や、やっと終わった…。もう何十回このポンコツ物語を読んだ事か。「本を作る」って事がいかに大変か、今回身に染みて分かりました。誤字脱字なんてのは直すの簡単。「違和感」を直すのがこれほど大変とは。それに本にする以上、事実関係を調べ出したらやっぱりめちゃくちゃで。戦争で接収されて、通天閣無いってw。パイナップルって生育に1年半かかるってww。もういくら直しても納得がいかなくて、苦悩の連続でした。結果大幅に、加筆修正をする事になりました。
 そしてそんな事よりもっと苦しんだのは、俺は一体何をしてるのだ?という思い。時間とお金をかけて、もしかしてすごくバカな事をしてるのではなかろうかと。「プレゼントしちゃいます!」なんて、こんなもん渡してどうすんの?とか。「製本とか俺マジばかじゃね?こんな物を世に生まれさせる意味なくね?」っていうような思い。これが本当に辛かった。そんな時のクスリは一つ、「開き直り」だけでした。何とか自分を鼓舞しつつ、何とか何とか、終える事が出来ました。
 今回、表紙の絵をふじよさんに御願いしました。これが想像以上の素晴らしい出来で、ポンコツ物語に大きな花を添えて頂きました。そして僕の気力を、激しく支えていただきました。一度も話した事さえないのに、僕のわがまま色々聞いていただきまして。あーでもないこーでもないと、メールで打ち合わせをさせてもらって。いやその間本当に楽しかった。出来上がったイラストは、想像を絶する出来でした。心を、感じることが出来ました。この場をお借りして、衷心から御礼を言わせて頂きたいと思います。ふじよさん、忙しい中素晴らしいイラストを描いてくれて、本当にどうもありがとう。それから製本をするチャンスをくれたヤフーブログにも、感謝。そしてこの物語を最後まで読んでくれた、ほんの若干のw皆様に。本当に本当にありがとうございました。
 さてこの物語、なんとショウとトドが結婚するという形で終えたのですが。一体どういう経緯で結婚、なんて事になったんでしょうねぇ。本当に結婚するんでしょうか。それから何か、決着付いてないことがあったような。それにあれから少年達は、どうなったんでしょうねぇ…。と、そんな事を纏めた、ちょっとした続編を作ってみました。次のページから始まります。すごく長い間待っててくれたアナタの為に、ほんの気持ちの、プレゼントになれば幸せです。僕にしてみれば十年越しの、続編です。
 
 僕の人生でたった一度の、たった一つの、そして最後の物語を、お届けします。
 最後の最後にもう一度だけ。本当に、どうもありがとうございました。

             二〇〇九年十一月の、寒い土曜日に。 Firoswi