生物影響は「確定的影響」と「確率的影響」に分類することができる。
<確定的影響>
・閾線量がある
・線量が増加することで重篤度が増大する
・遺伝的影響や放射線発がん以外の生物影響
<確率的影響>
・閾線量がない
・線量が増加することで発生頻度が増加する
・遺伝的影響や放射性発がん
<確定的影響の症状と閾線量>
・骨髄:造血能低下 0.5Sv
・精巣:一時的不妊 0.15Sv
永久不妊 3.5~6.0Sv
・卵巣:一時的不妊 0.65~1.5Sv
不妊 2.5~6.0Sv
・水晶体:検知可能な白濁 0.5~2.0Sv
白内障 5.0Sv
・胎児:奇形 0.1Sv
精神遅滞 0.12~0.2Sv
放射線防護において、 確定的影響は完全に防ぎ、確率的影響は可能な限り防ぐことを目標とする。
生体が放射線被ばくしたときに、放射線によって影響を受けやすく、防護上特に注意を要する臓器を「親和性臓器」または「決定臓器」という。
<放射性同位元素とその親和性臓器>
55Fe・・・造血器、肝臓、脾臓
60Co・・・肝臓、脾臓
125I、131I・・・甲状腺
222Rn・・・肺
90Sr・・・骨
226Ra・・・骨
232Th・・・骨、肝臓
238U・・・骨、腎臓
239Pu・・・骨、肝臓
241Am・・・骨、肝臓
3Hを含むトリチウム水や137Csは全身にほぼ均等に分布するため、親和性臓器はない。
<これらの放射性同位元素を摂取してしまった場合の体内からの排泄促進手段>
トリチウム(3H)水
・・・利尿剤投与、大量の水分摂取
放射性ヨウ素
・・・ヨウ素剤を投与して、安定ヨウ素を先に満たすことで放射性ヨウ素の摂取を予防する
放射性コバルト
・・・D-ペニシラミンを投与
その他
・・・キレート剤DTPAなどを投与することで、金属を捕えて沈着を防止する(ただし、副作用が強いためあまり有効ではない)
下剤を投与して消化管沈着を防止
イオン交換剤のプルシアンブルーを投与する
計算問題が頻出の分野。
核反応式を考える上で、入射・放出粒子の質量数、陽子数をしっかりと覚えておくことが重要。
粒子:質量数 / 陽子数 の順で挙げていく。
・γ線:質量数0 / 陽子数0
・中性子n:質量数1 / 陽子数0
・陽子p:質量数1 / 陽子数1
・重陽子d:質量数2 / 陽子数1
・三重水素t:質量数3 / 陽子数1
・α線:質量数4 / 陽子数2
α線の実体は、Heの原子核である。
続いて、放射化反応で生成する放射性核種の生成放射能について。
生成する放射性核種(半減期:T)と、照射直後の放射能A、照射時間tの関係は
A = fσN{1-e^(-λt)}
f:照射粒子フルエンス (n/㎝^2・s)
σ:放射化断面積(㎝^2)
λ:生成核の壊変定数(0.693/T)
N:ターゲット核の原子数
となる。
例題とその答えを二つ載せる。
問題。
Q1
金属コバルト1.00gを熱中性子フルエンスf = 3.0×10^11 の原子炉で24時間照射した。
照射直後に生成する60Co(T=5.2年)の放射能は?
(ただし、中性子捕獲断面積σは16.8バーン、Coの原子量は58.9 とする)
Q2
サイクロトロンからの重陽子による照射で、ある核種(半減期1時間)を生成。
条件① 1μAの重陽子ビームで1時間照射すると、照射直後の放射能は1×10^7[Bq]
② 同条件で、重陽子ビームの強さを 2μAにあげ、2時間照射する。
この時の放射能は?
以下、答え。
A1
1.9×10^7 [Bq]
A2
3.0×10^7 [Bq]
略解。
Q1では、λt<<1なので(T>>tであるから)、e^(-λt) を 1-λtと近似できることを利用する。
また、金属コバルト原子は1.00g中に何個含まれているかを、アボガドロ数などを利用して求めなくてはならない。(公式のNを求める)
Q2では、重陽子ビームの強さと重陽子束密度(=粒子フルエンスf)は正比例することを利用する。
いずれも、先に赤字で書いた公式を使用すれば、簡単な計算で解くことができる。
核反応式を考える上で、入射・放出粒子の質量数、陽子数をしっかりと覚えておくことが重要。
粒子:質量数 / 陽子数 の順で挙げていく。
・γ線:質量数0 / 陽子数0
・中性子n:質量数1 / 陽子数0
・陽子p:質量数1 / 陽子数1
・重陽子d:質量数2 / 陽子数1
・三重水素t:質量数3 / 陽子数1
・α線:質量数4 / 陽子数2
α線の実体は、Heの原子核である。
続いて、放射化反応で生成する放射性核種の生成放射能について。
生成する放射性核種(半減期:T)と、照射直後の放射能A、照射時間tの関係は
A = fσN{1-e^(-λt)}
f:照射粒子フルエンス (n/㎝^2・s)
σ:放射化断面積(㎝^2)
λ:生成核の壊変定数(0.693/T)
N:ターゲット核の原子数
となる。
例題とその答えを二つ載せる。
問題。
Q1
金属コバルト1.00gを熱中性子フルエンスf = 3.0×10^11 の原子炉で24時間照射した。
照射直後に生成する60Co(T=5.2年)の放射能は?
(ただし、中性子捕獲断面積σは16.8バーン、Coの原子量は58.9 とする)
Q2
サイクロトロンからの重陽子による照射で、ある核種(半減期1時間)を生成。
条件① 1μAの重陽子ビームで1時間照射すると、照射直後の放射能は1×10^7[Bq]
② 同条件で、重陽子ビームの強さを 2μAにあげ、2時間照射する。
この時の放射能は?
以下、答え。
A1
1.9×10^7 [Bq]
A2
3.0×10^7 [Bq]
略解。
Q1では、λt<<1なので(T>>tであるから)、e^(-λt) を 1-λtと近似できることを利用する。
また、金属コバルト原子は1.00g中に何個含まれているかを、アボガドロ数などを利用して求めなくてはならない。(公式のNを求める)
Q2では、重陽子ビームの強さと重陽子束密度(=粒子フルエンスf)は正比例することを利用する。
いずれも、先に赤字で書いた公式を使用すれば、簡単な計算で解くことができる。
