【待遇をよくすることの落とし穴!?】 | Live with Max.

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そんな視点でいろんなことを考えながら書いています。

 2週間ほど前に、東京ディズニーリゾードを運営するオリエンタルランドの労働組合が、アルバイトを含めた約2万人の非正規従業員を組合員にするということが大きなニュースとなっていた。

 これにより組合員数は、現在の2,900人から22,000人まで増えるのだとか。これによって待遇改善の交渉も行えるようになる。キャストのほとんどはアルバイトだということで脚光を浴びていた時もあったのにね。

 3年ほど前に、いわゆる「派遣切り」でも騒動があった「夢の国」で、またこんな「現実的な問題」が起こっている。

 

 大きな原因は人員不足だとのこと。時給は近隣の相場に比べて悪いわけじゃないし、ディズニーというブランド力もあるので、採用できないというよりは、入っても続かない、ってことなんじゃないだろうか。ディズニーに限らず、客として利用するのは楽しいけど、働く場所として良いかどうかは別問題だしね。

 

 そんな事態をうけ、飛び交っている言葉の中に、

 

「人手不足なのではなく賃金不足。不足してるのではなく選ばれてないだけ。経営陣は何が不足しているのかよく考えた方がよい」

「キャストを組合員に変えても給与が変わらなければ意味がないだろう」

 

なんてのもあり、すごく引っかかった。

 

 サービス残業が強制だとか、本来支払われるべき実態に対して賃金が発生していない、とかを無くす努力なら分かるけど、単に時給をもっと上げて解決なんて方向性になったら、個人的には残念だ。

 

 退職を減らすことを目的に低すぎるわけではない賃金を上げてしまうと、結局はそれがすべてになりやすい気がする。お金で動き、お金で不満を持ち、お金で去る。そんな人達だけになりそう。お金が原動力みたいな。仕事は増えれば増えただけお金、お金でしょ。

 

 ディスニーのような場所だからこそ、『何のためにそれをしているのか? 』という働く意味を真剣に考えているキャストだってきっとたくさんいると思うんですね。で、そういう人たちって、その目的意識を自らがどんどん濃いものにしていくことができるキャストだと思う。

 そういった人たちが減り、待遇が他よりも良いからという理由で入社し、残る人たちが増えていったらどうなるんだろうなぁ。

 

 お金という原動力にコントロールされながら、会社が目指すことやあり方を受け入れていくのって、なんか怖い。

 まぁ経営者であれば、採用や採用後の育成にかかる時間やコストを考えれば、それを今いる従業員へ与えることで従業員の定着が強化できれば、合理性としては十分なのかも知れないけどね。

 

 別にディズニーの内情を知っているわけではないので、ネット上の言葉から勝手にイメージをふくらましてしまいましたが、やっぱりそこで働くことに価値を感じる人たちが集まるってイメージが今でも個人的にはあるんですよね。そういうのが無くなってしまうのって、ちょとさみしいなって気がして。そうはならないでほしいなぁと思ったのでした。

 

 現状の問題を解決するのは別な手段で、それとは別に従業員へ良い待遇は可能な限り与えよう!ということになっていけば、素晴らしい例として内外から支持を受けるんじゃないかな。