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第6話 「ティータイム」
 
 ましな服に着替え聡志が学園内にある喫茶店についたのは予定より10分早かった
イリアの予告どうり喫茶店はまだ開店していた。
喫茶店の店員の表情はともかく長らく待たされるだろうな、と聡志は思いコーヒーを注文する
 
しかし、聡志の懸念はたった5分で裏切られる展開となった。
 
「待たせたかしら、ごめんね」
 
後ろから声をかけられ、誰だか既に分かっているので。聡志はゆっくりとした動作で振り返った。
そこにいたのはまったくの別人であった。
 
まぁ、具体的には同一人物なのだが。
言葉の綾としては適切であると思う。
 
「聡志、そんなにジロジロと見ないで下さい。私にも羞恥心はあるんですよ」
 
本当に恥ずかしがっているのか定かではないが、聡志は慌てて目をそらす。
 
「き、きれいだね」
 
これが精一杯。
 
イリアがコロコロ笑いながら答える。
 
「聡志も随分といい丁度の服ですね。オーダーメイドですか?」
 
大正解。聡志の家柄はそれなりに裕福である。
 
「それより、どうしますか。そのまま突っ立っているのもなんでしょう」
 
機能回復をようやく果たした聡志が向かい側の席を進める。
イリアが優雅な動作で椅子に座り、何やら注文している。
 
改めて聡志はイリアの服装に見入っていた。
 
ロングスカートにカーディガンを羽織ったどこにでもいる学生だが
日本でこの金髪は強烈である
金髪のおかげで服装も際立ち完璧なセンスを誇示している
 
「では、本題に入りましょうか」
 
え、ディナーじゃなかったの?
 
聡志の訴えかけは成功しイリアが質問に答える。
 
「いえ、ティータイム中の本題ですよ」
 
意味分からんが。分かる気がする。
 
「ティータイム中にはしたくないお話ですが。あなたのお給料を決めなければなりません」
 
「あ、安くていいですよ。趣味活かしてやってるだけなんで」
 
「だいたいの教授がそうですよ。嫌でやっていたなら首をはねるだけですから」
 
お上品にコワいこと言ってるよ、この人。
 
「じゃ~、欲言って30万!」
 
教授の平均的収入が分からない聡志がゲスする。
 
「それだけ......」
 
外したか、じゃあ...親父が月500万だから
 
「50万じゃダメですか?」
 
「私が提案しようとしていた額と一致しましたね」
 
まるで、ゲームを楽しんでいたかのようにイリアが笑う。
 
最初から分かってたんかい!