に入って1本目のフラメンコ・ウォーカー、更新いたしました。今回は、番外編として日本国内ウォーカーです。100回を超えたところで、ふと振り返り立ち止まってしまっていました。色々考えることもあり。しかし、実は読者の方が応援メッセージを下さっていたというのが、２ヶ月半経ってようやく手元に届き、元気の素をいただきました。フラメンコを伝えるという仕事は本職ですが、それで食べていけようはずはありません。それゆえに、日本で人と接すると、素人扱いされたり、有閑人の暇つぶし呼ばわりされ、苦汁を嘗めたことは多々ありました。しかし、実際、本場のスペインでフラメンコプレスや情報サイトの運営、批評家の人たちもフラメンコ「だけ」で生計は立てられないのです。報道メディアでフラメンコ以外のものも扱っていたり、フラメンコとは関係ない職業を別に持っていたり。その事実を知ったら、現時点でフラメンコ報道ができる環境にある私が敢えて日本の常識に遠慮して、自分の仕事にコンプレックスを持つ必要はないのでは！と勝手に勇気を出しています。そんなわけで、今年もフラメンコの魅力、スペインのアーティストを日本の皆様に紹介し、多くの人が本場のフラメンコを日本でも楽しめる流れを作るために、粛々と進んでいきます。フラメンコの楽しみ方は踊りを習うだけではありません。観る、聴く、そしてもちろん自分で踊ったり、弾いたり、歌ったりするために習いに行ったりと、趣味として楽しんでもらえるものの一つです。フラメンコ・ウォーカー　第102回はこちらから！http://flamenco-sitio.com/flamenco-walker/2017/02/flamenco-walker-en-japontablao-garlochi-mercedez-de-cordoba-maria-terremoto.html
27Jan
- フラメンコ・フェスティバル「ラ・イスラ・シウダ・フラメンカ」
  アンダルシア、カディス県サン・フェルナンド市のフラメンコ・フェスティバル「ラ・イスラ・シウダ・フラメンカ」。今年は７月２１日から８月３１日まで。この期間、サン・フェルナンドはフラメンコ一色。ビーチも近くにあり、夏のバケーションをのんびりアンダルシアで、という人にはオススメの地。ついでにフラメンコもいわゆる「観光向け」ではないものが垣間見れます。アクセスは、セビージャやカディスから電車で。バスもあります。今年は、カマロン・デ・ラ・イスラ没後25周年ということで、さらに気合の入ったプログラムが期待されます。例年通り、カマロン所縁のベンタ・デ・バルガスを始め、街のいたるところで、コンサート、クラス、座談会、講演会など、様々な形でフラメンコに出会えます。今のところ、歌手のドゥケンデ、カプージョ・デ・ヘレスの出演、アントニオ・カナーレスのクラスなど概要が決まりつつあります。夏のアンダルシアを訪れる人は、続報をチェックしてください！本場の生きたフラメンコの世界に触れるチャンスです。
24Jan
- 久々の更新とフラメンコ番組再放送のお知らせ
  驚いたことに、というか薄々分かってはいましたが、なんとこちらのブログ、1年半も凍結していました。2015年の８月以降、紆余曲折あり、フラメンコ・ウォーカーの執筆以外に落ち着いて書くということが困難となっていました。ネタは山ほどあるのですが…。私は本来「ブロガー」ではないので、自分自身のポリシーとして無責任な記述やアーティストの名誉を落とすようなことは書けないことには変わりないのですが、ここはあくまでも「ブログ」なので、もっと自由にフラメンコの面白さを伝えていける場にできればと思っているところです。さて、復帰第一弾としてまずはお知らせです。2010年に初回放送された、NHK-BSハイビジョン特集「黒木メイサスペインフラメンコ　魂の踊りと出会う旅」が好評につき再々再放送されることになりました。番組コーディネーターと通訳をさせていただきましたので、また放映が決まり嬉しく思っています。放送予定日は：BS「プレミアムカフェ」内で2017年1月31日（火）午前9：00～11：00　2017年2月1日（水）午前0：45～2：45 （深夜リピート放送）アンダルシアのヘレス・デ・ラ・フロンテーラ、セビージャ、アルコス・デ・ラ・フロンテーラの風景や人々も出てきます。見逃された方は是非ご覧ください。番組ホームページへのリンクはこちら→http://www4.nhk.or.jp/pcafe/x/2017-01-31/10/4562/2315588/（写真は番組HPより）当時は今に輪をかけてクソ真面目だったので、番組に関するこぼれ話やエピソードも絶対門外不出！くらいに思っていたのですが、あとでロケに参加された方が普通に書いておられるのを知って、あらら…という感じでした（笑）あれから6年経って、黒木メイサさんもご結婚され、今は第二子の誕生を待っておられるとか。短い期間の練習であれだけサマになったのも、彼女がダンスの基礎があったからというのもありますが、何よりも彼女自身がスペイン人と素直にコミュニケーションを取ろうとしていたことが大きかったと思います。レッスン中もフィエスタの最中もあとで編集するのが大変だったくらい、マメに通訳を入れました。というのもメイサさんが現地の人と普通にコミュケーションが取れているような間を崩したくなかったからです。でも同時通訳しちゃうと、声がかぶったりして、収録には向かないんですよね。こういう撮影が初めてだったので、スタッフさんにはご迷惑をおかけしました！だけどコミュケーションはスムーズにいったと思いますよ！　バルでの場面は、一番感動的で好きだったのですが、字幕を整えられないままで行っちゃったんです。うーん、無念！！放映までの時間がなかったこともあり、スペイン語がわかる人にしかわからないような修正だからと修正案はボツ。他の早口で話しているところは、国営放送なのでお年寄りから子供までは読み切れる秒数と文字数の字幕という縛りがあり、たっくさんいいこと言っていても全てを載せることができませんでした。でも、あの雰囲気、空気感は味わっていただけると思います。今は亡きギタリストのモライートは本当にサプライズで登場してくれました。当日、アンダルシアフラメンコセンターでの撮影の後、走って先回りして次の撮影場所のバルに行くと入り口にモライートが立っていたんです！撮影、と言っても本当にいつものバルでの立ち話のような雰囲気でカメラが回り出すと、モライートが私に向かって「今ここに自分がいるのは、フラメンコを真摯に愛して、伝えようとしてくれる君へのプレゼントなんだよ」と。もう、通訳できなくなるくらいの感動！！その彼らの温かさをメイサさんもしっかり感じて、一気に心が開いた瞬間でした。このお仕事では、いろんな意味でフラメンコを伝えるということを深く考えさせられました。フラメンコという言葉だけしか知らない人、フラメンコを数回見て「知っている」と思っている人、フラメンコは踊りだと思っている人、女子供のものだと思ってる人、ただただ情熱と思ってる人…いろんなイメージを持っている日本の人にどこから話したらいいのか？興味を持って楽しんでもらえるようないい出会いが作れないだろうか？と。その後も色々と思うこと様々。そんな想いも混ぜながら、少しずつこちらのブログページも復活させていきたいと思います！まずはBS放送映るか、チェックお願いします！番組中に私もチラリと映り込んだり声が入ってたりという”そそう”がありますので、私をご存知の方は笑ってやってください！
18Aug
- 2015年秋フラメンコフェスティバル in Japan ＆驚きのカンタオール・ストーリー
  猛暑の2015年夏もようやく盛りを過ぎてきました。夏バテ解消にフラメンコサプリをそろそろおひとつ！サプリ補給遅すぎる！…というのもごもっとも。しかしながら、フラメンコサイト「フラメンコ・シティオ」内の「フラメンコ・ウォーカー」は、粛々と進んでおりまして、既に65回を迎えました。そちらでは、スペインや他国に飛び、フラメンコフェスティバルで実際に観て来た公演を通じて、フラメンコやアーティストをご紹介しております。そして、この秋、それらの記事で取り上げた注目のアーティスト達を実際に目にするチャンスが東京に訪れます。まずは、パルコさん主催のフラメンコ・フェスティバル。9月21日22日のサラ・バラス公演、そして23日のアンダルシア舞踊団公演です。サラ・バラスは2005年以来の来日公演です。直近で観たのは2012年セビージャでの公演「ペパ」。いつものようにサラ・バラスらしい作品…というと、サラを初めて観る方にはなんのことやらという不親切な書き方になってしまいますね。一言で言うなら、見せ場が分かりやすい展開で、フラメンコの醍醐味であるサパテアードも存分に楽しめ、舞台作品としての華やかさも備えた作品。そして何より、サラ・バラスのきびきびとした迫力のバイレと持ち前のチャーミングさは健在でした。来日作品の「ボセス」は、まだ観たことはありませんが、きっと期待を裏切らない素晴らしい舞台であることでしょう。サラについては、いろんな所で語られていますので、ここからはもう一つの公演、アンダルシア舞踊団による「イマヘネス」について。タイトルの「イマヘネス」。カタカナで書いてあると、何だ？と思われるでしょうが、スペイン語の綴りで書くと「Imagenes」。勘の良い方はお分かりでしょう。英語で言うところの「イメージ」の複数形です。アンダルシア舞踊団２０年の歴史の中で、歴代芸術監督たちが残した作品の名シーンをイメージした場面が繰り広げられます。現在の芸術監督はラファエラ・カラスコ。ラファエラはアンダルシア舞踊団創設時の舞踊団メンバーです。その時の監督はマリオ・マジャ。同じく舞踊団にいたベレン・マジャの父です。マリオ・マジャは、バイラオールとしてはもちろん、メッセージ性のあるフラメンコ作品を多く世に送り出した芸術家。カルロス・サウラの映画「フラメンコ」の中で椅子を使って「マルティネーテ」を踊っているシーンが記憶に残っている人もおられることでしょう。作品の一幕であるこの写真は、まさにそのマリオ・マジャへのオマージュが込められたもの。中央にいるのが、ラファエル・カラスコです。監督だけでなく主要な場面での出演もこなしています。向かってラファエラの右がウーゴ・ロペス。その右隣がダビ・コリア。昨年、ロシオ・モリーナの来日公演に出演していました。そして向かって左の女性ダンサーがアナ・モラーレス。この三人が現在のアンダルシア舞踊団のソリスト達です。彼らのバイレの素晴らしさも今回の公演のみどころです。