※ヒチョル目線
「荷物、そっち持っていってー!」
『もうそこにはないー?荷物!』
宿舎を忙しくスタッフが動き回る。
あいつの部屋からあいつの荷物が消えていく。
あいつの部屋から "あいつ" が消える。
1年前。
俺の兵役前最後のステージで号泣していたジョンス。
俺の唯一の兄で大事な友達。
『イトゥク』としてデビューをしてから
7年経った今でも、俺の中では
「ジョンス」なんだ。
「ヒチョル。仕事の事は俺に任せて
安心して行ってこいよ?」
俺の入隊前日。あいつは俺にこう言った。
『は?別に俺は毎日ここに帰ってくるし。
元々お前がリーダーだから
当たり前だろうが。』
照れから冷たく言い放ってしまった。
気心知れたあいつに照れ隠しなんて。
「うん。俺ももうすぐ行く。その時は頼んだよ。」
『ん。まー考えとくわ。』
1年前こんな話をした。
でも今度は俺が守る番だから。
「ただいまー^^さっぱりしちゃった!」
あいつが頭を丸めて帰ってきた。
入隊まであと1日。
「これから寒くなるのにまいったよー^^」
見慣れないあいつの後ろ姿。
そんな小さな後ろ姿につぶやいた。
『…俺が守っとくから。お前の場所も空けとっから。
早く帰ってこいよ…?』
驚いた顔であいつは振り向き、こちらを見た。
「…うん。いってきます^^」
寒々しい坊主頭を照れくさそうにかいて
あいつは片方にえくぼを作って笑った。
ーENDー