私のいる病棟には、重症の患者さんはほとんどいない。
大体が1週間から1か月で元気になって退院していく。
私だってあと数か月もすればいやでも職場に復帰して働いているはずである。
それなのに、なんでここにいるときに、私はこんなにも死の気配を感じないといけないのだろう。
入院してはじめて、今まで、そしてこれからも、死ぬまで生きている間はゆっくり死んでいかないといけないんだと気付いたのである。
死ぬまで死ねないという考えにとらわれると、急に動く気がなくなる。
隣のベッドで寝るおばあさんの苦しそうな声を聞きながら。
健康で丈夫な体を持ちながら人様に迷惑をかけ続ける自分を恨みながら。
日差しが入ると暑くなりすぎる病室で、ただ白い天井を見ています。