ラファエラの振付は非常に難易度が高いものです。前作のラファエラ監督第一作目の「En la memoria del Cante 1922」では、ため息がでるほどのスリリングな場面が幾つもありました。まさに、ラファエラの残した「イマヘン」です。そして、この４名と同じく、私が個人的に期待しているバイラオールは、アナ・モラーレスの向かって左に写っているアルベルト・セジェス。ここは「フラメンコ・ウォーカー」ではなく、私個人のブログなので、思い切り好みも言わせていただきますが、若手バイラオールの中で一番注目しているのが、このアルベルトです。下の写真では右から２人目です。もちろん、個人的好み以前に実力も素晴らしいので、「ウォーカー」でも既に紹介済み。こちらに、今年のヘレスで２度目の「イマヘネス」を観た際の記事もございますので、是非併せてご覧下さい。これだけの大所帯のカンパニー、しかも名実共にスペインのトップクラスのアーティスト達の来日。一人でも多くの方に観ていただきたいものです。さて次に、超掘り出し物カンタオールのご紹介です。ホアキン・デ・ソラ（Joaquín de Sola）は、前述のサラ・バラスと同じ、アンダルシア地方カディス県カディスの生まれ。2年前に出した初アルバムがフラメンコ批評家による選出の賞で最優秀新人アルバム賞を受賞し、名前が知られるようになりました。まだ知名度はそれほど高くないのですが、それもそのはず。ホアキンがフラメンコを歌い始めたのはほんの８年前。なんと、こんな私よりもフラメンコ歴が短いのです。それなのに、この歌唱力は何！？！？舞台で観る限り、その立ち居振る舞いといい、”子供の頃からフラメンコの中で育ちました”系の若手カンタオール達となんら変わりない貫禄。そんな短期間でどうやってそこまでになれるの？日本でカンテを勉強されている人も、そのいきさつが気になるところかと思います。そのホアキンに、現在彼の住むサン・フェルナンドに行き、カマロン・デ・ラ・イスラ縁の、そして今やホアキンのホームグラウンドとなっている「ベンタ・デ・バルガス（Venta de Vargas）でインタビューしました。そこには、愛好心、師弟愛、集中力、チャレンジ精神、自分を信じること。そして誠実に前向きに歌い続けた結果が実を結んでいるストーリーがありました。その内容をフラメンコ・ウォーカーにアップしておりますので、是非ご一読ください。急逝した恩師マリアナ・コルネホの想いを伝えるかのような正統派カディスのカンテを収録した、ホアキンの初アルバム「プリンシピオ（Principio)」。フラメンコの歌は初めてな人、カンテを学んでいる人にもとても聴きやすく仕上がっているこのアルバムの日本直輸入盤が発売になりました。お求めは、フラメンコCD販売の老舗アクースティカさんをはじめ、Amazon Japanなど国内主要店舗でも販売されるという、メジャーレーベルからの発売が少なくなった近年のフラメンコCDとしては異例の扱いになっています。　視聴はこちら。重過ぎもせず、軽過ぎもせず。ストレートなフラメンコを楽しみたい方にお薦めです。さて、この他にも11月には、ロシオ・モリーナの来日も控えています。来日作品は「アフェクトス（Afectos）」。ロシオのバイレを存分に楽しめる作品の一つとして、こちらにご紹介しております。鑑賞前に、または鑑賞をまだ決めてない方も、見逃さないために是非ご一読ください！
12Nov
- １年以上ぶりの更新！そして、とびきりお得なお知らせです！！
  なんと！１年以上も凍結させていました…。というのも、フラメンコサイト、「フラメンコ・シティオ」の「フラメンコ・ウォーカー」の記事投稿ばかりになってました。『フラメンコ・ウォーカー』では、スペインのアーティストや公演を紹介するというテーマで、自分が観たもの、聴いたものの中から、日本の皆様にお伝えしたいことを書いています。実際に観てないものや体験していないことについて書くのも、インターネットが普及した今なら、さも観て来たかのように書くのは簡単なことでしょう。ネットにある情報を組み合わせてしまえばおしまいです。しかし、実際観ると、例えば９０分の公演の中からどの部分を伝えることにスペースを割くか、どんな言葉を使えばよりリアルに伝わるか…考えていると時間はあっという間に経ってしまいます。さらに、著作権の関係上、限られた枚数とは言え、写真のダウンロードは仮住まいのスペインのインターネット環境ではトラブルはしょっちゅう。さらに、書き終わったら編集作業。インタラクティブに確認できないオンラインでの編集画面での作業はこれまた時間を要します。そんなこんなで、ウォーカー執筆を始めて以来、スペイン滞在中は常に時間との闘い。ウォーカーは公式な記事なので、そこには書ききれないことはたくさんあります。それは、こちらのブログに！と思っていたのですが、すっかり手が回らなくなってしまっていました。しかし…最終更新が１年以上前だったとは自分でも驚きです！時間が経つのは早い！El tiempo vuela....さて、この夏は恒例のセビージャでのビエナルへの参加。プレスとして毎日取材をしておりました。公演も５０公演を鑑賞。ビエナルの作品となるとアーティスト達も気合いをいれて挑んできます。それをたくさん観ることで、本場スペインでのお約束的なこと＝フラメンコ公演として欠かせない普遍のエッセンスや現代の作品の傾向も脳にぐんぐんインプットされました。こんな修行を14年続けた結果、ようやく鑑賞時の”フィルター”のようなものができた気がします。それは「比べ」て批評する為のフィルターではなく、その公演の良いところや、逆に足りないところ、こうしたらもっと良くなるなというところが見えてくるためのものです。決して、文句をつけたりするものではなく、フラメンコやアーティストを愛するが故の、より良くする為の愛情から。特に日本はプロとアマの境目が曖昧ですし、上下関係も厳しいので、意見を述べることは難しい風土です。だからこのフィルターは、日本ではほとんど出番なし。もちろん発表会を観るときや、仕事モードで鑑賞しない時は、このフィルターは通しません（笑）。リラックスして楽しみたい時もあります。何と言ってもフラメンコの本場、スペインの公演はお手本にすべきところがたくさんあります。なにも、スペイン人の「真似」をしろというのではありません。スペインでやっていれば全ていいかというと、そうではありません。しかし、例えば歌舞伎。（最近はまっているだけに、この引用が増えました。）日本の歌舞伎をお手本にしないで、外国人が外国で歌舞伎を芸術として高められるでしょうか？歌舞伎のメイクで歌舞伎の衣装を着て舞台に立ってなにやら唸れば、それは歌舞伎でしょうか？さて、前置きはこれくらいにして…。日本に帰って来てからも、いろいろなジャンルの舞台を観て、鑑賞眼を磨く修行中ですが、こんなフィルター持ちの私を公演にご招待してくださる方もいらっしゃいます。ありがたいことです。自分自身、公演を開催する側にも何度も回ったことがあるので、チケット一枚の重みは重重分かっています。ですので、観せていただくからには、ご希望とあれば、このフィルターを通して観た感想など、提供させていただくようにしています。１ミリでもお役に立てれば…。この秋は、平富恵さん、石井智子さんの舞台公演、そして青木愛子さんのタブラオリサイタルを観させていただきました。　　　　　このお三人に共通なのは、元小松原庸子スペイン舞踊団のプリマドンナ達であったこと。彼女達がフラメンコを始め、団員として活躍していた時代の初期は、渋谷にタブラオがあり、そこで毎日のようにスペインから来日していたアーティスト達とライブをしながら修行なさっておられたようです。またフラメンコだけでなく、スペイン舞踊も学ばれているので、皆さんパリージョ（カスタネット）の腕前は本場スペイン人仕込み。舞台では、今では考えれないようなビッグなスペイン人アーティスト達と共演してこられました。渋谷のタブラオがなくなった後も、日本だけでなく海外公演も経験され、舞台度胸もたくましく鍛え上げられています。独立後、日本にいても「スペインクオリティ」を抵抗なく受け入れ、追求されているように見受けます。スペインのフラメンコを知れば知るほど、外国人である自分との隔たりや逆に共通点が見えてくるもの。そうすれば足りない部分をどう補うか、自分の持っている良いところをどう伸ばすかというのも分かってくるでしょう。もちろん、彼女達だけでなく、そういう姿勢で頑張っておられる日本のアーティストはいらっしゃいます。これからも応援していきたいと思います。平さん、石井さんの劇場作品は、この数年観させていただいていますが、年を追うごとにご自分の方向性が明確になり、自らのスタイルを作り上げられているのがよく分かります。スタイルの確立、といっても完成形ではなく、どこかに変化の余地を残しています。そして、次の公演では変化が見られるのです。舞台上での新しいチャレンジ、または試行錯誤的な部分、とでも言いましょうか。これがある限り、進化し続けられると思います。あのイスラエル・ガルバンがいい例。毎回チャレンジです。スペインは日本よりも作品発表のサイクルも短いですし、ソロアーティストの公演回数も多いので、環境は全く違います。そして、アーティストの活動を若い時から継続的に観ているファンや専門家もいます。不評を唱える人もいれば、一方で賞賛する人もいます。2000年のビエナルでの「化身」以来、毎回センセーショナルな作品を発表しているイスラエル。その間、一人の殻に閉じこもることなく、各方面の才能ある人の意見を取り入れ、自分自身の鍛錬は怠らず（数年前より格段引き締まったボディ－になっています）、人間的に「エライお方」になることなく、気さくで普通に話のできる人。作品の好き嫌いは別として、アーティストとして素晴らしい人だと思います。おっと、すっかり話がそれました…。まあブログなので勘弁してもらいましょう。お二人の公演、いずれもしっかりした構成で、スタッフ、会場も舞台作品として格のある立派な公演をなさっていました。青木さんは、今回は１月の初舞台公演に向けてのタブラオでのソロライブ。これほど実力がありながら、今まで劇場ソロ公演をされていなかったのです。それは前述の「スペインクオリティ」を知っておられるが故に、自分のことは、独立後ちゃんと地に根をおろしてからというお気持ちだったのではと推察いたします。ようやく、スタジオ設立５周年を機に、初のソロ劇場公演をスタジオの発表会に続いて公演することになりました。