老化防止や睡眠改善の効果があると話題の一方で、もっともらしく科学を装った疑似科学との噂も絶えない『水素水』。

一体、どんな人がハマっているのか?

過去の疑似科学とされるものも含め、愛用者の傾向を調査したものが報道されている。


疑似科学はある程度の科学知識があれば騙されないはずだが、信じる人が後を絶たないのはなぜか。

水に関する著書も多い法政大学の左巻健男教授が解説する。

「長寿化が進むなかで、人より長生きしたいとみんなが思うようになり、そこにつけ入る業者や健康を謳う疑似科学が増えています」

また、どちらかというと「女性のほうがハマりやすい」という。


「古代から男性は単独行動が多いのに対し、
女性は共同生活の中で何事も相談して決めてきました。
そのため協調性は高いが、単独では決断できず、誰かに背中を押してほしいタイプ。だから占いや疑似科学にハマりやすいのです」(男女心理学に詳しい研究者)


さらに、「学校の勉強ができる高学歴者ほど騙されやすい」とか。


「学校の授業は正しいことしか教えません。先生の言うことを信じて育ってきた、いわゆる学歴エリートは、物事を疑うことに慣れていないため疑似科学の効果を鵜呑みにしがちなのです」(疑似科学に詳しい明治大学の石川幹人教授)


疑似科学を見破るためには一度、自分自身を疑う必要がある。



◆疑似科学ブームの歴史

<1970年代>

●アルカリイオン水

●磁気ネックレス



<1990年代>

●EM菌



<2000年代>

●マイナスイオン…マイナスに帯電した粒子が体にいいと一大ブームに。大手家電メーカーも続々と疑似科学製品を発売していた

●水からの伝言(波動)…水に「きれいな言葉」をかけるときれいな結晶ができると話題に。小学校道徳の授業にも一時、浸透していた

●経皮毒…皮膚からシリコンなどの化学物質が浸透し、子宮に溜まるという噂だったが、真相はマルチ商法だったという



<2010年代>

●ジェムリンガ…パワーストーンを繋げた器具を膣に挿入すると子宮温め効果があると謳っていたが、実際は膣を痛めるだけである。

●重曹うがい…「重曹でガンが治る」なるトンデモ療法が“重曹水”でうがいや入浴すれば「放射能被曝が防げる」まで進化

●布ナプキン

●水素水




【石川幹人氏】
明治大学教授。’59年生まれ。認知情報論を専門とする傍ら超常現象の解明にも取り組む。著書に『なぜ疑似科学が社会を動かすのか』など

【左巻健男氏】
法政大学教授’49年生まれ。中学・高校の教諭を務めた後、同志社女子大学教授などを経て現職。著書に『ニセ科学を見抜くセンス』など