原発事故直後、「大丈夫」「心配ない」という専門家の方が多くテレビ出演していました。一方では、中部大学の武田邦彦教授は「1ミリシーベルト男」と揶揄されるほど、持論をブログに展開し、多くの支持を集めてきました。
最初はだれを信じたらいいんだろうと思っていました。シーベルト、ベクレルも思い出せないほど、私も放射線防護の考え方から遠ざかっていた時です。最初は武田先生のブログを毎日みて、その後放射線取扱主任者の試験勉強をする中で、少しづつ考えを整理することができました。
放射線防護には以下の3つの立場があります。
1)学術的立場
2)ICRPの立場
3)法律的立場
1)は学問的調査・研究により、影響を判断する立場です。現在分かっているのは、100ミリシーベルトで1000人に5人ががん死亡するという立場です。100ミリシーベルト未満の領域は学会内で検討されています。がん死亡を30%とすると、1000人中300人がガンになり、その中の5人の変動を検出することになります。
2)は国際放射線防護委員会(ICRP)が勧告する放射線防護の立場です。公衆の被ばく限度(自然放射線や医療被曝を除く)は年1ミリシーベルトが勧告されています。ただし、国や地域の事情に応じて前後させてよいとしています。
3)は国内法で判断する立場です。日本の場合は以下のようになっています。
①公衆の被ばく限度 年1ミリシーベルト
②放射線管理区域境界 年5ミリシーベルト
③職業被ばくの限度 年20ミリシーベルト(5年平均値)
われわれ一般人は1)2)の立場は判断しがたいのが普通です。したがって、3)法律的立場で判断することをまずはおすすめしておきます。これをベースに、このフェイスブックページではお話させていただきたいと思っています。
参考となる文献の記述
「100mSvという数値については、がんリスク増加を統計学的に検出することが容易でないため、放射線の影響が見られたという研究も、見られなかったという研究もある。よって専門家が低線量放射線の健康影響を説明する際には、”個別の研究の成果を紹介しているのか””国連科学委員会の見解のような包括的評価結果を説明しているのか”、あるいは”放射線防護上のルールに関する説明なのか”を明確にすることにより、無用な誤解や混乱を防ぐことができると考える」
引用:「疫学研究から見た低線量放射線の影響ー専門家によって説明が異なるのはなぜかー」(放射線医学総合研究所放射線防護研究センター神田玲子)