その大切な公演のためのスペイン人アーティストのコーディネートをお任せいただくこととなり、青木さんにベストマッチングするパートナー探しから始めました。アルテ面はもちろん、見た目のバランスも大事。カンテ、ギターも併せて招聘したいということだったので、そのコンビネーションも考え、この度、不肖私の放った白羽の矢をありがたくも受け止めてくれたのが、バイラオールのアンヘル・ムニョス。ギタリスト、カニサレスの日本公演に出演していたのでご記憶にある方もいらっしゃるかと思います。その昔、アンへリータ・バルガスとエル・フラメンコに出演していたことがあるとか。最近では珍しく、大柄で男の色気のあるバイラオールです。スペインでこの夏、２人のリハーサルに立ち会いましたが、私の目に狂いはなかった！と思えるいいペアでした。何と言っても、アンヘルは、彼を知る人みんながその人柄を絶賛するほどの人物。真夏の長時間のリハも快く引き受けてくれ、いろいろな面で助けていただいてます。カンタオールは、ホセ・アンヘル・カルモナ。2年前にフラメンコ・ウォーカーでも取り上げましたが、今年はヘレスのギタリスト、パリージャ・デ・ヘレスの甥であるマヌエル・パリージャのアルバムにも参加しています。ホセ・アンヘルはヒターノではありませんが、ヒターノでカンテを重んじるヘレスのアーティストが自身のアルバムの中で歌わせる…ということは、その実力はうかがい知れますね。バイレへの伴唱では、ホアキン・グリロ、オルガ・ペリセー、ロシオ・モリーナなどなど。ギタリストには上記２人と共にパコ・ペーニャのグループで作曲から演奏まで手がけるラファエル・モンティージャ”エル・チャパロ”。フラメンコギターのメッカ、コルドバの出身で、マドリード在住時代はアントニオ・マルケス舞踊団で弾いていたそうです。こんな素敵なアーティストが舞台で観られるチャンスは、１月３１日の青木さんの公演の第二部「número A」ポスターはこちらそして、さらにうれしいおまけのお知らせがこちらです！アンヘル・ムニョス東京ワークショップ丁寧で的確な指導でヘレスのフェスティバルでのクラスは、毎年即満員となる大人気のアンヘル・ムニョスによる1日だけの特別レッスン!開催日:2015年2月1日(日) 会場:スタジオ「CASA DEL ARTE」東京都港区芝3丁目16番地13号 MARUWAビル1階 <会場へのアクセス>都営大江戸線「赤羽橋」駅赤羽橋口出口徒歩約4分都営三田線「芝公園」駅 A2出口より徒歩約6分都営浅草線「三田」駅より徒歩約10分 JR山手線&京浜東北線線「田町」駅より徒歩約12分内容 : アレグリアスを踊る為のテクニックや部分的な振付の習得各クラスごとに内容は異なりますので、単発受講可能。全クラス日本語通訳アシスタント付。対象レベル: 1日のみのクラスのためレベルフリー (必要に応じて、各個人のレベルに合わせた指導が行われる予定)時間 : Aクラス 13:00～14:00 / Bクラス 14:15～15:15 / Cクラス 15:30～16:30 各クラス定員20名。定員になり次第、締め切りとします。料金 :1クラス受講 5,000円 / 2クラス 9,000円 / 3クラス 12,000円 (複数クラスの受講は、上記のように料金が割引となります)お申し込み方法・下記URLよりインターネット申し込みフォームにアクセス　　　 http://form1.fc2.com/form/?id=939630 簡単です!・メール:infoflabo@gmail.com ,またはファックス:03-3447-3770 　いずれも希望クラス、住所、氏名、電話番号、及び、ファックスでの連絡をご希望の方は返信ファックス番号を必ず明記のこと・フェイスブック経由 : Facebook「FLAMENCOLABO」ページよりメッセージ送信、または申込フォームにアクセスそして、さらに超ミラクルなチャンス！！特報！ミニカンテコンサートのご案内本場スペインのペーニャのように、生音を間近で聴けるリサイタルをお楽しみいただける希少な機会! 日時：2月1日(日)17:30～18:30　カンテ: ホセ・アンヘル・カルモナギター: エル・チャパロワークショップと同日、同会場で開催コンサート後、約1時間、サロンで交流会予定前売券 2,500円当日3,000円　　　　　(全席自由。定員あり/ 設営の関係上入場は開演10分前からとなります。)申込み方法は、ワークショップと同じ。メール、ファックスにはコンサート希望と明記。どうぞ、ふるってご参加ください！
22Sep
- セビージャとんぼ返り旅報告とイメージトレーニングのための必須サプリ。来日レッスンへのお誘い。
  写真や映像、旅をしたことのある人から聴く話やエッセイで、まだ見ぬ土地のことも知ったり、光景を想像することができます。極端な例、海を見たことがなくても海の絵は書けるのです。しかし、一度、本物の海を自分の目で見ることができたら、同じ海の写真や映像を見た時の感じ方には以前とは変化がでるでしょう。さらに数多くの海を見ていくうちに、同じ海でも、色、風、音、香りが違うこと、そして天候、場所、時間による表情の違いもあることが分かり、海の絵を書くときにの表現もより豊かになるのではないでしょうか？そんな想いを胸に、海ならぬフラメンコを求めて、この十数年、スペインに足繁く通っております。フラメンコという芸術はよく「扇（スペイン語でアバニコ）」に例えられます。扇の骨が一本ではないように、広げるといろいろなタイプのアーティスト、曲種、スタイルがあります。それを日本に向けて紹介するには、一人の人間が全てをカバーするのはなかなか難しいと思います。年代、好み、得意分野を活かして、様々な視点からフラメンコを伝えてもいいのではと思い、私も自分が見聞してきたことから情報を発信もさせていただいております。さて先週のこと、その見聞旅の最短記録を達成してまいりました。セビージャ滞在２日半だけで帰国。聞こえてくるのは「あぁ、なんてもったいない！」「せっかく行ったのならもっと入れば？」「たったそれだけの為に行くなんて」との声。しかし、今回の旅には２日半以上の価値があったのです。というのは、昨年の第17回ビエナル・デ・セビージャ（２年に一度セビージャで開催される最大のフラメンコフェスティバル）で贈られたヒラルディージョ賞の授賞式があったのです。ヒラルディージョ賞は13の部門に分かれていて、この授賞式には各賞の受賞アーティストが一同に介すのです。そしてさらには、賞の授与の合間に受賞アーティスト達によるミニコンサートが挟み込まれるというプログラム。つまり、ビエナル76公演の中で高く評価された総勢16組（複数受賞者の賞もあるので）のアーティスト達全員を一夜で見ることができるのです。これだけのアーティストを生で見ようとしたら、単純計算だけでも16日は必要。しかも、スペイン滞在中に都合良く毎日一組のコンサートがあるわけがありません。そういう意味で、フラメンコオタクの私にとっては、２日半以上の価値があったのです。もちろんそれだけではなく、初めてこの賞の審査員をさせていただいたので、お祝いの場に駆けつけたいという気持ちもありました。（上写真は、会場となった元修道院の中庭）この授賞式の様子はこちらのフォトギャラリー「2012. ENTREGA PREMIOS GIRALDILLO」でご覧ください。受賞者のリストと記事はこちらにあります。そんな短期間の滞在ながら、運よく10月5、６日に東京でレッスンをするマヌエラ・リオスの踊りを見ることができました。タブラオ「カサ・デ・ラ・メモリア」です。日本人の姿も何人か見かけましたので、既に訪れたかたもいらっしゃるかも。昨年、サンタクルス地区からショッピング街であるシェルベス通りの近くに移転しました。ちなみにここのパンフレットの日本語訳をお手伝いしました。マヌエラ・リオスは毎日セビージャで生徒にフラメンコを教えています。なので、この日もレッスン終了後タブラオに直行してきたようです。慌てて楽屋入りしていった時の姿とはうってかわって、いざ舞台に現れた時のオーラ、ゴージャスさと言ったら！「かっこいい！」一部ではティエントスを二部ではソレア・ポル・ブレリア。女性特有のクエルポ（＝身体）の使い方はお見事。日本で女性らしいと言うと「しとやか」でしなっとした感じを想像しますが、フラメンコらしい女らしさは、芯が通っている強さとセクシーさ。いくらサパテアード（足打ち）ができていても、身体の幹の部分がロボットのようにがちっと固定されていては、この女らしさは出ません。しかし、下手に意識過ぎると軸を失い、ドタバタしたり、クネクネしたり。これは、”昨日の今日”で身につけられるものではありません。何と言っても、最初のうちはサパテアードを取ることで精一杯。そして次に腕や指使いを習得していきますよね。身体の使い方は、練習しているうちに徐々に意識していけるようになりますが、そのためにも「良いお手本」を見て頭の中でイメージできるようすることが大切です。また男性にはない動きなので、女性の舞踊手から学ぶしかありません。ビデオなどの映像でも学べますが、できれば立体的に生で見ることができればより良いです。そして、ちゃんと「良いお手本」を選ぶこと。ここで下の一連の写真をご覧下さい。踊っているのはマヌエラ・リオス。タブラオで写真撮影が許可された最後のブレリアの時に携帯のカメラで撮影しました。何か気づきましたか？速い動きのブレリアという踊り。携帯カメラで「顔キャッチ」なんてしている余裕はありませんでした。しかし、よく見て下さい。どの写真も顔はぶれていないのです。つまり軸がぶれていないということ。だけど彼女の身体はロボットの箱みたいにはなっていません。その瞬間毎に向きも角度も変わっています。「良いお手本」はすぐに真似できるものはありません。しかしそれを自分の目で間近に見ることは、必ずや役に立つ日が来ると信じ、5年前からスペイン人アーティストの来日クルシージョの企画をしてきました。生徒さん自身が踊る為だけではなく、いつかスペインに行った時やDVDなどで観ても楽しめるアーティストということで、今回はマヌエラ・リオスを選んだわけですが、彼女のタブラオでの踊りを見て、ますますできるだけ多くの人に生で彼女を見ていただきたいなと思いました。実は以前、ベリーダンスを習ったことがあります。身体を動かしたいのと興味から気軽に始めましたが、ある時ふと思いました。「私はちゃんとしたお手本をなぞっているんだろうか？」「限られたお金と時間を使うのに値するものを見ているのだろうか？」ベリーダンスを見たのはブラジルのアラブ料理店のショーだけ。