10月14日 午後10時。
「もーやだー!なんでヒョクいないの!?
俺の誕生日なのにーー!!!」
『家族で旅行なんだから
しょうがないじゃないですか。
うるさいですね。』
「キュヒョナひどいだろぉ!どうせお前も
ゲームしててお祝いなんてしてくれないんだ!」
『もう、静かにしてくださいよ。』
宿舎には僕とヒョンの二人。
あと2時間でヒョンの誕生日だ。
「ううっ…。メールか電話…来るかなぁ?」
『知りませんよ。時差があるから
来ないんじゃないんですか。』
「えぇー!(泣)」
ピンポーン。
『ただいまー^^ドンへ、あと2時間で
誕生日だね!間に合うように帰ってきたよ!』
トゥギヒョンが帰ってきた。
「ありがとー!ヒョン!」
『はぁうるさい。ミニヒョンが帰ってきたら
教えに来てくださいよ。』
バタン。
自分の部屋に入る。
「キュヒョナったらひどいよね!」
ドンへヒョンのむくれた声がする。
『今年こそは…送れるかな…。』
キュヒョンの携帯には
ドンへへの誕生日メールが表示されていた
毎年こうして2時間前には誕生日メールを
用意する。
口では照れて言えないから、メールで。
しかしそのメールさえも毎年送れずにいた。
10月15日 午前12時。
《ドンへ、誕生日おめでとう!!》
トゥギヒョンの他にカンインヒョンなどの
声も聞こえた。みんな帰ってきたんだ。
「ありがとうーーー^^」
ドンへヒョンの嬉しそうな声がした。
キュヒョンの手元の携帯には
未送信のままのメール。
『押さなきゃっ…』
その時。
「はい、もしもし。あっヒョクー!
うん!うん!ありがとぉーー!」
ドンへヒョンの弾んだ声が聞こえた。
「うんそうだよ!
キュヒョナと二人だったんだけど
みんな帰ってきてくれたの!
え?キュヒョナ?まだだよー!
冷たいやつ!でねぇ!…」
ドンへヒョンの楽しそうな声。
そんなに嬉しい?楽しい?
俺はウニョギヒョンには勝てないの?
冷たいやつ…か…。
未送信のメールのままの画面の携帯を
握りしめていると
ガチャ!!
ドアが開いた。
「ねぇ!キュヒョナ!
ヒョクから電話きたの!」
『そう…ですか。よかったですね^^』
優しく微笑み、答える。
「うん!よかった!!」
ヒョンがドアを閉めようとした、その時。
『…あっ!ヒョン!!』
ヒョンを呼び止めた。
「なぁに?」
ヒョンが不思議そうにこっちを見て
首をかしげる。
『誕生日っ…おめでとうございます…
また一つ年取って、老けましたね。』
左の口角をあげて、意地悪に言う。
「なにそれー!いやみなやつ!!
んまぁーありがとっ^^」
ヒョンは嬉しそうに部屋を出た。
力なくベッドに腰かける。
こんなはずじゃなかった。
もっと素直に言いたかった。
おめでとうって。
いつも素直になれない。
キュヒョンの携帯のフォルダには
たくさんの未送信メール。
毎年送れずに積もっていくメール。
そしてキュヒョンの頬に
伝えられない想いが
涙と共に溢れ落ちた。
ーENDー