ハンターの冒険死 「どうしても、思い出してしまう」

 

「死んじゃ、ダメ!」

 

今でも脳内に残っている......鮮明に残っている声だ。

 

涙で声を震わせながら、必死に俺を止めようとする小さい女の子。

 

三年間。毎日、死のうと思っている。

 

「ハンター、死んだら私も死ぬから」

 

三年間、同じことを同じ人物から毎日いわれる。

 

「分かってるよ」

 

俺はそう答える。

 

現実的にサチが近くにいるわけじゃないけど。

 

サチに会ったのは三年前のあるコテージで。

 

死のうと思って、山頂に建っていたコテージから身を乗り出した時に話しかけられた

 

それ以来、死のうと思うが死ねない

 

この、終わりのない世界で生きる価値なんてないのに......

 

サチ、俺を助けてくれ

 

ハンターは願うように頭を下げると新しい一日を始めた

 

そうここは仮想世界ミコース