トルコやエジプトに行ったこともなければ、本場のダンサー、それも現地でちゃんと認められているダンサーも全く知らない状態です。どこで誰に習うのがよいのかを考えだすと当時はとても余裕がなく、中断してしまいました。10月は来日レッスンラッシュということもあって、週末２日間の東京でのクラスはまだ十分に空席があります。セビージャに行ってレッスンを受けるとなると、飛行機代だけでなく、毎日の宿泊費もかかってきます。そう考えると、今、まさにセビージャで教え、踊っているバイラオーラ、しかも「良いお手本」であるマヌエラのクラスは、フラメンコサプリを気軽に補給できるチャンス。日本での知名度は高くないと思います。レッスン来日も初めてですので。しかし、彼女の実力は確実と私は見てきました。週末のご予定、都合がつく方は是非ご検討ください！★10月5日（土）13：40-14：40　タンゴ①14：50-15：50　ブレリア①17：10-18：10 アレグリアス①18：20-19：20　ソレア①★10月6日（日）12：10-13：10　タンゴ②13：20-14：20　ブレリア②17：10-18：10　アレグリアス②18：20-19：20　ソレア②レベルは全て初中級～。単発受講可。会場：10月5日午前クラス（タンゴ①ブレリア②）　モダミカ　アネックス　　　　（東京／JR山手線、メトロ東西線、西武新宿線　高田馬場駅より徒歩6分）　　　10月5日午後クラス（アレグリアス①）、10月6日　水道橋プレステージ　　　＊水道橋駅（ＪＲ）：東口より外堀通りを渡り、白山通りを壱岐坂下交差点まで。　　　＊水道橋駅（都営三田線）：Ａ6出口（地上右折）から壱岐坂下交差点まで。　　　＊後楽園駅（丸の内線・南北線）3番出口La Qua/東京ドームの間の道を壱岐坂下交差点へ。　　　＊春日駅（大江戸線）：Ａ1出口より白山通りを壱岐坂下交差点へ。料金：6,500円／1クラス（全クラス日本語通訳アシスタント付）連続受講割引：同じ曲種のクラスを連続受講の場合は2クラスで12,000円（例：タンゴ①と②）お申込はこちらまで。定員に達しない限り当日まで受付しております。
04Sep
- アラフォー、二児の母、そしてバイラオーラ。マヌエラ・リオス、来日初レッスン開催。
  9月27日～10月3日まで京都で来日クルシージョを行なうマヌエラ・リオス。招聘元の京都ダンス村様が「せっかくだから東京でもクラスを開いたらどうか」とご提案いただき、東京及び関東の皆様にもマヌエラのバイレに触れていただく機会がもてることになりました。マヌエラを知ったのは10年くらい前。まだバイレをやっていた頃、セビージャのマヌエル・ベタンソの教室に初めて習いに行ったら、マヌエルは不在で代教として現れたのがマヌエラ・リオスだったのです。その時の曲種はタンゴで、クラスのレベルも高く、途中から３日間だけ入った私は全然振りにはついていけませんでしたが、「なんてカッコいい振りを惜しみなく教えてくれるんだろう」ととても印象的なクラスでした。それから数年後、日本公演を見据えた企画を某バイラオールと練っていた時、バイラオーラとして誰を入れるかというところで「マヌエラ・リオス」の名前が出たのです。即、賛成！！残念ながら日本公演は実現しませんでしたが、その企画はスペインで２度劇場公演し、そのリハーサルでマヌエラと再会できました。超美人でスタイル抜群。なのに、それを武器にすることなく、中身で、踊りで生きようとしているような印象を受けました。実際、衣装作成の時も、女性陣がデコルテを大きく開けたがっても、彼女はあくまでもノーマルなカット。練習時の時間管理が乱れても、文句を言うこともなく、仕事を済ませるとささっと支度をしてセビージャに戻って行く。そこには7，8歳の娘と10代の息子が待っていたのです。セビージャのいろいろなアカデミアで教え、夜はロス・ガジョス、エル・アレナル、カサ・デ・メモリアなどのタブラオに掛け持ち出演しながらの２児の子育て。「一体、自分の時間はいつあるの？」と訊いたら「踊っている時が私の自由な時間、私のための時間なのよ。だから一日のうちにたくさん自分の時間がもてているのよ。」そして一体いつどうやって時間を捻出しているのかというほど、フラメンコ創世記の踊り手達を研究しています。プロダクションや事務所がついて活躍している同世代のアーティストとも交流が深く、まさに現代フラメンコの流れのど真ん中に生きている踊り手の１人と言えます。２人の子供を女手一つで育てながら、フラメンカとして生きるマヌエラ。同じアラフォー世代として彼女の生き方から元気がもらえました。仕事や家事に追われながらもフラメンコを続けることでリフレッシュしたり、自分の時間を持ちたいと思っている方にも共感ポイントがあるのではないでしょうか？ちなみに素顔は、女優の満島ひかりさんを濃くした感じですよ。（個人的感想ですが）ちなみに彼女はセビージャを本拠地に活動していますので、セビージャにご旅行の際には彼女のバイレがタブラオで見られるかも知れません。習ったことのあるアルティスタの舞台を見るのは何だか嬉しいものですよね。クラス情報は下記のとおりです。お申込はこちらで簡単申込ができます。ご利用下さい。http://form1.fc2.com/form/?id=862614１０月５日（土）１３：４０－１４：４０　タンゴ①１４：５０－１５：５０　ブレリア①１７：１０－１８：１０　アレグリアス①１８：２０－１９：２０　ソレア①１０月６日（日）１２：１０－１３：１０　タンゴ②　１３：２０－１４：２０　ブレリア②１７：１０－１８：１０　アレグリアス②１８：２０－１９：２０　ソレア②２日間のみと短期間の為、記載の曲種の通しの振付けではなく、それぞれの曲種の中で使えるテクニックや部分的な振りを学んでいただきます。一日のみの受講も可能です。場所：　モダミカ　アネックス（クリックで地図が表示されます）東京都豊島区高田３－６－１５（JR山手線／メトロ東西線／西武新宿線　高田馬場駅より徒歩６分）受講料：６５００円／１クラス　全クラス日本語通訳付き連続受講割引：土日同じ曲種のクラスを連続受講の方は2クラスで12,000円。レベルは全て初中級です。
12Aug
- 秋の東京フラメンコワークショップのお知らせ　マヌエラ・リオス、ベレン•マジャ、マヌエル・リニャン
  永らく永らくブログを凍結させておりました。フラメンコサイト「フラメンコ・シティオ」の「フラメンコ・ウォーカー」のコーナーの記事の執筆をしながら、その裏話的なことや旅のアドバイスなどをこのブログでご紹介できたら…と思っておりましたが、諸々の事情にて手つかずとなってしまいました。にもかかわらず、またご愛読下さっている皆様、どうもありがとうございます！！さて既にFacebookの方で公表し、先行予約もスタートしております「2013　秋の東京ワークショップ」。この６年間、毎年12月にクルシージョを企画してまいりましたが、今年は実りの秋の開催となりました。夏休みも終わり一段落したところで、来年さらにステップアップするために、ご自身へのフラメンコサプリのプレゼントはいかがですか？いずれのクラスも１～２日の短期もの。しかも豪華講師陣！より多くの方がこのチャンスを活かせるように工夫いたしました。まずは、連続受講割引。マヌエラ・リオスの週末２日間は、同じ曲種を２日続けて受講される方は１０００円引き。ベレン・マジャの13日のクラスも同様。これはできるだけ同じメンバーで２時間続けてできればいいなあという想いからです。さらに、受講推薦レベルの引き下げ。例えば、ベレンのクラスは通常上級者向けにしか開催しません。しかし「いつかもっとうまくなったら…」と思っていても、日本からでは気軽にレッスンを受けに行くのは難しく、その「いつか」はいつになるか怪しいもの。いいものに触れるのに「早過ぎる」ということはないと思います。技術を１００％吸収する力はまだなくとも、まずはその人と出会ったことは貴重な経験になります。そして何年かたって「あのとき言ってたことはこういうことだったんだ」「あのときできなかったことややっとできた」とその経験はずっと活きていくと思います。また公演を見る時の着眼点も変わってくるかも知れません。さて講師陣を少しご紹介しますと。<a マヌエラ・リオスは、現在セビージャを中心に活躍中。というとあまりに月並みな言い方。アーティスト紹介によく使われるフレーズですね。実際に現地に行くと踊ってなかったり、無名に近かったり…。しかし彼女の場合は正真正銘、セビージャで活躍中です。ロス・ガジョス（ここでは現在踊っていませんが）、エル・アレナル、カサ・デ・メモリアというセビージャのタブラオに出演。ほぼ毎日のようにクラスで教え、フラメンコピアニスト、ドランテスのコンサートツアーにバイラオーラとして同行することもあります。昨年のセビージャのフラメンコフェスティバル、ビエナルの最終日の公演で踊ったガロティンは、先人アーティスト達へのオマージュという意図をきちんと反映させた振付けで、あのマティルデ・コラルから直々に賞賛の言葉をもらいました。２人の子供の子育てをしながら、残りの時間は全てフラメンコという人生。彼女の踊りの最大の魅力は、女性バイレで最も大切なクエルポ（身体の幹部分）の使い方。手足の動きに気を取られて、気づいたらクエルポはただの丸太棒状態になってしまいがち。肩、胸、腰、お尻といろんなパーツを含むクエルポがバイレでどのように活かされるか。マヌエラの動きを間近で見て、すぐにはそれを体現できなくとも、イメージとして記憶に残してみてください。これがお薦めポイントのひとつです。ベレン・マジャと言えば、映画「フラメンコ」でグリーンのドレスを着てクールなブレリアを踊っていた姿が印象的ですね。ベレンはご存知のように父マリオ・マジャ、母カルメン・モラという踊り手夫妻に生まれました。しかし彼女は七光りで生きていません。彼女自身、常に探究心を忘れず、努力と勉強を今日でも続けています。コケティッシュ、ワイルド、トラディショナル、そして深い悲しみや喜びと彼女の表現力は誰よりも豊富だと思います。そんな大バイラオーラのクラスを受けるなんて、ドキドキですよね！「無理無理…」と言っているそこのあなた！ひょっとしたらこれが最初で最後のチャンスかも知れませんよ。なぜなら今回は、ベレンご本人のご好意で、初心者からでもOKのクラスを作ることができたのです。あのベレンから手や身体の動きを教えてもらえるのです。たった１時間のクラスですが、１つでもその動きを目に焼き付けることができれば、これは一生物になるでしょう。また初日はマルティネーテを２時間やります。