はい、だいきすいしつの藤岡です。 -2ページ目

はい、だいきすいしつの藤岡です。

仕事のことやプライベートを綴ります。




何週間か前に録画していた坂本龍一のテレビを見てから
音がよく聞こえるようになった。

正確には、意識するようになった。

ここ何年もずっと何かと忙しい日々を送ってきたので
夜に一人でゆっくりする時間などないに等しかった。

たまに一人になれる夜があっても
物足りない気がしてテレビを見ながらお酒を飲んだり、常に大きめの音の中に居た。

坂本龍一の録画を見るきっかけも結局はそんなタイミングだったのだけれど、

思わずずっと使っていなかったイヤホンを部屋から探し出して、

最初から最後まで静かにきいた。

結局はビールを飲みながら。

でもそれから何故か日常の音が聞こえるようになって今に至る。

ここ最近、いろんな社会の影響をもろに受けてしまって
いきなり家に居る日が続いているせいか、

家にいてもそんなにビールを飲まない。

唐突だけど今日、急須と湯呑みを買った。

学生時代、京都へ友達と弾丸で行った旅行先で購入して以来の自分用の急須。
お茶をいれるやつね。

ついでに湯呑みも新しくした。
せっかくならマグカップじゃいけない気がしたから。

テレビを消して、あらいけして、お茶を淹れようと思ったのが23時過ぎ。

ケトルでお湯を沸かす音。

僕の歩く足音。

紙袋から二つの箱を出す音。

小さな段ボールの箱を開ける音。

固いものがキッチンのテーブルに当たる音。

蛇口からの水の音。

布の擦れる音。

お茶葉の袋を切るためにハサミを出す音。

切れる音。

ハサミを戻す音。

葉っぱの乾燥した音。

お湯を注ぐ音。



ひとつひとつが、
とても懐かしいように聞こえる。

一分

その間に思い出したのは
松前にいた母方のおじの部屋。

晩年は体を悪くしてずっと部屋にいたおじさん

ものすごくゆっくりとお茶を淹れる人だった。

おじさんのお茶は甘かった。

昔は、そんな種類のお茶なんだと思っていたことを思い出した。

ちゃんと淹れたお茶は確かに種類にもよるけど甘い。

どれどれ。

確かに美味しい。

でも、おじさんのお茶ほどではない。

茶葉も違うのだろうが、
たぶん根本的になにかが違う。

僕もあの年になればあんな味が出せるんだろうか。

そんなことを考えては

またいろんな音が聞こえる世界に帰って来た。

今も隣で生きている音がする。

こんな静かな夜もいい。

明日はもう少し、今日より丁寧に生きよう。