『ガリレオ』という作品が好きだ。
原作の小説は未読だが、連続ドラマとスペシャルドラマはリアルタイムで視聴していたし、劇場版においては映画館へ足を運ぶくらいには好きだ。
今回、舞台化されるのは『演技る』。
連続ドラマ第2シーズンの、あの事件か…
さて、
ガリレオ × 音楽劇
この乗法の積とは。

観劇中、「ドラマでは、こんな話だったろうか?」と思い返していた。
劇場からの帰路で調べてみると、ドラマの脚本は、原作を大きく改変していたようだ。
また、この舞台は、より原作に近いことも判った。
ドラマは、事件のトリックに比重を置いていたのに対して、舞台では“人間関係”を表現していた。
犯人や動機を捜査するなかで、キャラクター達の心情が吐露される。
それは、楽曲に乗って、歌となった。
心情というものを、歌で体現化し、台詞と差別化するーー構成の妙だった。
「ミステリーを音楽劇にするなんて、2.5次元じゃないんだから」と斜に構えていたが、音楽劇である意味が確かにあった。
“見えないものを表現すること”について、久し振り考える、実に良い機会だった。
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最も気になったのは、駒井と湯川の関係性である。
作中で「演劇作家と物理学者は似ている。どちらも膨大な時間を費やして無駄を生み出しているからだ。」といった内容の台詞があり、駒井は、湯川の物理学者人生に大きな影響を与えた人物であったことが窺えた。
繰り返すが私は原作を未読なので、あの設定や台詞が、本作のオリジナルか否かは判らない。
原作通りだとすれば、他のエピソードにも、湯川が駒井の影響を受けた描写がありそうだ。
オリジナルであれば、“演劇とは、膨大な時間を費やして生み出す無駄なもの”という、これこそが本作の命題なのであろう。
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