短い時間では長い曲の振付けは難しいですが、マルティネーテは、近年よく踊られるシギリージャの導入部分に取り入れることもできますので、２時間でできるところまでやったものを、タブラオなどで活かしていただくこともできると思います。また１日のみですので、次の日までに振付けを覚えておかないとという心配はありません。レベルは中上級としてありますが、ベレンのマルティネーテが観たい人は遠慮なくご参加下さい。１時間、手の届く距離でじっくりアーティストのバイレを観ることは、公演鑑賞にはないクラスならではの特典です。マヌエル・リニャンを初めて見たのは、14年前。初めて訪れたグラナダのタブラオで踊っていたのがマヌエルでした。あれから14年、今やスペイン国立バレエ団の振付けとして迎えられるほどの踊り手となられました。昨年のビエナル（前述のフェスティバル）でも、マヌエルの振付け作品「REW」は目を引きました。マヌエルのクラスは11日のみしかなく、４クラスで何をやろうかと考えたのですが、グラナダ出身ということなので、タンゴ・デ・グラナダの味をお裾分けして欲しいと思いタンゴを２クラス。そして、小気味のいい粋なバイレが魅力なマヌエルのウナ・パタイータ（一振り）でもお持ち帰りいただければと思い、ブレリアをお願いしました。ブレリアクラスには、私は通訳として参加できませんが、言葉を超えて通じることができると信じております。「ここはスペイン、プチプチスペイン留学」だと思って、奮ってご参加下さい。クラス概要は下記のとおりです。既に受付は始まっております。８月２３日のフラメンコ協会新人公演の会場でチラシをお配りしますので、ご希望のクラスは今からお早めにお申し込み下さい。＜クラス詳細＞マヌエラ・リオス(Manuela Ríos)（９月２８日～１０月３日までは京都でクルシージョ開催問い合わせ先：京都クラスお問合せ先：今西惠理子フラメンコスタジオ　info@dansumura.com　TEL/FAX：075-551-2199）10月5日（土）13:40-14:40　タンゴ①/ 14:50-15:50　ブレリア①17:10-18:10　アレグリアス①/18:20-19:20　ソレア①10月6日（日）12:10-13:10 タンゴ②　 /13:20-14:20　ブレリア②17:10-18:10　アレグリアス② / 18:20-19:20　ソレア②２日間と短期間の為、記載の曲種の通しの振付けではなく、それぞれの曲種の中で使えるテクニックや部分的な振りを学んでいただきます。一日のみの受講も可能です。　レベルは全て初中級～です。場所：　モダミカ　アネックス東京都豊島区高田３－６－１５（JR山手線／メトロ東西線／西武新宿戦　高田馬場駅より徒歩６分）受講料：６５００円／１クラス　全クラス日本語通訳アシスタント付連続受講割引：同じ曲種のクラスを連続受講の場合は２クラスで１２,０００円。（例：タンゴ①と②）10月11日（金）ベレン・マジャ　1クラス7,000円12:10-13:10　　マルティネーテ①（中上級）13:20-14:20　マルティネーテ②（中上級）19:30-20:30　テクニカ①＊＜ブラソ＆クエルポ＞（初級～）20:40-21:40　テクニカ②＊＜パソ＆クエルポ＞（初級～）10月11日（金）マヌエル・リニャン　1クラス6,500円12:10-13:10　タンゴのためのテクニカ（初中級）13:20-14:20　タンゴ（初中級）19:30-20:30　ブレリアスA（初級～）20:40-21:40　ブレリアスB（初級～）キャンセル待ちのみ受付中10月13日（日）ベレン・マジャ　1クラス7,500円（連続受講割引あり）日本語通訳付☆ソレアの２クラス、またはタンゴの２クラス連続受講は２クラスで14,000円　10:20-11:20　ソレアのマルカへ＊（全レベル）11:30-12:30　ソレアの歌振り＊（全レベル）17:00-18:00　タンゴ①＊（全レベル）18:10-19:10タンゴ②＊（全レベル）単発受講可能。マヌエルのタンゴ／ベレンのテクニカクラスは日本語通訳アシスタント付場所：10月11日（時間帯によって会場が違います）12:10～／13:20～：モダミカ　アネックス　東京都豊島区高田３－６－１５（JR山手線／東京メトロ東西線／西武新宿線高田馬場駅徒歩約６分）19:20～／20:30～　サラ・プランタ　東京都渋谷区恵比寿1-16-28 TKビル3,4F（JR、東京メトロ恵比寿駅より徒歩約７分）10月13日：全クラス　スタジオ・プリメーラ　東京都新宿区大久保2-8-8　青葉ビル（JR新大久保駅から徒歩約10分／東京メトロ副都心線東新宿駅B１出口より徒歩約５分／都営大江戸線東新宿駅より徒歩約８分）13日14時からフラメンコフェスティバルの公演がある新宿文化センターより徒歩約13分＜お申込方法＞１）インターネット申し込みフォームにアクセスして送信　マヌエラ・リオス　http://form1.fc2.com/form/?id=862614ベレン・マジャ／マヌエル・リニャン　http://form1.fc2.com/form/?id=862616２）希望クラス、住所、氏名、電話番号を明記の上、infoflabo@gmail.comにメール送信。問い合わせ先： FLAMENCOLABO　坂倉まきこ　infoflabo@gmail.com
01Dec
- ロルカ戯曲をフラメンコで。「アレルヤ・エロティカ」のドキドキ映像のご紹介。
  今年の第17回ビエナル・デ・フラメンコで、最優秀作品賞を受賞したのが「アレルヤ・エロティカ」。「エロティカ」というタイトルで「ん」と驚いた人多数。公演前、ロサリオに「どういうエロティックな演出があるの？」と訊いたところ、特に男女で絡むわけではないけど「私の存在そのものよ。見れば分るから。」と。出演者は、カンテ、ギター、バイレがそれぞれ１名ずつ。たった３人だけの舞台。会場はセントラル劇場で大劇場ではないにしても、たった３人で１時間以上、空間をどうやって埋めるのだろうと興味津々で観に行きました。作品は、フェデリコ・ガルシア・ロルカの「ドン・ペルリンプリンの恋（ベリーザと庭の恋）」を題材にしたもので、ドン・ペルリンプリン役にカンタオールのホセ・バレンシア、お金目当てで初老のドン・ペルリンプリンと結婚するベリーザ役はバイラオーラのロサリオ・トレド、そして作品全体の音楽を一手に引き受けるギタリストはダニ・メンデス。作品中のベリーザが恋をする架空の男性の存在を匂わせる役目もありました。公演の様子は既に「フラメンコ・シティオ」の方に書かせていただきましたが、貴重なリハーサル映像が公開されましたので、再度、紹介させていただきます。なんともスリリング。私だったら、こんなテーブルの上に立っただけでも足がすくんでしまいます。この状況の中で、このサパテアード、身体の動き、そしてベリーザの感情を醸し出す表現力。改めて、そのアルテにため息です。映像ではご覧いただけませんが、最後に、失ったものに気づいたベリーザの衝撃、悲しみを、溢れ出す水の中で濡れながら踊って表現するロサリオ。普段は小柄でコケティッシュな彼女が別人のように、なんともエロティック。彼女が言っていた言葉の意味に納得。舞台上でMAGIA(英語だとマジック）起こせる、これが本物のアーティストの実力なんだと感動した公演でした。この作品、早くも先月セビージャで再演が行なわれました。来年のヘレスのフェスティバルでも公演されます。是非、日本でも公演して、多くの人々にフラメンコの可能性を知ってもらいたいものです。フラメンコ・ウォーカーも昨日更新。今回は、カンタオール、ペドロ・エル・グラナイーノをご紹介しています。なぜ今回このアーティストかと言いますと、今年ペドロを見たのは３月、５月、そして９月のビエナル。ほんの数ヶ月の間なのですが、顔つきや雰囲気がかなり変わったように感じたのです。よりフラメンコが濃くなったような。すごい若手ではないのに、この短期間の変わり様はなんなのだろう？と興味を持ち、話を伺ったところ、なるほど。人に歴史有り、理由は必ずあるものですね。訊いてみないと分らないものです。
13Nov
- ビエナル終了報告＆今年最後のフラメンコサプリ生供給はクラスとフィエスタで！
  こちらでのフラメンコサプリの供給がすっかりストップしておりましたが、フラメンコ・シティオさんでの担当コーナー「フラメンコ・ウォーカー」の方でセビージャのフラメンコ・フェスティバル、ビエナル・デ・セビージャの様子をレポートしておりました。ビエナル公演を含め、この夏の滞在では約５０のフラメンコ公演を観て、改めて本場の層の厚さ、フラメンコの奥深さ、そして現在のトレンド（流行と言う意味ではなく、時流）を感じることができました。（インタビュー中のバイラオーラのマリア・デル・マール・モレノ）一ヶ月続いたビエナルが終わり、セビージャからマドリードに向おうとしていたところ、ビエナルのディレクターから「ヒラルディージョ（ビエナルで活躍したアーティストに贈られる賞）」の審査員のお話をいただきました。日本人の私が、フラメンコ界のアカデミー賞のような栄誉ある賞の授与に関わってよいのだろうか？！と驚きましたが、2000年から毎回参加し（2010年以外）、ほぼ全公演観てきたビエナルは、フラメンコ力を集中的にアップさせてくれた大切なフェスティバル。そのフェスティバルの為に何かできるのであれば、と引き受けさせていただきました。報道する立場にある外国人の行動を認め、意見に耳を貸そうとしてくれたビエナルの事務局の懐の深さにも感謝です。また今回のことで、同じ日本人である私を通じて、日本の皆さんがスペインのフラメンコ界で起きていることを少しでも身近に感じていただければ嬉しいことです。スペインには、１ヶ月71公演やっても、まだ「あ、あの人が出ていない」というほど多くのアーティストがいます。きっとあなたのフラメンコ魂に火をつけてくれるアーティストがいるはず。これからも現地で得た情報で、いろんな人を紹介して、いい出逢いをお届けしたいと思います！（右写真は、深夜の公演会場のひとつとなった元修道院のパティオ。）ヒラルディージョ賞の発表に関する記事はこちらフラメンコ・ウォーカーでは、各賞の受賞者を写真入りで紹介しています。こちらさて、”スペインを連れて来よう”企画の１２月のアントニオ・エル・ピパのクルシージョ。フェイスブックの情報ページにもアクセスいただいております。登録していなくても閲覧できるページです。こちらからクラスのお申込もできます。今回は「見ているつもりが引っ張りだされて、踊るはめに…」パターンが多発する年末年始のフィエスタシーズンに向けて「とっさの一振り」ができるようにブレリア強化のクラス構成です。さらに、最終日の夜、クラスで習ったことを実践できる場を「フラメンコ・シティオ」で企画中です。間違えようと、止まってしまってもOK。練習のための場なので、楽しければ「失敗」という二文字はありません。フィエスタには、スペイン人アーティストの中でも有名な日本人フラメンコアーティスト、瀧本正信さんが歌とギターで参加して下さいます。もちろん、アントニオ・エル・ピパも駆けつけます。詳細は後日「フラメンコ・シティオ」で発表しますので、16日(日)の夜、予定がまだ入っていない人は要チェックです。ちなみに…16日（日）フィエスタは目黒で20:30(受付21:15～）のスタート。18:25～19:25の恵比寿での東京最後のブレリアクラスは、まだお申込が少ないので「クラス受講→フィエスタ」という流れが今ならお申込いただけます。
21Sep
- ちょっとびっくり！へレスからのニュース＆12月のクルシージョのお知らせ
  ただいま、セビージャにて2年に１度のフラメンコフェスティバルの真っ最中。フラメンコ・シティオの方にその様子をレポート中です。１日に２～３公演がある毎日。ただレポートするだけでは、読む人も消化不良を起こしてしまうでしょうし、写真や名前の列挙だけなら他に情報源はあります。いくらユーロが安くなったとは言え、日本からは遠い本場スペイン。縁あってここにおります私が何かお届けできればと思い、拙いながら書いております。スペインのフラメンコを身近に感じ、興味を持っていただけると嬉しいです。さてスペインが遠いなら、スペインを連れて行こう！ということで、今年もアントニオ・エル・ピパ氏の来日クルシージョを企画しました。東京（恵比寿）、大阪、神戸で開催しますので、是非お運びください。初心者も大歓迎です。クラスに来ていただいたら、踊りを続けるのがもっと楽しくなると思います。「私にはまだ無理…」という声もありますが、では一体いつになったら無理じゃなくなるのか？というと…最初の一歩を踏み出さない限り、ずっと「まだ」は続きますよね。そこで、そんな不安を少し解消してくれそうなニュースをお届けします。地元へレス・デ・ラ・フロンテーラにスタジオを持つアントニオ・エル・ピパ。今まで定期的なクラスは開催していませんでした。しかし、通りから見えサパテアードの響くスタジオは、地元の人たちからも気になるところ。そこで、地元の人、それも初心者を対象に無料提供で４日間のオープンクラスを開催してみました。するとなんと定員の４倍の応募が！！そして初日にはなんと老若男女６６人がスタジオに押し寄せてきたのです。私は2日目に様子を見に行ったのですが、地元のスター、アントニオが直接教えるということもあって、「劇場で見たわよ！」「娘の踊りを見て頂戴」「この歳まで一度もブレリアを踊ったことないけど大丈夫かしら」といろんなことを言いながら、10代から50代位（予想ですが）のへレスの人々が集まってきました。クラスの内容は、日本でやるように最初は音楽を聴いて体を動かしていき、後半はブレリアです。なんとド初心者の人が終わるころには、ジャマーダしているんです。丁寧に一人ずつを見て回るアントニオのレッスンに、皆さん大満足。そして、今後クラスを開くなら、続けて受講したいと言って申し込んで帰る人もいました。日本でのクラスの情報は下記です。フェイスブックページもご参照ください。「FLAMENCOLABO」→「イベント」東京クラス　12/13（木）～12/16（日）会場：サラ・プランタ　東京都渋谷区恵比寿1-16-28 TKビル１２月１３日（木）①12:00-13:00 ブレリア昼クラスA②19:10-20:20　テクニカ（マルカールやレマテなど①:70分クラス③20:30-21:40　ブレリア夜クラスA：７０分クラス 12月14日（金）④12:00-13:00 ブレリア昼クラスB⑤19:10-20:20　テクニカ（マルカールやレマテなど②）:70分クラス⑥20:30-21:40　ブレリア夜クラスB：７０分クラス 12月15日（土）⑦12:10-13:10　ブレリア１日入門A⑧13:20-14:20　タンゴ１日入門A⑨17:10-18:20　ハレオ週末２日間①:70分クラス⑩18:25-19:25　ブレリア夜クラスC 12月16日（日）⑪12:10-13:10　ブレリア１日入門B⑫13:20-14:20　タンゴ１日入門B⑬17:10-18:20　ハレオ週末２日間②:70分クラス⑭18:25-19:25　ブレリア夜クラスD受講料：1クラス　7,000円／２クラス目以降　1クラス6,500円　どのクラスも単発受講可能（例：２クラス受講の場合　7,000＋6,500 =13,500円）•受講レベル目安：基本的に初心者からプロまで、どのクラスに来ていただいても結構です。•ブレリア入門クラスは特に初心者向けの内容•タンゴは１日毎なので、短い振りのみとなります。•ハレオはブレリアのリズムの応用です。できるだけ２日間続けてとっていただくことをお薦めします。•ブレリア昼／夜クラスでは、エル・ピパ家伝統のブレリアを目の前で見ながら一緒に踊っていくことができます。 •各クラス定員に達し次第締め切らせていただきます。関西クラス　12/1９（水）～12/23（日）関西クラスは全て７０分です。会場：カサ・グロリア　大阪市中央区常盤町2-3-16高木産業ビルＢ１または　Studio La cuna 大阪市中央区久太郎町2-3-8 ハイム船場Ｂ１ 12月19日（水）会場：カサ・グロリア　①12:00-13:10 ハレオ①（少人数クラス　定員１２名）②19:10-20:20　ブレリア・デ・ヘレスA（少人数クラス　定員１２名）12月20日（木）会場：カサ・グロリア/ Studio La cuna ③12:00-13:10 ハレオ②（会場：カサ・グロリア　少人数クラス　定員１２名）④19:15-20:25　テクニカ＜ソレアのマルカールやレマテなど①＞　(会場：Studio La cuna)⑤20:30-21:40 ブレリア・デ・ヘレスB (会場：Studio La cuna)12月21日（金）会場： Studio La cuna ⑥19:15-20:25　テクニカ＜ソレアのマルカールやレマテなど②＞　(会場：Studio La cuna)⑦20:30-21:40 ブレリア・デ・ヘレスC (会場：Studio La cuna) 12月22日（土）会場： Studio La cuna ⑧16:00-17:10　タンゴ週末２日間① (会場：Studio La cuna)⑨17:20-18:30　ブレリア・デ・ヘレスD (会場：Studio La cuna)12月23日（日）会場： Studio La cuna ⑩16:00-17:10　タンゴ週末２日間② (会場：Studio La cuna)⑪17:20-18:30　ブレリア・デ・ヘレスE(会場：Studio La cuna) 神戸クラス　12月21日（金）～23日（日）会場　スタジオ　ラ・カンパーナ　兵庫県神戸市中央区琴ノ緒町4-2-17 藤田ビル２Ｆ（三宮駅から徒歩３分）クリスマス直前特別クラス「ブレリア for クリスマス」 (ブレリアの基本的な振りでフラメンコのXmasソング「ビジャンシーコ」に合わせて踊ってみましょう。レベル初心者～)１２月２１日（金）11:30-12:40 (但し、初日の1クラスのみ受講の方は、12:50-14:00に時間変更になる可能性があります。）１２月２２日（土）11:00-12:10 １２月２３日（日）11:00-12:10 受講料：大阪／神戸共通　どのクラスも単発受講可能　1クラス　7,500円／2クラス以上受講の方は1クラス目から7,000円で計算（例：２クラス受講の場合　7,000 × 2 =14000円）神戸特別クラスはできるだけ３日間通して受けていただきたいので、３日連続受講の方のみ 21,000円→20,000円にディスカウントさせていただきます。また初日に限り、定員の関係上、12:50-14:00に時間変更になる可能性がありますので御了承下さい。受講レベル目安：基本的に初心者からプロまで、どのクラスに来ていただいても結構です。各クラス定員に達し次第締め切らせていただきます。お申込方法◎インターネットフォームから：東京クラス　http://form1.fc2.com/form/?id=788224大阪クラス　http://form1.fc2.com/form/?id=788231神戸クラス　http://form1.fc2.com/form/?id=788252◎メール受付：氏名、住所、電話、メールアドレス、希望クラスをご記入のうえ、infoelpipa@gmail.comまでメールでお申込ください。お申込受け付け後、予約確定のための手続きをお知らせするメールを送りますので、携帯メールをご使用の方は、必ずPCメール（gmail)からの受信ができるようにしておいてください。フォームまたはメール送信後、３日以上経ってもこちらからのメールが届かない場合は、直接infoelpipa@gmail.comにお問い合わせ下さい。お振込確認後、予約確定となります。キャンセル規定：受講日の2週間前までは50％４日前までは70％、それ以降は100％のキャンセル料がかかります
21Aug
- フラメンコと共に育った日本人と出会う「濱田吾愛のカンテ指南＆徳永健太郎・康次郎ミニ・ライブ」より
  4月からスタートしたウェブサイト「フラメンコ・シティオ／フラメンコ・ウォーカー」の更新は続けておりましたが、久しくこのブログでのフラメンコサプリの供給を休止しておりました。しかしこの間、サプリの原料はたっぷり仕入れてきましたので、また供給を再開していきたいと思います。スペインとの行き来を初めて１２年。１２年と言えば、生まれた赤ちゃんが小学校を卒業するのと同じ年月。大人になると、そこまで劇的な変化は表面上見えませんが、生きている限り「熟し」は深まっていきます。カンタオール、マヌエル・デ・パウラがドキュメンタリーの中で「一人前になるには少なくともその道２０年」そして「時間をかけなければ手に入れられないものがある」と。どんなに運動神経があったり、記憶力が良くて、形自体は習得したように見えても、中身が熟すには年月が必要です。生きていく上での経験、時間をかけて身体に染み込んでいくもの…そういうものがフラメンコには大切なのだと思います。「もっと早くフラメンコに出会ってれば良かった」と思った経験のある人は、私１人ではないと思います。しかし、これは嘆いても仕方のないこと。出会えただけでも良しとするとして…実際、日本で日本人として生まれると、なかなか生まれたときからフラメンコな環境にいて、物心ついたときからフラメンコのリズムが自然に身についていたという状況にはなりません。今でこそ２代目３代目はあるにせよ、アンダルシアのように家族親戚が集まってフラメンコなフィエスタというのも稀でしょう。もちろん、そう言う環境にいれば皆、フラメンコアーティストになれるのかというとそうではありませんが、この環境がアーティストへの道を助けることにはなるでしょう。１２年前、当時３歳くらいだったファルキートの弟、マヌエル（エル・カルベタ）は、いつもレッスンスタジオにいました。そして、生徒に教えている２人の兄（ファルキートとファルー）のやることを見て覚えては、「ねえ、見て見て！」とクラスの輪に入って来ては、「あっちに行ってなさい！」と叱られ「僕も踊りたい！」と涙ぐんでいました。従兄弟のエル・バルーリョもいて、遊びも喧嘩もサパテアード。家族なので叱るときも容赦はありません。そんな中で切磋琢磨して育っていたマヌエルは、今では舞台袖から母ファルーカに粋なハレオをバンバンかけるほどの「男」になりました。まだ１４歳ですが、フラメンコ経験からすると何とも濃い１４年だったと思います。さて先日、「フラメンコ・シティオ」の初企画「濱田吾愛のカンテ指南＆徳永健太郎・康次郎ミニ・ライブ」にお声をかけていただき、伺って来ました。カンテ指南をしてくださったのは濱田吾愛さん。お父様は、あの名著「フラメンコの歴史」の著者の濱田滋郎先生。フラメンコだけでなく中南米音楽、そしてクラシック音楽全般の研究家でいらっしゃいます。幼い頃から音楽がとても身近にあり、素晴らしいフラメンコアーティスト達ととてもコアなお付き合いをされて来られました。さすがに往年の名唱から学んで来られただけに、その日のチョイスもペルラ・デ・カディスのタンゴ。吾愛さんにお会いするのは初めてでしたが、次から次へと出て来るフラメンコな逸話、そして歌。スペインのバルで地元のアフィシオナーダ（愛好家）と話しているような気持ちになれました。そして徳永健太郎、康次郎兄弟。彼らも日本人として生まれながら、お母様がバイラオーラ、お父様はギタリストで、フラメンコと共に生まれ育って来られたようです。中学を出てすぐにセビージャへ。ご両親のご英断にフラメンコファンとしては大感謝です。気負いなくギターを弾く姿に、ギターが彼らの生活の中に常にあり、身体の一部になりつつあるんだなと感じました。そして２人とも、ギターを弾いている時の顔つき、眼差しが、スペインで見るギタリスト達と重なりました。これは、将来とても楽しみです！偶然なのか、運命なのか！？　日本で生まれながら、人生の始まりとともにフラメンコが身近にあったというこのお二組。吾愛先生と徳永兄弟は会場で簡単に打ち合せをしただけで、本番、カンテとギターを披露してくれました。これはスペインのフラメンコのプロの世界では当たり前のこと。これをちゃんと普通にできるこの二組。なんとも頼もしい発見ができた一日でした。19歳と21歳の徳永兄弟、今はセビージャに在住とのこと。スペインにいる地の利を活かして、同世代との生活だけに留まらず、大御所や活躍中のギタリスト、つまりお爺ちゃん、お父さん世代の演奏をできるだけたくさん生で見て聴いて欲しいなと思います。そして、これからも益々場数を踏んで腕をあげていってください。シェリー酒と同じように、フラメンコはそれぞれの年代で良さがあると思います。４０歳を過ぎて成熟し、“マエストロ”という名がふさわしくなった時の演奏は、素晴らしいものでしょう。しかし、20代、30代も、その時にしかないエネルギーや感性がこもった演奏ができるはずです。それが積み重なってどんなふうに成長していくか。聴く側の私達はその成長を楽しみに応援して行きたいと思います。このお二人のコンサートが９月２２日（土・祝）新宿エル・フラメンコであります。くわしくはこちらです。「今」の彼らの音を聴けます！
23Apr
- 新フラメンコサイトオープンのお知らせとGWのフランス情報
  今回はお知らせを２つ。新しいフラメンコのウェブサイトがオープンしました。　管理人は、日本のフラメンコを長年支え続けていらっしゃる西脇美絵子さん。フラメンコを元来の形である“音楽”として皆様にもっと親しんで、そして楽しんでいただきたいという想いもあってのこのサイト。フラメンコの練習生の方やプロの方にはもちろん、フラメンコに興味のある音楽ファンの方にもお役に立てるのではないかと期待しています。　そのサイトの中で「フラメンコ・ウォーカー」として登場させていただくことになりました。スペインとの往復生活も１４年目。たしかに歩き続けて来ました。しかし、今もって「当たり前」という慣れの感覚はありません。例えば…「セビージャに居たら、アーティストと道で出くわしても当たり前」ではないのです。その日、その時間、その場所に居合せ、相手の存在に気がつく確率は、テンポラリーにスペインを訪れている旅人にとってはミラクル！といつも感じます。フラメンコという芸術を通じて、言語も文化も違う遠く離れた国に生まれた者同士が出会えたことも、フラメンコの神様に感謝！偏見や先入観なく、より分かり易くお伝えできるよう、これからも歩き続けてフラメンコ経験値をアップしていく予定。新鮮な感動と情報を日本にお伝えできればと思っています。さて、話題は変わりユーロが以前に比べ安くなったせいか、ヨーロッパへの旅行者が増加傾向にある今日この頃。ゴールデンウィークをフランスでとご計画中の方にフラメンコ朗報です。５月３日から３日間、パリ１9区のPARC DE LA VILLETTEにてフラメンコ公演が開催されます。毎日二部構成のプログラムがとても充実５月３日は、昨年NHK－BSでも放映された「Vertige ヴェルティージュ」（DVD販売中）に出演していたバイラオール、ホセ・マジャ。２部は、引退を宣言していたファルキートの母、ラ・ファルーカ、エル・カルペタ（ファルキートの末弟、映画「フラメンコ・フラメンコ」）、そしてラ・ファラオナ（ファルキートの伯母）の３人がファルーコファミリーのバイレを見せてくれます。５月４日は、ヒターノの感性が鋭く光るフラメンコピアノのディエゴ・アマドールとバイラオーラのラ・モネタが公演。最終日の５月５日は、ヘレスのフェスティバルでも弾けたバイレで魅了してくれたパストーラ・ガルバン。そして締めには、バイラオール、アントニオ・エル・ピパの登場です。フランス語のサイトですがこちらに詳細があります。会場のGrande Halle(グランドホール）はメトロ５番線Porte de Pantin駅からすぐ。パリでプラスαのお楽しみはいかがですか？
18Jan
- カルロス・サウラ監督　新作フラメンコ映画「FLAMENCO FLAMENCO』日本で劇場公開
  『フラメンコ・フラメンコ』２月１１日（土）より、Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー監督・脚本：カルロス・サウラ（『フラメンコ』『サロメ』『カルメン』）撮影監督：ヴィットリオ・ストラーロ（「ラストエンペラー』『地獄の黙示録』）音楽：イシドロ・ムニョス出演：サラ・バラス、パコ・デ・ルシア、マノロ・サンルーカル、ホセ・メルセー、ミゲル・ポベダ、アルカンヘル、エストレージャ・モレンテ、イスラエル・ガルバン、エバ・ジェルバブエナ、ファルキート、ニーニャ・パストーリ、トマティート、モライート　ほか配給：ショウゲート（2010年/スペイン映画/カラー/1：1.85/ドルビー・デジタル5.1ch/101分）オフィシャルサイト：www.flamenco-flamenco.com 同監督の前作「フラメンコ」が公開されたのは１５年前。１時間半余りの間に多くのアーティストをどアップで観ることのできる贅沢感は格別でした。その後も何度も繰り返し観ている作品で、今もって古さを感じない名作です。独特の色使いと影が織りなす効果を背景に一流アーティストによる演奏、バイレが繰り広げられた一作目の「フラメンコ」。シンプルな舞台セットにフラメンコがリアルに映し出され、フラメンコの持つ荘厳さがよく表れていました。当時まだフラメンコを始めて間もなかった私にとっては、フラメンコの各曲種のスタイル、そしてアーティストの顔と名前を覚えるよい教材ともなりました。さて今回の「フラメンコ・フラメンコ」は、前作よりさらにドラマティックな色彩が印象的。そしてスペイン人画家の絵画や幻想的な舞台セットによる演出が加わり、まるでそれぞれの場面が映画のワンシーンのような作りとなっています。“かっこいい！”です。さてさて、この映画の見所というと…とても一度では書ききれません。なんと２１幕もあるんですよ！２１演目一度に観れるとは…またまた１５年ぶりの贅沢です。とりあえずオープニングのシーンについてちょこっと。一幕目のルンバ「ヴェルデ・テ・キエロ・ヴェルデ」は、前作「フラメンコ」のエンディングで歌われていた曲。前作ではマンサニータ＆ケタマで演奏されていました。今回もその時のギタリストの一人でケタマのメンバーだったホセミ・カルモナが弾いています。前作とリンクしてますね。そして歌っている歌手の女性の方（カンタオーラ）は、後で登場するギタリスト、トマティートの娘さんのマリ・アンヘレス・フェルナンデス。緑のドレスに身を包み、うっとり見とれてしまうほどのグアパ（スペイン語で美人）、そして女性らしい甘い歌声。彼女の歌声はトマティートのCDでも聴くことができます。そう言えば、前作でも父と娘が別々の場面に登場というのがありました。バイラオール、マリオ・マジャとその娘さんのベレン・マジャです。そのマリオ・マジャの場面に出ていたイスラエル・ガルバンが今作ではソロで踊っています。父娘と言えば、前作でシギリージャを歌っていたエンリケ・モレンテの娘さんエストレージャ・モレンテが、今作ではタンゴを歌っていて、その場面には妹のソレア、弟のエンリケも参加しています。そして、今回の映画のテーマは「生命の旅と光」ということですが、命の再生を思わせるラストシーン。フィエスタ・デ・ブレリアの場面では昨年逝去したギタリスト、モライートが途中ギターを置いて、ブレリアのウナ・パタイータ（踊り一振り）を披露。まさに私達の前に蘇ってくれています。と、まあこんな風に色々キリがないのです。また書き足して行くと思います。２月の公開後には、劇場の大画面で迫力あるフラメンコを堪能してみて下さい。

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「フラメンコ・ウォーカー」未掲載の公演レポート：「¡VIVA!」

久しぶりのバイレ・サプリ：タブラオ「ガルロチ」で、パウラ・コミトレを観るの巻。

日本で観ても楽しかった！タブラオ「ガルロチ」にて、エル・フンコグループ公演鑑賞。

本番間近！クラシコ・エスパニョールも楽しめる公演「レリカリオ」続報。

フラメンコ&クラシコ・エスパニョールが楽しめる公演「レリカリオ」優先予約のご案内

残念な映画試写会

フラメンコ・ウォーカー、更新しました！

フラメンコ・フェスティバル「ラ・イスラ・シウダ・フラメンカ」

久々の更新とフラメンコ番組再放送のお知らせ

2015年秋フラメンコフェスティバル in Japan ＆驚きのカンタオール・ストーリー

１年以上ぶりの更新！そして、とびきりお得なお知らせです！！

セビージャとんぼ返り旅報告とイメージトレーニングのための必須サプリ。来日レッスンへのお誘い。

アラフォー、二児の母、そしてバイラオーラ。マヌエラ・リオス、来日初レッスン開催。

秋の東京フラメンコワークショップのお知らせ マヌエラ・リオス、ベレン•マジャ、マヌエル・リニャン

ロルカ戯曲をフラメンコで。「アレルヤ・エロティカ」のドキドキ映像のご紹介。

ビエナル終了報告＆今年最後のフラメンコサプリ生供給はクラスとフィエスタで！

ちょっとびっくり！へレスからのニュース＆12月のクルシージョのお知らせ

フラメンコと共に育った日本人と出会う「濱田吾愛のカンテ指南＆徳永健太郎・康次郎ミニ・ライブ」より

新フラメンコサイトオープンのお知らせとGWのフランス情報

カルロス・サウラ監督 新作フラメンコ映画「FLAMENCO FLAMENCO』日本で劇場公開

秋の東京フラメンコワークショップのお知らせ　マヌエラ・リオス、ベレン•マジャ、マヌエル・リニャン

カルロス・サウラ監督　新作フラメンコ映画「FLAMENCO FLAMENCO』日本で劇場公開